倶多楽湖

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ファイル:Jsc2000e02749 Lake Kuttara.jpg
衛星レーダー画像 (NASA PD)

倶多楽湖(くったらこ)は、北海道南西部、白老郡白老町にあるカルデラ湖支笏洞爺国立公園の特別区域に入っている。地域一帯で気象庁が定める活火山となっている。地名由来は、アイヌ語の「クッタル・ウシ・トー」(イタドリが生える湖)から。

概要

登別温泉の東方約2kmの位置にある。直径約3kmのほぼ円形の湖で、流入・流出する川がなく、水質はきわめて良い。環境省が発表する公共用水域水質測定では毎年湖沼部門の上位に名を連ね、たびたび1位にもなっている。透明度摩周湖に次いで2位とされる。年間の湖水位変化は1~2m程度である。また、中尾ら(1967)[1]によると、湖水が地下水として湖底から漏出し、その漏出量は0.44m3/sと見積もられている。

火山活動

倶多楽湖を形成した倶多楽火山は玄武岩 - 安山岩成層火山体で、約8万年から4万5千年前までの期間に複数の火口火砕流を伴う大規模な噴火を繰り返し、約4万年前までの活動で倶多楽湖を形成した。近年では、約1,900年前と約200年前に活動をしていたと考えられる。現在、湖の西側にある日和山(デイサイト (SiO2 67%) による溶岩ドーム)は噴気活動を続けている。湖の周囲は標高500メートル前後の外輪山が形成されており、その最高地点は窟太郎山(534メートル)である。

登別温泉の源泉である地獄谷や大湯沼(ともに爆裂火口)、日和山噴火口(溶岩円頂丘)などの観光名所がある。

スペースシャトルからの三次元レーダー写真を見ると、噴火口跡の倶多楽湖南西から流れ出した溶岩が太平洋岸に 蘭法華岬とポンアヨロ岬を形成しているのが見える。

生態系

貧栄養湖でプランクトン量に乏しく、エゾサンショウウオ(かつて、サンショウウオが鰓を付けたまま成熟する現象「ネオテニー」があったが、最近は見られない)以外ほとんど生息していない湖だったが、1909年ヒメマスが移入され、以降その養殖が行われている。

観光

倶多楽湖自体の観光開発はほとんど行われておらず、登別温泉街から西側湖岸へ続く観光道路がある程度。国立公園特別区域内ということもあって開発が制限されており、このため湖を一周できる道路はない。観光道路沿いにレストハウス(夏期のみ営業)があり、ここでボートを借りてヒメマス釣りができる(解禁期間は例年5月中旬から7月末まで)。なお、流出する河川がないため、多雨年には水位が上昇して道路やレストハウスなどが冠水することもある。

その他データ

  • 流入河川 : 小規模
  • 流出河川 : なし

交通

道央自動車道登別東インターチェンジから北海道道2号洞爺湖登別線北海道道350号倶多楽湖公園線を経由して約8km。

鉄道ではJR室蘭本線登別駅が最寄りになる。

脚注

1 中尾欣四郎・大槻 栄・田上龍一・成瀬廉二(1967): 閉塞湖からの分水界漏出 -倶多楽湖-. 北海道大学地球物理学研究報告, 17号, 47-64.

関連項目

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外部リンク

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