ハンヴィー
テンプレート:戦闘車両 ハンヴィー(HMMWV, Humvee:High Mobility Multipurpose Wheeled Vehicle = 高機動多用途装輪車両)は、M998四輪駆動軽汎用車とその派生型で、1985年からM151(ケネディジープ)の更新用車両としてアメリカ軍に配備が始まった軍用車両に対する総称。先代の「ジープ」同様、特定の一車種を指すものではない。AMゼネラルで生産されている。
概要
軍用の汎用輸送車両として1970年代より検討が開始された。1979年に発注仕様が固まり、AMゼネラル(アメリカン・モーターズの軍用車部門。ルノーとの合弁に際し1982年分離独立)が試作車を製造する事となった。これが採用され、1985年より量産が開始された。
初の実戦投入は1989年のパナマ侵攻においてである。なお、1995年からは能力向上型(Expanded capacity)の生産も開始されている。
追加装備にM2重機関銃、荷物牽引用ウインチ、追加用の装甲板が存在し、改良型のM1025、M1043/M1044では追加武装として、M2重機関銃に加えMk.19グレネードランチャー、M240汎用機関銃、M249軽機関銃が追加された。また、M134ミニガンを装備した車両も存在する。
また、アメリカ軍の特に特殊部隊では独自の改造を施しており、自分達の用途に見合った改造が成されている。そのため、海兵隊や海軍特殊部隊が戦線に配備されても、まずは陸軍が置いて行ったハンヴィーの改造から始めるといったことも少なくない。この場合、隊員たちの改造(溶接や加工まで行う)により純正ではない武器が搭載されたり、座席の配置が変更されるなどということも多々あるため、搭載される武器は何通りにもなる。中には急ぎの改造で座席に事務用椅子が使われているものまであり、それぞれ隊員達が好きな名前を付けて呼んでいる。
仕様の異なる榴弾砲の牽引車両や救急車、TOW対戦車ミサイル搭載車両なども存在し、特にTOWについては、M151では弾薬や人員を2台に分乗させる必要があり、非効率だったのを受けて、ハンヴィーの設計要求に1台でTOW運用機材・人員を全て収めることが含まれていた。
ソマリア内戦などでは市街戦において装甲の脆弱性が問題となり、新たに装甲追加キットや強化改良仕様車が開発された。さらにイラク戦争では地雷やIEDに対する脆弱性も問題となり、それらに対応したMRAP(耐地雷待ち伏せ防護)車輌への置き換えが進められている。
イスラエル国防軍では独自に装甲強化改造を施しており、角張った形状のキャビンが特徴的である。
また、アーノルド・シュワルツェネッガーの要請でハンヴィーを民生化した車種がハマー(HUMMER)である。
各型
運用国
- Saudi Arabian Humvee.jpg
サウジアラビア陸軍の車両
- Humvees in ROC Military Police Headquarters.jpg
台湾憲兵の車両。Mk19 自動擲弾銃が搭載されている(2011年)
登場作品
関連項目
- 類似する車両
- 車体デザインも似ており、「ジャパニーズハマー」と呼ばれることもある。民生仕様も存在する。
- 車体デザインも類似する。
- コンセプトは違うが、形状は軽装甲機動車に類似している。
- 猛士
- 東風汽車製。車体デザインも類似している。
- ハンヴィーのシャーシをベースに設計された軽装甲車。