万字線
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|} 万字線(まんじせん)は、日本国有鉄道(国鉄)が運営していた鉄道路線(地方交通線)である。
北海道岩見沢市の志文駅で室蘭本線から分岐し、空知郡栗沢町(現在の岩見沢市栗沢町)の万字炭山駅までを結んでいたが、1980年(昭和55年)の国鉄再建法施行を受けて第1次特定地方交通線に指定され、1985年(昭和60年)3月31日限りで廃線となった[1]。
路線データ
- 区間(営業キロ):志文 - 万字炭山 23.8km
- 駅数:6駅(起終点駅含む)
- 複線区間:なし(全線単線)
- 電化方式:全線非電化
- 閉塞方式:スタフ閉塞式
- 交換可能駅:なし(全線1閉塞)
- 有人駅:美流渡(上志文、朝日、万字、万字炭山は昭和50年代前半に無人化され、廃止まで簡易委託駅であった)
歴史
万字線は、線名の由来である万字炭鉱から産出される石炭の積み出しのため軽便鉄道法に則って建設され、万字軽便線(まんじけいべんせん)として1914年(大正3年)に全線が開業した。万字線の開通は沿線の開発を促進し、美流渡炭鉱や朝日炭鉱など多くの炭鉱が生まれ、石炭輸送で大いに活況を呈することとなった。しかし第二次世界大戦以降のエネルギー革命の中、炭鉱の閉山により次第に寂れ1978年(昭和53年)には貨物営業を廃止。1980年に国鉄再建法が成立すると第1次特定地方交通線に指定され、1985年に廃止された。
全ての旅客列車は、旅客営業開始当初の大正時代[2]と、それ以後は臨時列車を除いて、志文駅の隣にある室蘭本線の岩見沢駅を起点として運転されていた。臨時列車については、上志文駅近くの「萩の山市民スキー場」のアクセスのために、「上志文スキー号」が札幌 - 上志文間で運行されたことがある。
- 1914年(大正3年)11月11日 志文 - 万字炭山間 (23.8km) を万字軽便線として開業(万字 - 万字炭山間 (1.5km) は貨物営業のみ)。上志文駅・美流渡駅・万字駅・(貨)万字炭山駅を新設。
- 1919年(大正8年)11月11日 朝日駅を新設。
- 1922年(大正11年)9月2日 万字線と改称。
- 1924年(大正13年)9月1日 万字 - 万字炭山間の旅客営業を開始。
- 1978年(昭和53年)5月1日 貨物営業廃止。
- 1981年(昭和56年)9月18日 第1次特定地方交通線として廃止承認。
- 1985年(昭和60年)4月1日 全線廃止[3][1]。北海道中央バスに転換。
路線廃止後、代替として並行するバス路線の増発などが行われた。詳細は北海道中央バス岩見沢営業所を参照。
- バスは北海道中央バス岩見沢ターミナル(岩見沢駅) - 道道夕張岩見沢線 - 毛陽交流センター間で運行され、志文駅付近には入っていない。
- 2008年4月1日のダイヤ改正にて北海道中央バスが毛陽交流センター - 万字簡易郵便局間から撤退し、現在は同区間にて岩見沢市が無料バスを運行している。
駅一覧および接続路線
全駅北海道に所在。接続路線の事業者名・所在地は万字線廃止時(北星炭礦専用線は同鉄道廃止時)。廃止時全列車が直通していた岩見沢駅から記す。
路線名 | 駅名 | 駅間営業キロ | 志文 からの 営業 キロ |
接続路線 | 所在地 |
---|---|---|---|---|---|
※ | 岩見沢駅 | - | 7.1 | 日本国有鉄道:函館本線、幌内線 | 岩見沢市 |
志文駅 | 7.1 | 0.0 | 日本国有鉄道:室蘭本線 | ||
万字線 | |||||
上志文駅 | 6.6 | 6.6 | |||
朝日駅 | 5.6 | 12.2 | |||
美流渡駅 | 3.7 | 15.9 | 北星炭礦美流渡礦専用鉄道 (1967年10月16日廃止) |
空知郡栗沢町 (現・岩見沢市) | |
万字駅 | 6.4 | 22.3 | |||
万字炭山駅 | 1.5 | 23.8 |
- ※:岩見沢‐志文間は室蘭本線
脚注
- ↑ 1.0 1.1 “万字線フィーバー 1 お別れ式”. 北海道新聞 (北海道新聞社). (1985年4月1日)
- ↑ 例えば大正14年4月の時刻表では3往復全てが志文駅を起点としている。
- ↑ 今尾恵介『日本鉄道旅行地図帳』1号 北海道、新潮社、2008年、p.30