ラハティ L-39 対戦車銃
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テンプレート:Infobox ラハティ L-39 対戦車銃(ラハティ L-39 たいせんしゃじゅう、Lahti L-39)は、フィンランド軍が使用した対戦車銃である。
概要
300mで60°傾斜20mm装甲鈑を、500mで60°傾斜16mm装甲鈑を撃ち抜く能力を持つ。
65口径長と言う長大な銃身を持つことから“ノルスピィッシィ”(象撃ち銃)とのニックネームが付けられている。銃の下部には雪中でも移動が容易に出来るようにソリが付けられている。
1944年にはソ連軍のIl-2対地攻撃機(シュトゥルモヴィーク)対策として、Lahti L-39を2挺を専用銃架に据えつけ、フルオート化し、大型の対空照準器を付けた、Ilmatorjuntakivääri L-39/44(対空機銃 L-39/44)が300基ほど生産された。
1960年代までフィンランド軍で装備されていたが、生産数の半数以上である1,000挺以上がアメリカのコレクターに売却された。しかし残りはベトナム戦争の戦訓から対ヘリコプター戦に有効であるとして1988年まで現役に留まっていた。
実戦での運用
冬戦争では試作型の2挺が戦闘に投入され、ソ連軍戦闘車両に威力を発揮した。続く継続戦争では約1800挺あまりが生産され、ソ連軍のT-34中戦車やKV-1重戦車に代表される新型戦車相手には力不足でありながらもキャタピラや燃料ブロックを狙った攻撃でそれなりに戦果をあげている。
継続戦争当時は対戦車用途の他に現在の対物ライフル同様、トーチカや機関銃座の狙撃に使用された。