仁礼景範

仁礼 景範（にれ かげのり、天保2年2月24日（1831年4月6日） - 明治33年（1900年）11月22日）は、江戸時代末期（幕末）の武士、明治時代の海軍軍人。海軍中将正二位勲一等子爵。通称は源之丞、平助。

来歴

天保2年（1831年）、薩摩藩士の子弟として生まれる。朔平門外の変では、京都守護職の会津藩が容疑者とされた田中新兵衛の寓居を急襲した際に、田中新兵衛と一緒にいた、仁礼景範も下僕の太郎ともども逮捕され連行された。後に容疑は晴れて、無罪放免となった。同年の薩英戦争に参加。慶応3年（1867年）に藩命によりアメリカに留学。

明治5年（1872年）、海軍に出仕して海軍少佐。のち、海軍兵学校校長、東海鎮守府長官、中艦隊司令官、軍事部長などを歴任。明治18年（1885年）、海軍中将。明治19年（1886年）より参謀本部次長、海軍参謀本部長、横須賀鎮守府長官、海軍大学校長などを歴任。

明治25年（1892年）、第2次伊藤内閣の海軍大臣に就任、海軍備の充実に力を注いだ。海軍の軍令権を陸軍の参謀本部からの独立に尽力し、明治26年（1893年）に軍令部が設置されるが、結局陸軍の反対により頓挫した。さらに民党や文官側より、海軍行革に不熱心との批判を受けて辞意を表明。伊藤博文は先の和協詔勅において、政府の公約であった海軍行革の推進と野党の国民協会の会頭（党首）・西郷従道の引抜きを図るために辞任を認め、仁礼は予備役編入となった。同年に枢密顧問官。

明治29年（1896年）、後備役。享年69。

叙位・叙勲

• 明治17年（1884年）7月7日、子爵。
• 明治26年（1893年）6月29日、勲一等瑞宝章。
• 明治33年（1900年）11月21日、勲一等旭日大綬章。

逸話

南州翁逸話によると、仁礼の飼っていた犬が上野公園にある西郷隆盛の像の犬のモデルとなったらしい。

家族

• 長男の仁礼景一は「初瀬」分隊長として日露戦争で戦死した海軍少佐、三男の仁礼景雄は昆虫学者。
• 娘の春子は総理大臣斎藤実に嫁いだ。東京で二・二六事件や東京大空襲の経験を経たのち、斎藤の郷里である水沢市に隠棲。当地にて98歳の長寿を全うしている。

関連文献

• 渡辺幾治郎「仁礼景範中将」（東京新聞社編『無敵海軍の父』東宝書店、1944年2月）
• 犬塚孝明「仁礼景範航米日記」（『研究年報』第13号、鹿児島県立短期大学地域研究所、1985年3月）、同「仁礼景範航米日記（その二）」（同誌第14号、1986年3月）
• 山村義照「仁礼景範」（朝日新聞社編『朝日日本歴史人物事典』朝日新聞社、1994年11月）

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 |-style="text-align:center"

|style="width:30%"|先代：
中牟田倉之助 |style="width:40%; text-align:center"|東海鎮守府司令長官
第4代：1881年6月17日 - 1882年10月12日 |style="width:30%"|次代：
中牟田倉之助

 |-style="text-align:center"

|style="width:30%"|先代：
新設 |style="width:40%; text-align:center"|海軍軍令部長
在任中に参謀本部次官、更に参謀本部海軍部長に改称
初代：1886年3月16日 - 1889年3月8日 |style="width:30%"|次代：
伊藤雋吉

 |-style="text-align:center"

|style="width:30%"|先代：
中牟田倉之助 |style="width:40%; text-align:center"|横須賀鎮守府司令長官
第2代：1889年3月8日 - 1891年6月17日 |style="width:30%"|次代：
赤松則良

 |-style="text-align:center"

|style="width:30%"|先代：
林清康 |style="width:40%; text-align:center"|海軍大学校校長
第4代：1891年6月17日 - 1892年8月8日 |style="width:30%"|次代：
空席 テンプレート:S-off

 |-style="text-align:center"

|style="width:30%"|先代：
樺山資紀 |style="width:40%; text-align:center"|海軍大臣
第6代：1892年8月8日 - 1893年3月11日 |style="width:30%"|次代：
西郷従道

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