ダゴン (宇宙戦艦ヤマト)

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ダゴンは、テレビアニメ『宇宙戦艦ヤマトIII』の登場人物。声優寺田誠

概要

ガルマン・ガミラス帝国東部方面軍第18機甲師団艦隊(通称「ダゴン艦隊」)司令官。襟章の数から見て階級は少将と思われる。『III』における地球滅亡の危機を招いた張本人。

東部方面軍司令長官ガイデル提督の下で、オリオン腕方面に帝国の勢力圏を広げていた。目的のためなら手段を選ばない野心家であり、中立を侵犯することも味方を犠牲にして自分だけ逃げることも躊躇しない冷酷かつ無責任な性格である。

司令部(旗艦)として、バーナード星の前進基地内でも一貫して中型戦闘艦を使用していた。第17空母艦隊では円盤型白色旗艦に乗艦して指揮を執っていた。

なお、準備稿では「グドン将軍」という名前であった[1]

劇中での活躍

物語冒頭、太陽系近くで艦隊を率いてバース星艦隊と交戦し、惑星破壊プロトンミサイルを使用して勝利する。戦闘終了後、目標を逸れた1発を放置したため、その流れ弾が太陽系に侵入し、太陽に突入して核融合異常増進をもたらし、地球人類を滅亡まであと1年(太陽系消滅まで3年)に追い込む事態となる。

ダゴン艦隊はバース星近くでの艦隊決戦で惑星国家バースに事実上勝利し、地球連邦により開発中のケンタウルス座アルファ星の第4惑星を勢いに任せて攻撃する。しかし、背後からバース星残存艦隊に砲撃されたために応戦するまま、バース艦隊と戦闘を続けた。

戦闘の末、敗走したバース艦隊旗艦ラジェンドラ号を追撃するダゴン艦隊は海王星付近にワープアウト。ヤマトに海王星ドッグで修理中のラジェンドラ号の引き渡しを求め、要求が受け入れられない場合は地球を攻撃すると脅し、10分の猶予を与えた。ラジェンドラ号の艦長ラムは、食料・燃料の補給と機関の修理をしないと出て行けないことと、残り8時間の滞在時間が過ぎれば自ら出て行って戦うことを主張したため、ダゴンはその間待つことを容認。修理を終えて発進したラジェンドラ号を確認すると、ダゴンは艦隊をラジェンドラ号とそれを護衛するヤマトと並んで航行させ、第11番惑星付近でラジェンドラ号がワープ準備に入ったところで攻撃を仕掛ける。さらに、領空内での戦闘行為に抗議する古代進を無視してヤマトにも攻撃を開始したため、ヤマト側も応戦することになる。ダゴンはラジェンドラ号を撃沈し、ヤマトも破壊して地球に向かうと息巻くが、ヤマトの反撃により形勢不利に追い込まれ、艦隊の大部分を足止めとして犠牲にさせ、自分が乗る旗艦と護衛の1〜3号艦のみワープして撤退する。

バーナード星第1惑星の前進基地に逃げたダゴンは、ヤマトが補修作業をしているケンタウルス座アルファ星第4惑星へ、基地からミサイルを大量に撃ち込み、ヤマトをバーナード星へ誘き出す[2]。バーナード星第1惑星の新反射衛星砲によってヤマトを追い詰めるが、波動砲によって基地を破壊されてしまい、自身の乗る旗艦だけ間一髪の所で脱出し、東部方面軍司令部に逃げ戻った。

その後、ヤマトに敗退した要因について航空戦力の不足が致命的だったと考えたダゴンに対し、ガイデルは最後のチャンスとして第17空母艦隊を与える。ダゴンは空母艦隊を率いて白鳥座に布陣、ヤマトをおびき寄せるため、気象観測宇宙船と無人気象観測ステーションを破壊して、急行したヤマトを白鳥座星域の赤色イオン流に引きずり込む。

ダゴンは赤色イオン流を脱出したヤマトをデスラー戦法を駆使して翻弄するが、決定打を与えられなかったため、直接艦隊を率いてヤマトの前に現れる。しかしここでダゴンはいらぬ欲を出し、ヤマトを捕獲してデスラーへの土産にしようと降伏猶予時間を与えたため、その間にヤマトは戦闘準備を終えてしまい、猛反撃によって空母を全滅に追い込まれた。

ダゴンは最後の策として白鳥座のブラックホールの目の前までワープで逃走し、追ってきたヤマトを旗艦に搭載した牽引ビームによって捉え、旗艦を2隻に分離。そのまま拘束したヤマトをブラックホールへと牽引しつつ、自身はブラックホールの左右へ展開して離脱しようとする。だが、ヤマトは波動砲でブラックホールに引きずり込まれる小惑星を破壊し、その衝撃波で脱出。ダゴンの旗艦は衝撃波で押し戻されるヤマトに、自らの牽引ビームで引っ張られる形となり、分離していた僚艦同士が激突し、そのままブラックホールに飲み込まれるという最期を遂げるに至った。

脚注・出典

  1. 『宇宙戦艦ヤマト画報』(竹書房、2001年)テンプレート:要ページ番号
  2. ちなみに同話では、アルファ星第4惑星にある酒屋での喧嘩で坂巻浪夫が窓ガラスにぶつかるシーンに、司令部で立っているダゴンの姿が写り込んでしまっている。

外部リンク

テンプレート:宇宙戦艦ヤマトシリーズの登場人物