レノボ
テンプレート:Redirect テンプレート:特殊文字 テンプレート:Infobox テンプレート:中華圏の事物 レノボ(英名:Lenovo、日本漢字:聯想集団または連想集団(れんそうしゅうだん)、簡体字:联想集团、ピン音:Liánxiǎng Jítuán)は、中国のパーソナルコンピュータ (PC) メーカー。中国ではスマートフォンメーカーとしても認知されている[1]。日本では「レノボ」「聯想集団」「聯想グループ」(「聯想」はまれに代替表記の「連想」と表記される)などと表記される。
日本法人はレノボ・ジャパン株式会社である。
目次
概要
1984年、国の機関である中国科学院の計算機研究所の11名の研究員が20万人民元をもって設立した。当時の名称は中国科学院計算所新技術発展公司で、外国ブランドの販売から出発した。1988年香港連想集団公司を設立し、翌年香港で独自ブランドを発売した。1989年には北京聨想計算機集団公司が成立している。1990年中国内でも独自ブランドの販売に踏み切った。1994年香港聯想公司は香港株式市場に上場し、1997年には聯想ブランドが中国内のパソコン売上トップを記録、2000年のビジネスウィーク誌は聯想集団を世界IT企業100社中、8位にランクした。
聯想集団は長らく「Legend」というブランドを使用していたが、2003年、国外事業の強化に伴い、商標紛争が生じるおそれのあるこの名称を廃し「Lenovo」を採用した。2004年4月1日には英語社名も「Legend」から「Lenovo」に改めた。「Lenovo」は混成語で「le」は「Legend」から、「novo」は「新しい」を表すラテン語の「nova」から採られた。
2004年の聯想集団によるIBM社のPC部門の買収により、株式の42.3%をレジェンドホールディングスという持株会社が保有しており、同持株会社の筆頭株主(65%)は中国政府機関の中国科学院である。中国政府は間接的に聯想集団の27.56%を保有しており、筆頭株主である[2]。IBMは第2位の株主(議決権を有しない優先株)である。また買収により、同社のPCの世界市場シェアは、単純計算でデル、ヒューレット・パッカードに次ぐ3位となった。聯想集団とIBMのPC部門の合併の後、本社は北京から米国ニューヨーク州パーチェスに移転した。2006年3月には、IBMのPC部門の本部があったノースカロライナ州モーリスビル(ローリー近郊)に本社を移転した。
IBM社PC部門買収
2004年12月、レノボはIBMからPC部門を12億5千万ドルで買収することを発表した。IBMはこの取引により、コンシューマー化し利益の出にくいPC事業を切り離し、企業向けのサーバー、ソフトウェア、サービス事業に注力した経営に転換していくと予測された。レノボはこの取引を「強強連合」と銘打った。また「IBM」及び製品ブランドである「ThinkPad」などの商標を5年間維持するとした。このことから同社の目的が世界市場に打って出るためのブランド力の獲得にあったとも分析された。
この「IBM」ロゴは2006年10月頃より徐々に外された。従来はThinkPadの天板とパームレストにあったIBMのロゴは、一般向け販売モデルでは存続したが、大規模導入をする特定企業向けカスタマイズモデルに関しては、IBMロゴではなく、ThinkPadロゴが入るようになった。2008年以降の製品(ThinkPad X300以降)より、一般向けも「IBM」ロゴは外れて「Lenovo ThinkPad」となった。
なお、レノボに移管されてから発表されたThinkPad Zシリーズより、ワイド液晶、Windowsキーの搭載など、従来のThinkPadには無かったものが取り入れられた。2009年現在では、ワイド液晶と、Windowsキーは多くのThinkPadに採用されている。
各国政府の使用禁止通達と工作疑惑
2006年、中国政府の影響力(資本上の支配権)のおよぶ企業であることから、米中経済安全保障検討委員会(U.S.-China Economic and Security Review Commission)は、安全保障上の理由からレノボのPCを米国政府機関が使用することに懸念を表明した[3][4][5][6][7]。
携帯電話事業参入
2014年1月30日、Googleから、同社の携帯電話端末部門であるモトローラ・モビリティを29億1000万USドルで買収することを発表、アメリカ合衆国内の携帯電話事業にも参入することとなり、Googleが今後もモトローラのモバイル特許の大半を所有するものの、買収によりレノボも2000件以上の特許資産を取得することとなった[8]。
主な製品
PC/ワークステーションなど
レノボは企業向けの「Think」ブランドでは、IBMより引き継いだThinkPad、ThinkCentre、ThinkVisionに加え、独自のPCサーバーであるThinkServerとワークステーションであるThinkStationを追加した。このためローエンドのPCサーバー市場ではIBMのSystem xとも競合するようになった。
また「Think」ブランド以外ではLenovo 3000などの低価格なノートPCも販売していたが、2008年1月にはコンシューマ向けの「Idea」ブランドを発表し、ノートPCのIdeaPadとデスクトップPCのIdeaCentreを販売している。いずれの機種も「Think」と同じく分解・拡張性が高い。
- ビジネス向け
- ThinkPad - ノートブック
- ThinkCentre - デスクトップ
- ThinkVision - モニタ
