山本耀司
山本 耀司(やまもと ようじ、1943年 - )は、東京都生まれのファッションデザイナー。ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)の名でプレタポルテ(高級既製服)ブランドを展開している。
長女・山本里美(りみ)も、自身のブランド「LIMI feu」(リミフゥ)のデザイナー。
人物・来歴
1943年東京都に生まれ。1972年既製服部門として株式会社ワイズ(Y's)を設立。1977年ワイズにて東京コレクションにデビュー。1990年には三菱銀行、1991年には東海旅客鉄道(JR東海)の新制服をそれぞれデザイン[1]。1993年のバイロイト音楽祭でワーグナーのオペラ「トリスタンとイゾルデ」の衣装を担当した。
また、『BROTHER』・『Dolls』等、北野武の映画作品の衣装を数多く手がけ、北野は現在も山本の服を愛用している。テンプレート:要出典 2004年、紫綬褒章を受章。翌2005年には経済産業省より「日本ブランド創造貢献企業表彰」受賞。2006年には英国王立芸術協会名誉ロイヤル・デザイナー・フォーインダストリー受章している。2009年、パリ カンボン店オープン。
1994年、フランスより芸術文化勲章シュバリエを叙勲している。その後、2005年にはオフィシエを受賞。
2009年10月8日、旧(株)ヨウジヤマモトは民事再生法の適用を申請、負債は60億円。[2]。投資会社インテグラル(株)の支援により、直営店および百貨店インショップ、国内外の卸事業は継続。パリコレクションも続ける。また山本耀司は、引き続きチーフデザイナーとして、デザイン活動を行う。
2009年12月、インテグラル(株)が設立した新会社が(株)ヨウジヤマモトとして旧ヨウジヤマモト社から事業譲渡を受け再起を果たした。
2011年6月、春季外国人叙勲にてフランスより芸術文化勲章コマンドゥールを叙勲されることが報道された。コマンドゥールは民間人が対象となっている勲章の中で最高位である。2011年10月、パリの文化・コミュニケーション省にてフレデリック・ミッテラン大臣より直接受章。
経歴
オーダーメイドの洋装店を営む母親に育てられる。1966年慶應義塾大学法学部を卒業後、文化服装学院へ入学、1969年卒業。同年に装苑賞遠藤賞ダブル受賞。以降、プレタポルテを志向するようになる。
- 1972年 株式会社ワイズを設立
- 1977年 東京コレクションにデビュー
- 1981年 パリ・プレタポルテコレクションにデビュー。同時にYohji Yamamotoを開始
- 1984年 株式会社ヨウジヤマモト設立
- 1989年 ヴィム・ヴェンダース監督映画「都市とモードのビデオノート」に出演
- 1994年 フランス芸術文化勲章「シュバリエ」受章
- 1999年 坂本龍一によるオペラ「LIFE」の衣装を担当
- 2001年 北野武監督映画「BROTHER」の衣装を担当。以後の北野作品には全て関わっている
- 2002年 パリ・オートクチュールコレクションの期間にプレタポルテを発表
- 2002年 Y-3ラインをコレクションデビュー
- 2004年 紫綬褒章受章
- 2005年 経済産業省より「日本ブランド創造貢献企業表彰」受賞
- 2005年 フランス芸術文化勲章「オフィシエ」受章
- 2006年 英国王立芸術協会名誉ロイヤル・デザイナー・フォーインダストリー受章
- 2008年 北京の故宮・太廟にてY'sのショウ開催
- 2008年 中国友好和平基金のもと山本耀司和平基金を設立。ロンドン芸術大学、名誉博士号授与
- 2008年 ヨウジヤマモトのパリ カンボン旗艦店オープン
- 2009年 2009年4月30日付け代表取締役辞任
- 2009年 10月8日、(株)ヨウジヤマモト民事再生法の適用を申請。負債60億円[2]。
- 2009年 12月、新(株)ヨウジヤマモトが旧会社から事業譲渡を受け再創業
- 2010年 4月1日、東京で19年ぶりにメンズコレクションを発表
- 2011年 英国ヴィクトリア&アルバート博物館にて「ヨウジヤマモト展」開催
