ブルー・リッジ (揚陸指揮艦)
USS Blue Ridge (LCC-19) | |
艦歴 | |
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発注 | 1964年12月31日 |
起工 | 1967年2月27日 |
進水 | 1969年1月4日 |
就役 | 1970年11月14日 |
母港 | 神奈川県横須賀 |
性能諸元 | |
排水量 | 満載:19,177t (公称) |
全長 | 193.2 m |
全幅 | 32.9 m |
吃水 | 7.6 m |
機関 | 主缶2機, ギヤード蒸気タービン1軸 22,000hp |
速力 | 23ノット |
航続距離 | 13,000海里(16ノット時) |
乗員 | 士官 52名、兵員790名 |
兵装 | ファランクスCIWS 2基 Mk 38 25 mm 機関砲 2門 M2 12.7mm機関銃 数挺 Mk 36 SRBOC艦載用のデコイ展開システム[1] |
艦載機 | 格納庫なし。後部マストの左右に2機露天駐機可能。 |
モットー | Finest in the Fleet |
ブルー・リッジ (USS Blue Ridge, LCC-19) は、アメリカ海軍の揚陸指揮艦。ブルー・リッジ級揚陸指揮艦の1番艦。艦名はブルー・リッジ山脈に因む。その名を持つ艦としては3隻目。現在、第7艦隊旗艦として横須賀港を母港としている。
揚陸指揮艦として通信能力を最大限にするため、甲板上の構造物は必要最低限かつ平坦にして、電波干渉が起こりにくい設計がなされている。
艦歴
「ブルー・リッジ」はフィラデルフィア海軍造船所で1970年11月14日に就役した。海軍の指揮統制機能を持つ同艦は200名を超える士官および1,200名以上の兵員が生活でき、小さな町と同等の機能を有する。1971年2月11日、艦長ケント・J・カーロール大佐の指揮下「ブルー・リッジ」は処女航海に出航、マゼラン海峡を経由して母港のカリフォルニア州サンディエゴに向かった[2]。
1971年から1979年までブルー・リッジはサンディエゴを母港とし、第7艦隊の揚陸部隊旗艦として西太平洋に展開した。ベトナム戦争中の1972年6月28日にはグエン・バン・チュー南ベトナム大統領がアメリカ海軍将官との会議のため乗艦した。7月18日にはタイガー島での活動に対して戦闘行動章が与えられた。また、8月9日にはベトナムでの作戦活動に対して戦闘効率章が与えられた[3]。1973年にも北ベトナム海域での支援活動に対してベトナム戦役メダルが与えられた[4]。
1975年4月のサイゴン撤退では多くの功績を挙げ、グエン・カオ・キ元南ベトナム副大統領の脱出にも貢献し優秀部隊勲功章および海軍部隊勲功章を受章した[5]。
1979年10月以来「ブルー・リッジ」は第7艦隊旗艦として神奈川県の横須賀港を母港としている。「ブルー・リッジ」は毎年西太平洋およびインド洋での訓練演習に参加している。同艦は湾岸戦争時、砂漠の盾作戦および砂漠の嵐作戦に旗艦として9ヶ月半参加した。
ブルー・リッジはしばしば日本、香港、シンガポール、インドネシア、マレーシア、タイおよびオーストラリアを含む西太平洋およびインド洋の港を訪問している。1989年と2004年には中華人民共和国の上海を訪れた。また1996年と2003・2006年にはロシアのウラジオストクを訪問している。
2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震に際しては、寄航中のシンガポールから補給物資を積み込み、日本に向けて急遽輸送任務に就いた。
- US Navy 110311-N-0864H-821 USS Blue Ridge (LCC 19) on-load humanitarian assistance supplies in Singapore to ensure the ship and crew are ready to s.jpg
2011年3月11日撮影
地震発生当日から物資の積み込みを開始している。 - US Navy 110312-N-0864H-286 Sailors aboard the U.S. 7th Fleet command ship USS Blue Ridge (LCC 19) hoist the ensign during morning colors as the shi.jpg
2011年3月12日撮影
シンガポール停泊中。日本への救援物資を積載している。 - US Navy 110320-N-0864H-303 Sailors stage pallets of relief supplies aboard the U.S. 7th Fleet command ship USS Blue Ridge (LCC 19).jpg
2011年3月12日撮影
シンガポール出航後。東シナ海上。 - US Navy 110312-N-0864H-211 Sailors aboard the U.S. 7th Fleet command ship USS Blue Ridge (LCC 19) stand-by to move pallets of humanitarian relief s.jpg
2011年3月12日撮影
シンガポール出航後は、ヘリコプターによる物資の積み込みを行っている。 - US Navy 110321-N-0864H-310 Sailors arrange pallets on the main deck aboard the U.S. 7th Fleet command ship USS Blue Ridge (LCC 19) during a vertica.jpg
2011年3月21日撮影
南シナ海上。
兵装
