ステレオタイプ
テンプレート:独自研究 テンプレート:出典の明記 テンプレート:Cleanup ステレオタイプ(テンプレート:Lang-en-short、テンプレート:Lang-fr-short)は、元々社会学の用語で、紋切型態度とも言う。印刷のステロ版(鉛版)印刷術が語源で、判で押したように同じ考えや態度や見方が、多くの人に浸透している状態を言う。
日本語では、思考や観念、ものの見方・捉え方、表現の方法などについてもステレオタイプが使用される。決まり文句(クリシェ)なども、類型的・紋切り型な思考のありようの表現であるのでステレオタイプである(なお、クリシェ cliché という言葉は、フランス語では、ステロ版のことを意味するので、言葉が一見違うが、同じ内容を持つと言える)。
目次
概説
古典的な類型性
ステレオタイプは、物語やフィクションなどで造形される人物像にその典型的な形が見られる。勧善懲悪の物語では、善役はいかにも善役らしい姿や言動があり、他方、悪役は同様にいかにも悪役らしい姿や言動で表現される。
大衆向けの娯楽目的の小説や映画、ドラマなどでは、人物造形がステレオタイプなだけではなく、物語の構成やプロット、展開・結末などもステレオタイプになっているのが一般である。漫画やアニメなどでは、「Boy meets girl, and fall in love」という言葉があるが、これは最近の物語におけるステレオタイプではなく、古代の青春恋愛物語である『ダフニスとクロエー』においても同じような構成になっている。
これらはステレオタイプというより寧ろ、神話類型(Cat:神話類型)にも通じる、物語の基本的な類型構造で、人間心理の普遍的・先天的なありようとも関係すると考えられる。しかし近代において、大衆社会、マスコミュニケーションが成立すると、政治的、経済的、あるいは社会的な目的において、過剰に単純化され類型化されたイメージが広く一般の人にも流布するようになり、文字通り、紋切り型な把握や観念や思考となって定着するようになった。
ステレオティピカルな観念の特徴
ステレオタイプは、現代では多くの人が持つ観念に、その代表的な例が存在する。これらの観念は偏見や差別意識と関係し、先入観やタブロイド思考とも関連している。「紋切り型」という言葉が示すように、個々人が抱く考え方・観念に個性が乏しく、同じような考え方やものの見方が、多数の人において類型化されて共有されている。
なぜ、そういうステレオティピカルな思考やものの見方が妥当と確信するのか、ということについても、メディアがそう述べているとか、まわりの人がみなそう言っているとか、自分自身で主体的に反省して吟味することがほとんどなく、外部の意見やものの見方をそのまま無批判に取り入れ、鵜呑みにしていることが一般である。その為、観念や確信に客観的根拠がなく、底が浅く、また複雑なものごとを単純化している結果、当人は十分に理解しているとの錯覚を持っているが、迷妄であって、固定観念になっている場合も多々ある。
ステレオタイプの例
人間やキャラクターの類型化
以下のステレオタイプな人間把握はほとんど科学的な裏付けがまったくないものであり、偏見や差別を助長する原因となっている。
性別・身体的特徴などによるステレオタイプ
服装,髪型などによるファッションにおけるステレオタイプ
肌の色によるステレオタイプ
人種・国籍によるステレオタイプ
- 日本人 - 眼鏡を掛け、出っ歯で背が低く、首からカメラを提げている(戦後、日本人団体旅行者の与える印象が強かったため)。いつも笑顔。イエスとノーが曖昧。個人主義的な西洋人に対して集団主義的。恥の文化。捕虜になって辱めを受けるよりも潔い死を選び(戦陣訓)、「ハラキリ」や「バンザイ突撃」、「カミカゼ」に至る。英語の発音が下手で独特の文法の英文を作る。手先が器用で物作りが得意。欧米の一部では、外国人嫌い[1][2]、歯並びが悪い[3][4]、などのイメージがある。発展途上国では、きれい好きで道徳意識が高く、マナーがよいというイメージもある[5]。日本人論も参照。
- 日本人女性 - 貞淑で夫を立てる、献身的などのステレオタイプが日本以外の国には存在している。一方で性的に奔放で白人男性に弱い「ゲイシャガール」[6]のイメージも一部にある。
- 日本人男性 - 仕事中毒で金儲けに熱心(エコノミック・アニマル)、勤勉すぎて過労死(Karoshi)する。ペニスが小さい[7]、好色[8]、男尊女卑、オタクなどのステレオタイプが欧米の一部に見受けられる。これらの印象の多くは日本人だけでなく中国・韓国の男性にも適用される。
- 関西人・大阪人 - 合理主義・現実主義的。お笑い好きでおしゃべり。いらち(=せっかち)。派手好き。食い倒れ。東京を敵視している。いわゆる「大阪のおばちゃん」は逞しく、金銭感覚に優れ、豹柄や虎縞の服を好む[9]。なお、これらは在京マスコミが長年に渡って大阪に求め、押し付ける像でもある[10]。大阪弁#役割語としての大阪弁を参照。
- 江戸っ子 - 刹那的(例:「宵越しの金は持たない」)・場当たり的。意地・見栄を張る。口は悪いが(江戸言葉)、人情に厚い。
- 東洋人 - 挨拶のとき必ず合掌しお辞儀をする。理数系の学科が得意[11]。その一方で、物事に対していい加減な部分がある。時間や約束事に対してルーズ。物静か、集団的、クリーニング店を経営している、肉を食べない、小柄で細身、すばしっこい、勤勉、目上の者には絶対服従、など。瞑想(仏教の修行)をするので精神が安定している。空手・柔道・拳法など徒手格闘術の達人である。
