デリバリーヘルス
テンプレート:性的 デリバリーヘルスとは派遣型のファッションヘルスのこと。略してデリヘル。出張ヘルスとも呼ばれる。店舗がなく、客のいる自宅やホテルなどに女性を派遣し性的サービスを行う業態で、サービス内容はファッションヘルスとほとんど変わらない。1999年に改正風適法が施行されて以降、首都圏を中心に急速に増加しており、2000年代に入ると首都圏以外の地方でも増加しつつある。
概要
一般の店舗型風俗店のように店舗に待合室などを設置せず、事務所で電話等による受付のみを行い女性を派遣するのが特徴である。派遣先には自宅のほか、ラブホテル、シティホテル等も指定できる。1人でのチェックインが難しいラブホテルに派遣する場合は、近隣店舗や路上、駐車場等での待ち合わせとすることもある。派遣された女性が好みでない場合は、断って別の女性に変更(チェンジ)できることが多いが、キャンセルする場合はキャンセル料が発生することが多い。また派遣する女性の待機場所(受付を行う事務所の所在地でよく「○○発」とも記載されている)からの距離によっては交通費がかかることもある。
類似の風俗産業では、「ソープランド」「ピンクサロン(ピンサロ)」「ホテルヘルス」等がある。また、アロマオイルなどを使用したマッサージを中心とした「出張エステ」も性的なサービスを行っている店舗が多い。女性向けのデリヘルに相当するものとして出張ホストがある。
街中に設けた事務所で、写真等で女性を選び、店舗から女性と客が一緒に移動して周辺にあるホテルを利用するサービス形態は「ホテルヘルス(ホテヘル)」と呼ばれる。店舗型風俗店に分類されるため受付所が24時以降(一部25時以降)に閉まるが、その後は電話受付にて営業を継続することもある。この場合デリヘルとの差異は無い。電話受付と受付所での営業をともに日中から行なっているケースもあるが、このような店舗の場合は、風俗情報誌などでは「デリヘル・ホテヘル」と表記されることが多い[1]。
「デリバリーヘルス(delivery health)」という名称は、1998年公布の改正風適法で当該業種が届出対象にされた際に、風俗情報誌「MAN-ZOKU」(マンゾク)を発行している株式会社クリエイターズカンパニーコネクションが発案した和製英語。同年、株式会社クリエイターズカンパニーコネクションの関連会社である株式会社シーズホールディングコーポレーションが商標出願登録している(商標登録証4522848号)。
近年では、派遣する女性が女子高生やメイド服などの衣装を着ている場合や、オプションでそれらのコスプレを選択できたり、30代~40代の熟女専門店や、男の娘(ニューハーフ)専門店、ラブドールデリヘルといった店舗も存在する。
ただ、本来のデリヘル(無店舗型ヘルスサービス)の風営法上の定義では「人の住居または人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの」となっており、異性でないニューハーフや性道具である人形を派遣、若しくはレンタルすることがデリヘルに当たるかは判断が別れる。
特徴
デリバリーヘルスでは、店舗型の風俗店と同様に店舗の公式サイトや風俗情報ポータルサイト、風俗情報誌や一部の夕刊紙等で所属者を閲覧することもでき、指名等の際に参考にすることができる。
風適法により認められた営業時間が店舗型とは異なり、深夜24時(条例により25時)以降の営業も認められている。また、店舗ではなく電話受付を行う事務所のみを設置するため内装や従業員等の経費を抑えることができ、店舗型に比べ低予算で出店できる。女性は自由出勤としていることも多く、出勤日や勤務時間のやりくりがしやすいことから、主婦や社会人、大学生が昼夜にアルバイト感覚で出勤していることも多い。女性従業員の中にはホテルでの仕事のため、一般のヘルスのような簡易な間仕切の室内よりも仕事がやりやすく、店舗への出勤ではないので抵抗が少ないという者もいる。
通常デリヘル嬢の送迎は従業員(ドライバー)の業務であるが、派遣場所によっては徒歩や電車での移動もある。まれに女性自身が運転することもある。一部の店舗では駅前などで男性客と女性従業員が待ち合わせて、ホテルに行くというシステムを採用しており、このシステムではデートの気分を味わうことが出来る[2]。顧客男性の所有車に出張して、顧客の自動車内でのサービスを提供していることもある(東北地方で発行されている風俗誌テンプレート:要出典の記載による)。
店舗型風俗店とは異なり、他の従業員の目が届かない所でサービスが行われるが、店舗によっては派遣先を自宅か街中の有名大型ホテル・シティホテルのみに限定したり、自宅以外のビジネスホテル・ラブホテルのみとしたりする店舗もある。ホテルへの派遣の場合、宿泊費や飲食費等は一般に客側の負担となる。自宅に呼ぶ場合、住所や建物名が店舗側に知られるということもあり、犯罪などが未然に防がれるという側面もある。
利用料金はサービス時間(拘束時間)の長さやサービス内容に応じて高くなっていくが、一般に店舗型のヘルスやピンサロ等に比べ割高であることが多い。
韓国人女性の派遣は特に韓国出張などと呼ばれ首都圏や関西圏など大都市圏に多い。大都市中心に高齢者や身体障害者を専門とする店舗もあり、その一部の店舗では客の要望によって女性従業員を全国に派遣することもある。また一般店の中にも高齢者・身体障害者への対応を表記するところもある。
広島県で2006年にデリヘルの事務所を設置し、かつ常時客室を提供していたビジネスホテルが管理売春で摘発された。なお摘発されたホテルは県条例でデリヘルの営業が禁止されていた地域[3]にあったことも摘発された理由であるが、デリヘルに協力して摘発された初の宿泊施設であったという。
埼玉県警生活環境1課は2007年5月13日、職業安定法違反(有害業務就業の勧誘)の疑いでデリヘル店経営者を逮捕した。同課によれば、2004年11月経営者が女性に性的サービスの業務や報酬を説明したことがこれにあたるとしている。ただし風俗店が女性や男性従業員を募集すること自体は違法ではない。