ブジャク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ブジャク | ||
| ||
テンプレート:Legend | ||
| ||
アッケルマン城。 |
ブジャク(ウクライナ語:Буджакブジャーク;ルーマニア語:Bugeacブジャク;)はウクライナの歴史的地名である。ベッサラビア地方の南部、黒海沿岸のドナウ川とドニエストル川にはさまれた地域を指す地域である。しばしば、南ベッサラビアとも呼ばれた地域で、今日ではウクライナのオデッサ州に属している。
概要
ブジャクとは、オスマン帝国領であったときに命名された地名で、「端」を意味するトルコ語のBucakに由来する。
古代においては、トラキア人、スキタイ人、ケルト人が居住し、黒海沿岸部には、ギリシア人が居住したこともあった。また、タタール人がドブロジャやトルコに移住する前に通過した地域でもある。その後、ルーシやルーマニアの勢力圏に入った時期などがあった。
第一次世界大戦後、この地域はベッサラビアとともにルーマニアに編入された。第二次世界大戦中の1940年6月26日に、ソ連はルーマニアにベッサラビアの割譲を要求した。この時点では、ナチス・ドイツとソ連は戦闘を行っていなかったため、ヒトラーの示唆もあり、ルーマニアは要求を受け入れ、ベッサラビアは割譲され、ブジャクはウクライナ・ソビエト社会主義共和国に併合された。
しかし、1941年7月にルーマニアがドイツに続いてソ連に宣戦、ベッサラビアおよびブジャクへの進撃を行い、これを占領した。1944年には、ソ連が再占領し、その後、ソ連崩壊後は独立したウクライナ領となった。
現在、この地域に居住する主要民族はウクライナ人、ブルガリア人、ロシア人、モルドバ人である。このほかに少数民族としてルーマニア人やガガウズ人などがいる。
参考文献
- テンプレート:Ja icon 『ポーランド・ウクライナ・バルト史 』/ 伊東孝之,井内敏夫,中井和夫. 山川出版社, 1998.12. (新版世界各国史 ; 20)