- 2011年 フランス芸術文化勲章「コマンドゥール」受章
主なブランドライン名
- Yohji Yamamoto(ヨウジヤマモト)
- レディースのコレクションライン。通称FEMME。
- Yohji Yamamoto +Noir(ヨウジヤマモト プリュス ノアール)
- レディースライン。“黒”をテーマに、アクセントといくつかの色・柄によって構成。
- Yohji Yamamoto POUR HOMME(ヨウジヤマモト プールオム)
- メンズのコレクションライン。通称HOMME。
- Yohji Yamamoto COSTUME D'HOMME(ヨウジヤマモト コスチュームドオム)
- メンズのスーツライン。
- Y's(ワイズ)
- レディースライン。自立した女性がテーマ。1972年スタート[3]。2012-13年秋冬コレクションからは、山本と共に仕事をしてきたプランナーやパタンナーらが継承する予定[4]。
- s'yte (サイト)
- インターネット限定のカジュアルウェアブランド。2011年9月スタート。
休止・終了したブランドライン
- Y's for men(ワイズフォーメン)
- Y'sのメンズライン。もともとはY'sを着ている女性の隣にいる男性が似合う服というコンセプト。2009-10年秋冬コレクションをもって休止[5]。
- Y's for men SHIRTS(ワイズフォーメン シャツ)
- メンズライン。
- Y(ワイ)
- イタリア生産のスーツライン。2005年7月にイタリアで発表された。3タイプのスーツ(Ooty 1130、Syne 698、Fytt 432[6])、タキシード(Yoetn 1829)、Yシャツ、ネクタイを展開していた。
コラボレーション
- Y-3(ワイスリー)
- ドイツのアディダス社とのコラボレーションブランド[7]。
- Yohji JEANS
- エドウィンとコラボレーションしたジーンズのブランド[7]。2012年6月よりヨーロッパとアメリカ地域で販売開始予定[8]。
- Y's for living(ワイズフォーリビング)
- 生活雑貨のブランド。
- Y'saccs(イザック)
- 1986年、Y'sの雑貨ブランドとして誕生。2001年にコラボレートを解消[9]。
- Yohji Yamamoto D'URBAN A.A.R (アール)
- ダーバン社(現、レナウン)とヨウジヤマモトのコラボレーションによる、大学生をターゲットにしたビジネスラインブランド。A.A.R とは Against All Risks の略。1992年スタート[10]。2005-06年秋冬コレクションを最後にコラボレートを解消、2008年春夏コレクションをもって終了[11]。
- COMING SOON(カミングスーン)
- イタリアのシンヴ(Sinv.)社との提携によるカジュアルブランド[12]。
- Y's MANDARINA(ワイズ マンダリーナ)
- マンダリナ・ダックとコラボレーションしたバッグのブランド。2006年スタート[13][14]。
- Prototype(プロトタイプ)
- イギリスのリンダファローとコラボレーションしたサングラスのブランド[13]。
この他、サルヴァトーレ・フェラガモとのコラボレーションによるシューズ[15]や、石ノ森章太郎(仮面ライダー、イナズマン、009 RE:CYBORG[16])とのコラボレーションがある。
映画
- 都市とモードのビデオノート "Notebook on Cities & Clothes" (1989年、監督 ヴィム・ヴェンダース) ‐出演
著書
- 「Talking to Myself」(2002年 Steidl社)
- 「My Dear Bomb」(2011年 Ludion社、岩波書店)
関連書籍
- 鷲田清一「たかが服、されど服 ヨウジヤマモト論」(2010年 集英社)
- 「Fashion News(ファッションニュース) 2011年3月号増刊 特集・山本耀司 もう一度咬みつけよ、ヨウジ」(2011年 INFASパブリケーションズ)