パッション (2004年の映画)
テンプレート:Infobox Film 『パッション』(原題:The Passion of the Christ)は、2004年のアメリカ映画。
メル・ギブソン監督。キリスト教や新約聖書で知られる、イエス・キリストの受難と磔刑を描く。原題は、英語で「キリストの受難」という意味。
出演者全員のセリフは、全編アラム語とラテン語となっており、ギブソンの意向で日本語吹替版及び各国の吹き替え版は一切制作されていない。また字幕の表示箇所も監督の意向であらかじめ指定されている。
ストーリー
イエス・キリストが処刑されるまでの12時間を描く。イエスが神を冒涜しているという罪で拷問を受け十字架に掛けられるが、そこで彼の口にした言葉は彼らへの赦しの言葉だった。
キャスト
- イエス・キリスト - ジム・カヴィーゼル
- イエスの母マリア - マヤ・モルゲンステルン
- マグダラのマリア - モニカ・ベルッチ
- サタン - ロザリンダ・チェレンターノ
- クラウディア - クラウディア・ジェリーニ
- イスカリオテのユダ - ルカ・リオネッロ
- ペトロ - フランチェスコ・デ・ヴィート
- ヨハネ - フリスト・ジフコフ
- 大祭司カイアファ - マッティア・スブラジア
- 総督ピラト - フリスト・ショポフ
- ディスマス - セルジオ・ルビーニ
- アンナス - トニ・ベルトレッリ
反響
ヨハネ・パウロ2世も試写を視聴し、周囲から「It is as it was(全て真実)」とコメントがあったと発表されたが直ちに打ち消された。教皇の秘書は後日、「確かに教皇はそう言われたが、単なる個人的な感想をメディアがおおげさに取り上げ、その結果映画の宣伝に誇大に使われるような恐れがあっては困るので否定した」と明らかにした。
イエスへの拷問場面は凄惨であり、観覧していた女性が心臓発作を起こして死亡した。日本でのレイティングはPG-12であった。
メル・ギブソンは「福音書に忠実な描写」としているが、「ユダヤ人が悪魔に挑発されてイエスの処刑を求めた」シーン等は福音書に基づくものではなく、ドイツ人修道女(福者)のアンネ・カテリーネ・エメリッヒ(1744年 - 1824年、日本ではアンナ・カタリナ・エンメリックとされることが多い)の著書『キリストの御受難を幻に見て』にしかないものであるとして、ドイツ司教団などから「反ユダヤ主義に基づくもの」として批判されている。2003年12月に公開が予定されていたが、批判やバッシングを恐れて公開が延期されていたという。公開後は反ユダヤ主義という批判は沈静化した。ただイエスの描写についての凄惨さについては賛否がある。ユダヤ人を悪く描いていると欧米のメディアから叩かれた為か、イエスを預言者としては認めるが神としては認めないイスラム諸国で上映され、好意的に取り上げられた。
この映画の上映時に言われたメル・ギブソンの反ユダヤ的志向については、上映時のユダヤ系団体からのバッシングがメル・ギブソンのユダヤ人への反発心を高め、後の人種差別発言の遠因になったといわれる主張があるが、ウィノナ・ライダーが1995年の時点で彼とパーティー会場で会った際に「オーブン・ドジャーズ」と反ユダヤ的暴言を浴びせられた事を告白している。[1][2][3]
脚注
関連書籍
- 『パッションを理解するために』平野 耕一 プリズム社 ISBN 978-4938785116