固定武装は、自衛用のCIWS2基とMk 38 25 mm 機関砲2基、M2 12.7mm機関銃数挺のみである。通常は、機関砲や機関銃にはカバーが掛けられている。M2 12.7mm機関銃は取り外し式で、銃架と防楯のみが船体に固定されている。
5インチ砲やVLSなどの攻撃兵装は、電波干渉の発生源になりかねたいため装備していない。ミサイルに対する防御については随伴するミサイル駆逐艦などに任せる。
- US Navy 090916-N-7280V-286 The amphibious command ship USS Blue Ridge (LCC 19) test-fires the Phalanx close-in weapons system (CIWS) while underway.jpg
ファランクスCIWS(艦首側)
2009年9月16日撮影 - USS Blue Ridge at Fort Hill Wharf during a visit to Darwin (1).jpg
ファランクスCIWS(艦尾側)
2003年8月13日撮影
"BLUE RIGGE"の艦名が記載されたデッキに艦載されている。
甲板上には第5空母航空団のHSC-12「ゴールデン・ファルコンズ」所属のMH-60S ナイトホークが駐機している。 - US Navy 091007-N-7280V-159 Gunner's Mate 3rd Class James Wilkerson mans a 25-mm machine gun during a combat systems training team environment aboard the amphibious command ship USS Blue Ridge (LCC 19).jpg
Mk 38 25 mm 機関砲(左舷側)
2009年10月7日撮影 - US Navy 091007-N-7280V-160 Gunner's Mate 2nd Class James Hysons, Gunner's Mate 3rd Class Brandon Field and Yeoman 3rd Class Darryl Brooks man a 25-mm machine gun.jpg
Mk 38 25 mm 機関砲(右舷側)
2009年10月7日撮影 - US Navy 100724-N-1675O-298 Sailors fire a 50-caliber machine during a gun shoot aboard USS Blue Ridge (LCC 19).jpg
M2 12.7mm機関銃(左舷側)
2010年7月24日撮影 - US Navy 091116-N-7478G-155 Cryptologic Technician (Technical) Seaman Jennifer Pastor establishes communications with the combat information center.jpg
Mk 36 SRBOC艦載用のデコイ展開システム(右舷側)
2009年11月16日撮影
艦載ヘリコプター
「ブルー・リッジ」には、ヘリコプター用格納庫はない。後部マスト左右のスペースに2機まで露天駐機して運用可能。
また展開するヘリコプターは、VIP輸送を主目的とした緑色の特別仕様機が主に用いられる。2013年現在は、アメリカ海軍厚木航空基地に配備されている第51洋上攻撃ヘリコプター飛行隊「ワーローズ」(HSM-51)所属のSH-60F シーホークが担当している。このシーホークには、第7艦隊司令官が着任する階級であるVice admiral(中将)の階級章をあらわす3つの星が側面にペイントされている。
ただし、状況によっては第5航空団所属などのヘリコプターが展開する場合もある。
- US Navy 070822-N-0483B-002 An SH-60F Seahawk departs amphibious command ship USS Blue Ridge (LCC 19) during flight operations in the Pacific.jpg
SH-60F シーホーク[6]
2007年8月22日撮影 - SH-3G of HC-1 on USS Blue Ridge (LCC-19) 1991.JPEG
湾岸戦争当時
SH-3G シーキング
1991年3月1日撮影
参照
参考文献
- 世界の艦船 編『アメリカ海軍のすべて』「揚陸指揮艦「ブルー・リッジ」級」、『世界の艦船』10月号増刊通巻第749号、海人社、2013年9月、60-61頁。
関連項目
外部リンク
- USS Blue Ridge official Web site
- テンプレート:Facebook
- テンプレート:Twitter
- navsource.org: USS Blue Ridge
- All Blue Ridge CO's
- USS Blue Ridge (LCC-19) 70's photos
- ↑ Mk 36 SRBOC(Super Rapid Bloom Offboard Countermeasures)艦載用のデコイ展開システム - 対艦ミサイルに対する防御兵装。チャフ・フレアなどのデコイを高速射出するシステム。SRBOCは、Super Rapid Bloom Offboard Countermeasuresの略。
- ↑ Command History Report 1970-71
- ↑ Command History Report 1972
- ↑ Command History Report 1973
- ↑ Command History Report 1975
- ↑ 撮影時(2007年)の部隊名は、第51軽対潜ヘリコプター飛行隊第3分遣隊「ワーローズ」 (HSL-51 DET.3 "Warlords")。2013年に配備機種の変更により、第51洋上攻撃ヘリコプター飛行隊 (HSM-51)「ワーローズ」と改称されている。