- ThinkServer - サーバー
- ThinkStation - ワークステーション
- コンシューマー(消費者)向け
スマートフォン
Android搭載スマートフォンを開発・販売しており、中国国内ではサムスン電子に次ぐ2位の販売シェアを持つ[1]。 テンプレート:Main
- OPhone - 中国移動通信(チャイナ・モバイル)向けスマートフォン。
- LePhone(乐phone/楽Phone) - Androidをベースにした独自OS「LeOS(乐OS/楽OS)」を搭載したモデル。初期モデルのW100は2010年5月に発売された[9]。
- IdeaPhone - LePhoneのグローバルモデル[10]。世界初めてインテルアーキテクチャを採用したK800を2012年5月に発売した[11]。
タブレット
タブレット端末としては以下のシリーズがある。
- IDEATAB - コンシューマ向け。Android搭載の「YOGA TABLET」「IDEATAB A」シリーズ、Windows搭載の「Miix」シリーズがある。
- ThinkPadタブレット - ビジネス向け。全モデルWindows搭載。
会社情報
組織
レノボ・ジャパン
レノボ・ジャパン株式会社は、聯想集団の日本法人である。聯想集団がIBMのPC事業買収に伴い日本法人として発足。日本においては「聯想集団」「聯想グループ」「レノボ」「Lenovo」などと表記される。日本IBMが協賛していた碁聖戦も引き継いでいる。
日本電気とのパソコン事業統合
2011年7月1日にレノボが51%、日本電気(NEC)が49%を出資する合弁会社「Lenovo NEC Holding B.V.」が発足し、その100%子会社としてレノボ・ジャパンと、日本電気のパソコン事業を担うNECパーソナルコンピュータの両社が入る事業統合を実施した[12]。レノボとNECのブランドは継続使用。
この事業統合は2011年1月の発表当初は対等と報じられていたが、統合から5年後にレノボ側が合弁会社の全株式取得権を日本電気の同意があれば行使できることが明らかにされた[13]。
2012年11月5日「ThinkPad」20周年を記念して、中国で生産されているThinkPadの一部を、山形県米沢市にあるNECパーソナルコンピュータ米沢事業所で受注生産することを発表した[14]。以降日本での販売分は国内生産に切り替えた。[15]
2012年、レノボ・ジャパンの代表取締役社長に女性の渡辺朱美(九州大学理学部数学科出身)[16]が就任した[17]。その1年後の2013年、レノボ・ジャパンおよびNECパーソナルコンピュータの社長は、レノボNECホールディングス会長のロードリック・ラピンが兼務することとなった[18][19]。
事業所
- 名古屋事業所 - 愛知県名古屋市中区丸の内2丁目14番4号(エグゼ丸の内 3F)
- 大阪事業所 - 大阪府大阪市西区靱本町一丁目8番2号(コットンニッセイビル 4F)
- 福岡事業所 - 福岡県福岡市博多区博多駅前三丁目6番12号(オヌキ博多駅前ビル)
研究・開発事業所
- 大和研究所 - 神奈川県横浜市西区みなとみらい三丁目6番1号(みなとみらいセンタービル21階)
- IBM時代より引き続き、ThinkPadやThinkCentreなどの研究・開発を行っている。
- 2010年12月に日本IBM大和事業所より現在地へ移転した[20]。大和の名前はかつての拠点にちなんだものである。
脚注
外部リンク
- 聨想公式ウェブサイト(中国語・英語)
- レノボ・ジャパン公式ウェブサイト(日本語)
- 解説ー聯想集団 - 人民網日本語版 経済用語集(人民日報)
- ↑ 1.0 1.1 中国メーカーの海外進出が見えてきた2013年 - ITmedia 2013年12月19日
- ↑ Lenovo Group Fact Sheet
- ↑ 米国務省購入PCの「スパイ疑惑」にレノボが反論 CNET Networks Japan
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ テンプレート:Cite news
- ↑ 「楽OS」搭載の「楽phone」を買ってしまった! - ITmedia 2011年9月8日
- ↑ インド[1]、ロシア[2]などにモデルを投入している。
- ↑ 【CES 2012レポート】【Intel基調講演】Lenovoが世界初のIA+Androidスマートフォンを発売~MotorolaもIAベースのスマートフォンを長期に渡り開発/出荷 - PCWatch 2012年1月11日(インプレス)
- ↑ レノボNEC始動、「圧倒的シェア」実現へのシナリオ 日本経済新聞 2011年7月5日
- ↑ レノボに合弁会社の全株取得権 NECの同意が前提asahi.com2011年1月29日
- ↑ レノボ、NEC米沢工場でパソコン生産へ
- ↑ 『朝日新聞』(2012年11月5日朝刊)
- ↑ 『九大広報』85(2013年1月号):3-6
- ↑ Lenovoニュース「レノボ・ジャパン新社長就任のお知らせ」
- ↑ 社長交代に関するお知らせ - NECパーソナルコンピュータプレスリリース(2013年6月18日)
- ↑ なぜ、NEC PCとレノボ・ジャパンの社長が交代したのか - 大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」(2013年7月2日、PC Watch内)
- ↑ レノボ・ジャパン、みなとみらい21地区に 研究開発拠点「大和事業所」を移転