雲南省
テンプレート:基礎情報 中華人民共和国の一級行政区画 雲南省(うんなんしょう)は、中華人民共和国西南部に位置する省。略称は滇(てん)。省都は昆明市。省名は雲嶺(四川省との境の山地)の南にあることに由来する。
目次
地理
全体に荒涼とした岩山が目立つ中国のなかで、雲南省は緑の森林に恵まれている。しかも地形が複雑で、南部の低地では亜熱帯性気候もあれば、北部の高山地帯では亜寒帯性気候もあり、気候も多様である。このため、動植物相が豊富で、特に園芸の分野では新種の花卉の産地として知られる。
中華人民共和国の最西南部に位置し、南部でベトナム、ラオスと国境を接し、南部から西部にかけてミャンマーと接する。北西部はチベット自治区、北部は四川省、北東部は貴州省、東部は広西チワン族自治区と接する。
少数民族
雲南省で最も多い少数民族はイ族で、400万を越えている。中国では雲南省にしかいない少数民族が15ほど存在する。
歴史
古代
古代には中国の勢力が浸透して郡県が設置されたこともあったが、晋代には再び後退し、諸民族が分立した。唐代には南詔が出現して統一王国を形成し、宋代には大理国がこれに代わった。大理はモンゴル帝国のクビライに征服され、名目的には元の雲南行中書省が置かれたが、クビライの庶子フゲチを祖とする梁王家の世襲の所領とされた。クビライが設けた三大王国、二小王国のうちの後者の一つである。この梁王国は、大理の旧王家段氏の協力のもと、1390年までこの地を支配し続けた。
明・清
明の洪武帝により梁王国が滅ぼされた際、段氏は梁王家を裏切り、その功績により再びこの地の王として復帰し、大理王国を復活させようと目論んだ。しかしこの地の東アジア有数の銀山に目をつけていた洪武帝は、この地の統治を段氏に委ねることを拒否、この地を併合して直接支配下に組み込み、南詔以来の独立王国の歴史は終焉を迎えた。明代には雲南布政使司が置かれ、清代に雲南省が成立した。明代以後、漢民族が大量に流入して多数を占めるようになり、漢民族の地になった。
清末期には、この地に居住するイスラム教徒の回族が反乱を起こし、漢族と回族の紛争が続いた(回民蜂起参照)。1855年から1873年にかけては雲南省でパンゼーの乱が起こっている。
日中戦争・第二次世界大戦
日中戦争間は、援蒋ルートをめぐって中国国民党軍と日本軍との間で攻防戦(拉孟・騰越の戦い・ビルマの戦い)が繰り広げられた。
現代
- エネルギー資源計画
- 21世紀初頭から、エネルギー資源計画にもとづいたテンプレート:仮リンクと大型船が寄港可能な港湾施設の建設が始まった[1]。テンプレート:仮リンクの港湾でポートスーダンからの石油を陸揚げ可能になり、石油パイプラインで昆明まで輸送が可能になる予定である。
行政区画
8地級市と8自治州が12市轄区、9県級市、79県、29自治県を管轄する。詳細は下部データボックスを参照。 2007年4月8日に思茅市は普洱市に、同市の翠雲区は思茅区に、普洱ハニ族イ族自治県は寧洱ハニ族イ族自治県に改名された。
- 昆明市
- 曲靖市
- 玉渓市
- 保山市
- 昭通市
- 麗江市
- 普洱市
- 臨滄市
- 徳宏タイ族チンポー族自治州
- 怒江リス族自治州
- デチェン・チベット族自治州
- 大理ペー族自治州
- 楚雄イ族自治州
- 紅河ハニ族イ族自治州
- 文山チワン族ミャオ族自治州
- シーサンパンナ・タイ族自治州
天然資源
東部は石灰岩台地で、カルスト地形の深い峡谷を川が流れる景勝地である。西部は山地でサルウィン川とメコン川が流れる。鉱物資源に恵まれ、錫・亜鉛、鉛、カドミウム、インジウム、タリウムの埋蔵は中国最大で、ほかにも鉄、石炭、銅、亜鉛、金、水銀、銀、アンチモンが豊富にある。雲南省の降水量は中国平均の4倍で、水力発電が盛んである。
経済
省の政府工作報告によれば、2004年の全省生産総額(GDP)は対前年比11.5%増の2959.5億人民元であった。西部大開発政策の進展により、雲南ではベトナム、ビルマとの辺境貿易が活発化しており、対外輸出額は前年比33.6%増の22.4億米ドル、輸入額は前年比52%増の15億米ドルであった。財政総収入も前年比20.2%増の666.3億元となっている。
国境貿易
- ミャンマー
- 徳宏タイ族チンプオ族自治州瑞麗市姐告口岸 en:Shweli Riverの姐告大橋を渡るとミャンマーのシャン州テンプレート:仮リンクに入国出来る。ビルマ国道3号線はラーショーを経由してマンダレーに至る。
- 勐海県打洛口岸 アジアハイウェイ3号線でミャンマーのシャン州テンプレート:仮リンクに入国し、テンプレート:仮リンクでテンプレート:仮リンクに接続する。
- 臨滄市耿馬タイ族ワ族自治県 重点国境経済協力区域「耿馬(孟定)国境経済協力区域」の重点プロジェクトによって昆孟道路の清水河にかかる道路と橋 (ミャンマーと雲南省を結ぶ)が建設予定。
特産
交通
教育
雲南第五回人口調査広報2002年1月7日雲南省統計局によると、 2001年4月28日6歳及び6歳以上の人口の中に,高等教育(大学以上)の人口は85.3万人,約2.23%;中等教育(高校、専門学校など)の人口は278.0万人,約7.27%;初等教育(初中)の人口は899.4万人,約23.53%;小学教育人口は1896.3万人,約49.60%。
観光
世界遺産
脚注
- ↑ Graeme Jenkins. Burmese junta profits from Chinese pipeline, Telegraph, 2008年1月14日(2010年6月20日閲覧)