三洋テクノソリューションズ鳥取
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三洋テクノソリューションズ鳥取株式会社(さんようテクノソリューションズとっとり、SANYO Techno Solutions Tottori Co., Ltd.)は、日本の電気機器メーカー。パナソニックグループ会社の1つである。本社は鳥取県鳥取市に所在し、各分野での有名製品、ヒット商品を作り続けている。
2012年(平成24年)4月1日付で三洋電機に簡易吸収合併されCEビジネスユニットとなったが[1]、2013年(平成25年)1月1日に同ビジネスユニットが再分割され完全子会社のテガ三洋工業に承継。承継を受けたテガ三洋工業は「三洋テクノソリューションズ鳥取」に商号変更した。
概要
1966年(昭和41年)に現パナソニックグループの1つとして鳥取三洋電機株式会社(とっとりさんようでんき、Tottori SANYO Electric Co., Ltd.)を設立。通称「鳥三(とりさん)」だった。2008年(平成20年)4月1日に三洋電機グループの組織再編を行い、鳥取三洋電機のフォトニクス事業を三洋電機に移管、三洋電機の白物家電事業[2]・車載機器事業および営業・販売部門を鳥取三洋電機に移管し、現社名に変更した。情報通信関連機器、電化機器の製造・販売を中核事業とする。
なお、岩美町にあった「三洋エナジー鳥取」(2010年(平成22年)1月にFDKに売却され、FDK鳥取となる)は電池事業(三洋電機モバイルエナジーカンパニー)の関連会社で、三洋電機コンシューマエレクトロニクスとは直接関係がない。
主要開発商品
- カーナビゲーション
- GORILLA - ポータブルタイプ
- 「デカゴリラ」、「ミニゴリラ」
- ポータブルナビゲーションでは業界トップシェアを誇っている。
- MMNAVI・AV GORILLA - 2DIN・AV一体型タイプ
- 自動車メーカー純正型カーナビゲーション
- GORILLA - ポータブルタイプ
- カーオーディオ
- Excedio
- 現在ではいわゆる社外品カーオーディオは発売されていないが、以前はFM飛ばしの後付けオーディオにも力を入れており、CDチェンジャーのみならず1DINのCDやMDでFM飛ばし専用という特異なプレーヤーを生産したこともあった。
- 自動車メーカー、および農業機械メーカー向け[3]純正型カーオーディオ
- 自動車メーカーではカーラジオを含めスズキ(OEM供給先の日産自動車、マツダを含む)、農業機械メーカーではヤンマーが多かった。スズキ純正オーディオに三洋製が多いイメージがあるがかつてはトヨタ(昭和50年代の車種で後付けカセットプレーヤー)、スバル(R-2など)の一部の車種に搭載されたこともあった。特にマツダ製四輪車に供給するために、1990年(平成2年)にフォードとマツダと「FMSオーディオ」という国際合弁会社も設立している。社外品カーオーディオの生産中止以降は純正オーディオ本体に関してはスズキへの供給は三菱電機やクラリオンへ、ヤンマーへの供給はクラリオンへとそれぞれ交代している。スズキ車のスピーカーレス車にディーラーオプションで搭載するコーン紙製フルレンジスピーカーやキャリイのドア内張りに穴を開けてそのまま取り付けるタイプのスピーカーは以前は三洋であったが現在ではパナソニックを冠している。一時期、Excedioブランドを名乗らず、カーナビのGORILLAを冠したこともあった。
- Excedio
- 携帯電話
- 大阪・三洋電機の携帯事業が京セラに買収された事に伴い、鳥取三洋電機の携帯電話の生産はW62SAを最後に2008年(平成20年)6月で終了した。
- 鳥取三洋電機製端末の保守サポートは京セラに移管されないまま三洋電機コンシューマエレクトロニクスが継続。開発人員はカーナビ事業などに再配置される。
- au(KDDI/沖縄セルラー電話)「cdmaOne、CDMA 1x、CDMA 1x WIN、グローバルパスポート」対応機 メーカー記号「ST→SA」
- au design project「INFOBAR」「talby」「INFOBAR2」、ジュニアケータイ
- A5307ST(INFOBAR)までは、大阪の三洋電機で製造されているものと区別するため、型番の末尾の記号を「ST」としていた。後に「SA」へ統一されたが、型番とは別の製造記号は「ST」から変わることはなかった。
