中華民国国歌
テンプレート:Infobox anthem 中華民国国歌(ちゅうかみんこくこっか)は中華民国の国歌。よく三民主義(ウェード式:San Min Chu-i;拼音:Sān Mín Zhǔyì)という名で呼ばれる。
中華民国国父の孫文の三民主義思想から基づいて、胡漢民 (Hu Han-min; Hú Hànmín)、戴季陶 (Tai Chi-tao; Dài Jìtáo)、廖仲愷 (Liao Chung-k'ai; Liào Zhōngkǎi)、邵元沖 (Shao Yüan-ch'ung; Shào Yuánchōng)作詞、程懋筠 (Ch'eng Mao-yün; Chéng Màoyún) 作曲。
かつては、国歌演奏時不起立の者に罰金刑を科したり、韓国と同様、映画上映前に必ず国歌を流さなければいけなかったが、民主化に伴いすべて廃止された。
2004年6月30日までは、中華民国の国際放送である台湾国際放送で、放送開始時にオーケストラによる国歌演奏が放送されていた(国歌演奏の放送が取りやめになったのは、同日本語番組によると、他国の国際放送で国歌演奏が放送されていないことや、放送内容の充実化が理由であるとのこと)。なお、今でも地上波の台湾電視では、放送開始時にオーケストラ演奏による国歌が流れる(ただし、日本と同様24時間放送がほとんどの為、放送が休止する月曜早朝のみ)。国歌演奏前には「奏国歌時、請保持粛静」のテロップが表示される。映像は行政院新聞局で作られたものである。
ただし、オリンピックやワールドカップなどの世界大会で中華民国の選手が出場するときには、国歌ではなく国旗歌が用いられている。
歌詞
中国語(正体字) | 中国語(簡体字) | 日本新字体表記 |
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三民主義,吾黨所宗; |
三民主义,吾党所宗; |
三民主義、吾党所宗; |
発音
注音符号 | ウェード式 | 拼音 |
---|---|---|
ㄙㄢ ㄇㄧㄣˊ ㄓㄨˇ ㄧˋ, ㄨˊ ㄉㄤˇ ㄙㄨㄛˇ ㄗㄨㄥ; |
San-min-chu-i, Wu-tang so-tsung; |
Sānmínzhǔyì, Wúdǎng suǒzōng; |
大意
三民主義は、我が党(全ての国民)の指針。
これで民国を建設し、これで大同(=世界平和)に進む。
ああ、あなた方多くの人々は、民の為の模範となって、
朝から夜まで怠けることなく、(三民)主義に従おう。
勤勉であれ、勇敢であれ。必ず信じ必ず忠実であれ。
心と美徳を一つにして、最後まで(三民主義を)貫徹しよう。
- 「民国」とは和製漢語の「共和国」に相当する中国語。この場合は当然「中華民国」を指す。
- 「吾党」はかつては中国国民党を指したが、一党支配の崩壊した現在においては「全ての国民」の意と解釈されている。
- 「咨」は現代中国語では使用されなくなった感嘆詞である。
- 原文は韻文であり、全ての行の終わりが「ng」で終わるように作詞されている。
余談
中華民国(台湾)では、国歌は基本的に幼稚園児の頃から歌うようになっている。そのため、中華民国国民(台湾出身者)は全員歌う事が出来るので、歌えない者は国外からの不法滞在者だとわかる。実際、過去に台湾訛りの北京語を完璧に操るも国歌が歌えず、中華人民共和国からの密入国者であることが発覚して逮捕された者もいた。しかし、日本の統治時代で教育を受けた世代の国民は元々北京語が苦手なこともあり歌えない事が多い。
2000年5月20日に行われた陳水扁の新総統就任式で、中華民国(台湾)の人気歌手、張惠妹(アメイ)が中華民国国歌を歌った事が中国共産党の怒りを買い、張惠妹は中華人民共和国における芸能活動を事実上禁止された。
関連項目
卿雲歌 - 三民主義歌以前(1913-1928)の中華民国の国歌