ユニバーサル造船

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テンプレート:Infobox ユニバーサル造船株式会社(ユニバーサルぞうせん、英文 Universal Shipbuilding Corporation)は、かつて存在した日本造船大手企業である。

概説

2002年(平成14年)10月1日に日本鋼管(現・JFEエンジニアリング)と日立造船の船舶・海洋部門が統合し発足した。発足時はJFEエンジニアリングと日立造船が50%ずつ出資する資本構成となっていたが、2008年(平成20年)3月にJFEホールディングスがJFEエンジニアリング保有の全株式と日立造船保有の株式の一部を取得し、親会社になった。

2013年1月1日、株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドと合併し、ジャパン マリンユナイテッド株式会社となる。IHIとJFEホールディングスがそれぞれ45.93%、日立造船が残り8.15%の株式を保有している。合併合意当初は2012年(平成24年)10月1日の合併を予定していたが[1]、中国の独占禁止法の審査と承認手続きに時間がかかっていたため、数度の延期を経て[2]漸く2013年1月1日に合併。

主要事業所

メーカーとしての特色

旧浅野系の日本鋼管の造船部門の起源は同根の横浜造船所で、後に浅野造船所、鶴見製鉄造船と改称し、戦時統合で兄弟会社の日本鋼管に合併し、その造船部門となった。旧日立系の日立造船の造船部門は、大阪鉄工所を起源とする。テンプレート:Main

商船・海洋事業本部と艦船・特機事業本部の2事業部制であり、商船事業は津と有明、艦船製造・改修対応は京浜と舞鶴、また艦船改修を中心とする因島と機能分担されている。研究開発は津の技術研究所に集約され、生産自動化設備の研究については有明事業所を中心に展開している。VLCC(大型原油タンカー)やスエズマックス型タンカー、アフラマックス型タンカーの世界有数のメーカー。ケープサイズバルクキャリアでも世界トップシェアをほこる。事業所数5で国内最多。

特に艦船建造においては、旧日本鋼管、旧日立造船ともに、第二次世界大戦中、海防艦を大量に建造した実績があり、旧海軍艦政本部が基幹造船所として海防艦の開発・建造の中心的な役割を担わせている。以降、旧日本鋼管・旧日立造船は艦船分野への比重を拡大した歴史的経緯を有する。戦後は、旧日本鋼管と旧日立造船が海上自衛隊の掃海艇建造を独占。他にも旧日本鋼管は砕氷艦、旧日立造船は護衛艦も建造している。テンプレート:Main

2002年度の会社設立より一貫して造船建造量は国内トップで[3]、2004年度は世界でも4位だった。しかし、一方で2005年度の売上高は1397億円で国内4位[4]。生産・受注は好調だが、船価の値上げが遅れる一方、厚鋼板など原材料価格が高騰しており、収益の改善は2007年度以降と見込まれる。

艦船・官公庁船分野では、ユニバーサル造船にのみ建造可能な木製の掃海艇砕氷船など幅広い事業分野に対応している。防衛省の2005年度契約相手方別契約高順位は、6位で397億円[5](木造の掃海艇の建造は2010年就役の「たかしま」で終了した。[6])。

沿革

  • 1881年明治14年)4月 - 大阪鐵工所(後の日立造船)が創業。
  • 1916年大正5年) - 横浜造船所(後の鶴見製鉄造船)が創業。
  • 1940年(昭和15年)10月 - 日本鋼管が鶴見製鉄造船株式会社を合併
  • 2002年平成14年)4月1日 - ユニバーサル造船株式会社設立。
  • 2002年(平成14年)10月1日 - 日立造船・日本鋼管の船舶部門がユニバーサル造船に営業譲渡され、営業開始。
    • 日立造船より舞鶴事業所・因島事業所・有明事業所を、日本鋼管より京浜事業所・津事業所を継承した。
  • 2008年(平成20年)3月31日 - 日立造船がJFEホールディングスに発行済み株式の35%を譲渡し(50%→15%)、JFEホールディングスの子会社となる(50%→85%)。
  • 2013年(平成25年)1月1日 - ユニバーサル造船を存続会社として、株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド(IHIMU)を吸収合併し、ジャパン マリンユナイテッド株式会社として経営統合。

関連項目

脚注

  1. ユニバーサル造船株式会社と株式会社アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッドの経営統合(合併)に関する基本合意書の締結のお知らせ ユニバーサル造船株式会社・2012年1月30日
  2. 造船統合新会社の社名等について ユニバーサル造船株式会社・2012年4月23日
  3. 他の5社の2005年度日本国内竣工量シェアは2位三井造船7.6%、3位アイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド7.4%、4位三菱重工業6.6%、5位川崎造船5.7%、6位住友重機械マリンエンジニアリング2.2%
  4. 参考:1位今治造船、2位三菱重工業、3位三井造船である
  5. 参考:1位三菱重工業2,417億円、2位川崎重工業1,297億円、3位三菱電機1,142億円、4位日本電気1,078億円、5位東芝495億円
  6. 朝雲ニュース:「たかしま」でピリオド 木造艇の強味と温もり 木材高騰、技術の維持も困難 時代はFRP型に