ハシビロコウ

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テンプレート:生物分類表 ハシビロコウ(嘴広鸛、学名:Balaeniceps rex)とはペリカン目ハシビロコウ科の鳥類の一種である。

特徴

エチオピア区南スーダンからザンビアにかけての湿地に分布する[1]IUCNレッドリストでは絶滅危惧II類に指定されており[1]ワシントン条約によって国際取引が規制されている。ハシビロコウ亜科は、ハシビロコウ1属1種のみ。

全長約1.2m、体重約5kgの大型の鳥類である。巨大なくちばしを持ち、獲物を狙うときは数時間にわたってほとんど動かないのが特徴。これは大きな図体で動き回り魚に警戒感を起こさせることを避けるためと考えられる。大型のハイギョなどを好み、ハイギョが空気を吸いに水面に浮かび上がるすきを見てすばやくくちばしで捕まえ丸呑みする。消化には数時間を要し、その作業に1日に消費するエネルギーの30%を費やす。

飛行も得意とし、翼を広げた時の長さは約2mにもなる。

基本的には単独行動を好む。また、性格が攻撃的であり、動物園などでは一つの鳥舎に複数の個体を入れておくと、互いに激しくつつき合って喧嘩をする。さらに、人間による飼育期間が長くなるほど、攻撃性が高まる傾向がある。このため、人の手による繁殖は非常に難しく、世界的にも手詰まりの状態にある[2]

近縁種のコウノトリと同じくめったに鳴かず、クラッタリングという行為をする。くちばしをたたき合わせるように激しく開閉して音を出す行動でディスプレイや仲間との合図に用いられる。また、首を振りおじぎをする様は相手に対する親愛を意味しているという。

実際の寿命は解明されていないが、高齢になるに従い瞳の色が金から青に変化する。

分類

ハシビロコウの分類には諸説あったが、伝統的にはコウノトリ目の下位に分類されることが多い。しかし、近年のDNA分析による分類ではペリカン類に近いことが分かってきた[3]。その他、サギ類に近いという説もある[4]

Sibley分類体系上の位置

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Status

存在する動物園(日本国内)

  • 上野動物園(東京都)
    • 日本では最も多い、5羽(オス2、メス3)のハシビロコウが飼育されている。2007年夏、ドイツの動物園・Vogelparkのオスと上野のメスを1羽ずつ交換している。以前はフラミンゴと同居していたがフラミンゴは2007年5月に新設のケージに移された。足にはめられたリングの色で個体を識別しておりケージの前にはその説明の看板が掲げられ、それぞれの名前などが分かるようになっている。
  • 千葉市動物公園(千葉県)
    • 2羽飼育されている。この園の個体は、無精卵を産んだことがある。2009年12月にオス1羽死亡
  • 伊豆シャボテン公園(静岡県)
    • 1羽のみ飼育されている。愛称「ビル爺さん」。1981年にメスの「シュー」(死亡)と共にやって来た、日本で最年長のハシビロコウ。
  • 高知県立のいち動物公園(高知県)
    • 2羽のオスが飼育されている。愛称は「とと」と「ささ」。2010年にタンザニアからやってきて、西日本では唯一の飼育となる。
  • 那須どうぶつ王国(栃木県)
    • オス1羽、メス2羽の計3羽が、2013年から飼育されている。

豆知識

テンプレート:雑多な内容の箇条書き

ファイル:Shoebill couple2.jpg
ハシビロコウのつがい
  • 頭部を真正面から見た時の独特な風貌と「動かない鳥」という事でテレビなどで紹介され、一時期話題になった。絵本アニメーションのキャラクターとしてもよく用いられている。
  • 動物園などで飼育されているハシビロコウは、野生のものよりも比較的活発である。
  • 「ハシビロコウ(嘴広鸛)」とは、「嘴の広いコウノトリ」のこと。英名の「Shoebill」は「靴のような嘴」を意味している。また、学名の「Balaeniceps rex」はラテン語で「クジラ頭の王様」という意味。
  • 野生での餌はハイギョだが、動物園では主にコイが餌として与えられている。[1]

画像

注釈

テンプレート:Reflist

  1. 1.0 1.1 1.2 BirdLife International 2008. Balaeniceps rex. In: IUCN 2011. IUCN Red List of Threatened Species. Version 2011.2. [2]. Downloaded on 30 January 2012.
  2. テンプレート:Cite news
  3. Mayr, Gerald(2003):The phylogenetic affinities of the Shoebill(Balaeniceps rex). Journal für Ornithologie 144(2):157-175. [English with German abstract] HTML abstract
  4. Hagey, J. R.; Schteingart, C. D.; Ton-Nu, H.-T. & Hofmann, A. F.(2002):A novel primary bile acid in the Shoebill stork and herons and its phylogenetic significance. Journal of Lipid Research 43(5):685–690. PDF fulltext