- 黒人 - 顔が真っ黒で唇が分厚い。アフリカ原住民のような描写。日本では黒人差別をなくす会の台頭により、黒人のステレオタイプ表現を一貫して差別と決めつけ、クレーム活動を行い、漫画やアニメなどのステレオタイプな黒人の描写が差別的であるとしてさまざまな出版社や制作会社が自粛を決定した。その結果、黒人自体を漫画などに出すことがタブーとなる。絵本『ちびくろサンボ』を絶版に追い込んだ。他にカルピスの登録商標の使用差し止め。藤子プロは『オバケのQ太郎』『ジャングル黒べえ』を絶版。ダッコちゃんも煽りを受け販売停止となった。
- 『ニューヨーク・タイムズ』は、「アメリカ合衆国における代表的なステレオタイプ」として、「貪欲なユダヤ人」、「卑劣な中国人」、「馬鹿なアイルランド人」、「怠惰な黒人」を挙げている[12] 。アメリカ合衆国における人種・国籍によるステレオタイプの詳細については、英語版ウィキペディアのen:Stereotypes of groups within the United Statesを参照。
職業・専攻によるステレオタイプ
- 文系と理系
- 理系 - 白衣を着ていることが多い。理屈っぽい。ポップカルチャーにおける科学者のステレオタイプに大きな影響を及ぼした人物として、アインシュタインがいる。ぼさぼさの白髪に白衣を着ているというイメージ[13]は多くのフィクションや映画で使われた(実際には、彼は白衣は着なかった。詳細は en:Albert Einstein in popular cultureを参照)。マッドサイエンティストは異常な知識・技術力と研究意欲と功名心を持つ一方で、一般的な道徳心や倫理、社会通念を欠くか無視しており、精神的には不安定。
- 日本軍
- 大日本帝国陸軍 - カーキ色の薄汚れた軍服を着て軍刀を振り回すなど、横暴かつ残虐な振る舞いをするイメージ。戦後の日本での戦争映画などで頻出する日本陸軍兵士像の影響が大きい(当時日本軍は軍服と戦闘服の区別をせず、軍服のまま戦闘任務に就いていた)。また、戦時下における憲兵の存在も(特高警察と混同される形で)イメージに影響してしまっている。
- 大日本帝国海軍 - 純白の綺麗な軍服に身を包み、陸軍とは対照的にエリートかつ、人に優しく、優雅な振る舞いのイメージ。これは戦前は海軍が若者の勧誘、人心掌握のために現在の博物館のようなものを建てて人員確保に腐心していた[14]のと、戦後も海軍出身者達の政治的発言力は衰えず、遂には海上自衛隊という形で日本海軍を蘇えらせたため(また、長らくマスコミや知識層で「海軍善玉論」が強かった事も大きい)。
趣味・嗜好、性指向によるステレオタイプ
- 同性愛者 - 2006年11月に議決された、国際人権法に関するジョグジャカルタ原則はこうしたステレオタイプを偏見や差別の要因となるものとして、国家や社会にその徹底した撤廃を求めている。
血液型によるステレオタイプ
テンプレート:See also 日本では比較的広く見受けられ、差別的要素が多分に含まれているが、欧米諸国ではこういった偏見は見られない。科学的に立証された例は無く日本における迷信の象徴的な類である。
その他のステレオタイプ
- 都会(主として東京を指す。まれに(大阪や名古屋ではなく)横浜や神戸を指す場合も) - 洗練されている。流行の先端を行っている(おしゃれ)。人間関係(人付き合い)が乏しい。クール。教育、健康、育児等において「不健全」な環境。
- 田舎 - 地味。洗練されていない。訛りがひどい。流行から遅れている。産業は農業もしくは漁業しかない。人間性、人間関係(人付き合い)が残っている。生活や子育てにおいて、健全な良い環境が残されている。
- 沖縄 - 南方で年中暖かく、本土に比べて温和な人間性がある。
関連項目
- 固定観念
- ストックキャラクター
- 役割語
- 先入観
- プロパガンダ
- タブロイド思考
- レッテル
- 偏見 - 差別
- 血液型性格分類
- ジョグジャカルタ原則
- 知識 - 認識
- 確証バイアス
- 外集団同質性バイアス
- 俗流若者論
- 詭弁・誤謬・錯誤相関
- ワフー酋長
出典
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/100412/mds1004120929001-n1.htm
- ↑ Sheridan Prasso, The Asian Mystique: Dragon Ladies, Geisha Girls & Our Fantasies of the Exotic Orient PublicAffairs, 2005. ISBN 1586482149
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ テンプレート:Cite web
- ↑ しかしアニマル柄の所有率は東京の方が大阪より高い。アニマルファッション東阪一致!?か?
- ↑ 大阪の今を知るとっておきの3冊 現在と過去が二重写しに毎日jpブックウオッチング
- ↑ 1993年の調査によれば、米国におけるSATの数学テストの成績は、アジア人がおおむね他の民族に比べて高い Chapter 1: Elementary and Secondary Science and Mathematics Education - Figures
- ↑ 『こいつは人種差別主義者だ。だけど、ねえ、それがディズニーなのさ(It's Racist, But Hey, It's Disney)』(『ニューヨーク・タイムズ紙』、1993年7月14日付記事)より
- ↑ 1946年のTIME誌の表紙 [1]
- ↑ 「日本海軍 歴群図解マスター(ISBN-978-4054047631)