- 2006年(平成18年)までは大阪ではCDMA 1X WIN端末、鳥取ではCDMA 1X端末という棲み分けがなされていたが、2006年秋冬モデルとして鳥取三洋製のWIN端末「W42SA」が開発された。
- また、大阪の三洋が開発したソフトウェアは日本語入力システムにAdvanced Wnn V2が採用されているのに対して、鳥取三洋は+ATOKである。例外として、A5522SAは大阪の三洋製だがソフトウェアは鳥取三洋ベースのため、ATOKが採用されている。またW53SA以降は逆に、鳥取三洋電機製でソフトウェアが大阪の三洋ベースのため、Advanced Wnn αが採用されている。
- PHS電話機
- 固定電話機
- 圧力IHジャー炊飯器「おどり炊き」
- 掃除機 - airsis(空間清浄サイクロン)、JetTurn(排気循環方式)、マラソンサイクロン
- デジタルフォトフレーム
- ハロゲンヒーターストーブ「光速ハロゲン」
- アルカリイオン整水器「アルカリ生活」 - 本体は鳥取三洋電機時代に販売終了。(カートリッジのみ販売継続)
- BMB通信カラオケ「neon」「BEATneon」
- 歯科用茹で上げ重合器
経営統合など
- 2004年(平成16年)9月1日に鳥取地区の三洋電機グループである鳥取三洋電機、三洋マルチメディア鳥取、三洋ホームアプライアンス鳥取の3社が、鳥取三洋電機を存続会社として吸収合併した。
- 2004年(平成16年)10月1日に三洋電機とセイコーエプソンの出資により三洋エプソンイメージングデバイス株式会社が設立され、鳥取三洋電機の液晶部門が三洋エプソンイメージングデバイスの鳥取事業所となった。その後2006年(平成18年)12月28日にセイコーエプソンによる100%子会社化に伴い、エプソンイメージングデバイス株式会社となり、三洋電機・鳥取三洋電機の資本は完全に抜ける事となった。
- 2008年(平成20年)1月25日に、2008年(平成20年)4月1日付けで三洋電機グループの組織再編を行い、鳥取三洋電機のフォトニクス事業を三洋電機に移管、三洋電機の白物家電事業・車載機器事業および営業・販売部門を鳥取三洋電機に移管し、社名を三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社に変更することが発表された[4]。
- 2011年(平成23年)1月29日に、2011年(平成23年)3月10日を効力発生日として、三洋電機が簡易株式交換により完全子会社化することが発表された[5]。
- 2012年(平成24年)2月1日に、2012年(平成24年)4月1日付で三洋電機に簡易吸収合併されることが発表された[1]。
- 2012年(平成24年)4月1日、三洋電機に簡易吸収合併、同社のCEビジネスユニットとなる。
- 2013年(平成25年)1月1日、CEビジネスユニットを再分割し、完全子会社の三洋テクノソリューションズ鳥取(旧・テガ三洋工業)に承継。
関連会社
- 大山電機株式会社(鳥取県大山町)
- 千代三洋工業株式会社(鳥取県鳥取市)[6]
- 三洋オートメディア株式会社(マレーシア)
- 広州迪生三洋電機有限公司(中国)
- 鳥取三洋電機(深圳)有限公司(中国)
- 鳥取三洋電機(香港)有限公司(香港)
- 鳥取三洋電機(フィリピン)株式会社(フィリピン)
- 鳥三ビジネスサービス株式会社(鳥取県鳥取市)
脚注
外部リンク
テンプレート:パナソニック テンプレート:Keitai-stub
テンプレート:Asbox- ↑ 1.0 1.1 三洋電機コンシューマエレクトロニクスの簡易吸収合併について - 三洋電機ニュースリリース
- ↑ 民生用洗濯機器事業については同日に三洋電機テクノクリエイトの業務用洗濯機器事業と統合して発足した三洋アクアに移管された。三洋電機コンシューマエレクトロニクスは三洋アクアに3%出資している。
- ↑ ただし、キャビン付のトラクターとキャビン付のコンバインに限る
- ↑ 2008年4月1日付 組織再編および人事について - 三洋電機ニュースリリース
鳥取三洋電機の組織再編について - 鳥取三洋電機ニュースリリース(リンク切れ) - ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 鳥取県・鳥取市・三洋テクノソリューションズ鳥取が共同出資する第三セクター方式の重度障害者雇用事業所(特例子会社)である。