ラヂオプレス
一般財団法人ラヂオプレス(ラジオプレス、英:Radiopress, Inc.[1]、略称:RP)は、日本国外(主に旧共産圏)のラジオやテレビ放送を聴取・視聴し、その情報を元に翻訳・作成した記事を報道機関や官庁に配信する日本の通信社である。元外務省所管。
概要
電話帳[2]や過去の著作物ではラヂオプレス通信社とも称している。現所在地は東京都新宿区若松町33-8アール・ビル新宿。職員数は60名程度。
外務省ラヂオ室からラヂオプレスへ
前身は当時日本外務省情報部調査第三課の事務官でアマチュア無線家でもあった樺山資英(のち、第2次山本内閣で内閣書記官長)が同部に1941年(昭和16年)12月1日(太平洋戦争の直前)に創設させた外務省「ラヂオ室」である。 1946年(昭和21年)1月21日に認可を得て独立し外務省所管の財団法人になった。この事情から外務省の外郭団体として機能することになり、冷戦時代は一貫して西側反共陣営に付いた日本政府の共産圏諸国に対する諜報機能を引き受けてきた。独立後は当時河田町にあったフジテレビジョン社内に移転。
北朝鮮情報のプロとして
河田町時代に資金的に困窮し、理事長・中田格朗の引退が迫られて、以後、理事長は退職外務省高官の天下り先ポストとなった。
1994年(平成6年)7月9日、朝鮮民主主義人民共和国国家主席であった金日成の死亡情報を朝鮮中央放送のモニタリングで入手し、各報道機関に配信したことで注目を集めた。テンプレート:See also 2011年(平成23年)12月19日には、金正日の死去を知らせる特別放送の実施予告もいち早く察知し、それまで状況を全く把握できていなかった外務本省や首相官邸を出し抜いた。テンプレート:Main また、『朝鮮民主主義人民共和国組織別人名簿』や『ロシアの現況』など独自に編集した名簿や書籍を定期的に出版している。
機材
受信に使用される機材は高性能な通信用受信機である。日本無線製NRD-535が多く、13台導入されている[3]。また放送録音には近年普及著しいデジタル機器ではなく、聴き直しがすぐに可能でテープ起こしにも使えるコンパクトカセットとテープレコーダー(デッキ)を用いている。テレタイプ傍受もしているが、現在は大型のテレプリンターではなく小型のプリンターを用いている。
脚注
関連項目
参考文献
- 池田徳真『プロパガンダ戦史』中央公論社〈中公新書〉、1981年。
- 江畑謙介『情報と国家-収集・分析・評価の落とし穴』講談社〈講談社現代新書〉、2004年。ISBN 4061497391
- 『ラジオマニア2009』三才ブックス、2009年。ISBN 4861990467
外部リンク
活動内容を紹介する公式ウェブサイトは不存在
- 一般財団法人ラヂオプレス(全国公益法人協会情報公開索引)
- ラジオプレスの50年(岡崎研究所)
- モニタリング・サービスとはなにか(同上)
- ラヂオプレス(長崎新聞)
- テンプレート:PDFlink 粂井輝子、海外移住資料館 研究紀要第4号
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ テンプレート:Cite book
- ↑ 従来はアメリカ軍払い下げの真空管式を使用していたが、後に日本無線製に置き換えられた。