ディオーネー

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ファイル:East pediment KLM Parthenon BM.jpg
ヘスティアー、ディオーネー、アプロディーテー

ディオーネーテンプレート:Lang-grc-short)は、ギリシア神話に登場する女神である。長母音を省略してディオネとも表記される。主に、

の2柱が知られている。ディオーネーという名前は明らかに印欧語に由来し、ゼウスの女性形であるため、古くは天空の女神であったと推測される。以下に説明する。

ティーターン神族の1柱

このディオーネーは、ウーラノスガイアの娘で、ティーターンの一柱である[1]。一説によるとティーターンは14人おり、ディオーネーはポルキュースとともにティーターンに加えられている[2]。しかしオーケアノスの娘とも[3]ネーレウスの娘ともいわれ[4]、ゼウスとの間にアプロディーテーをもうけたとされる[5]

神話によるとディオーネーはレアーテミスアムピトリーテーとともにレートーアポローン出産に立ち会った[6]。またトロイア戦争で娘のアプロディーテーがディオメーデースに傷つけられたとき、ディオーネーはアプロディーテーをなぐさめ、アレースアローアダイに苦しめられた話や、ヘーラーハーデースヘーラクレースに傷つけられた話を語った[7]

エーペイロスドードーナ神託所では、ディオーネーはゼウスとともに祭祀され、ディオーネーの女祭司たちとゼウスの祭司たちが神託を司った。ここにはゼウスに捧げられた1本の樫があり、ディオーネーの女祭司は樫の葉が揺れるのを見て神託を下したとされる。ちなみにドードーナの神託の記述はすでに『オデュッセイア』に見られる[8]。またドードーナの発掘によって人々がディオーネーとゼウスへの質問を片に刻んで神託を伺ったことも判明している。

アトラースの娘

このディオーネーは、アトラースの娘で[9]タンタロスとの間にペロプス[10]ニオベーを生んだという[11]テンプレート:アンティオペーの系図


脚注

  1. アポロドーロス、1巻1・3。
  2. オルペウス教断片、114。
  3. ヘーシオドス、353。
  4. アポロドーロス、1巻2・7。
  5. 『イーリアス』5巻。アポロドーロス、1巻3・1。ヒュギーヌス、序文。
  6. ホメーロス風讃歌』第3歌94(「アポローン讃歌」)。
  7. 『イーリアス』5巻。
  8. 『オデュッセイア』14巻、19巻。
  9. ヒュギーヌス、83。
  10. ヒュギーヌス、82、83。
  11. ヒュギーヌス、9。

参考文献