拳法

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拳法(けんぽう、やわら)とは、現代では、打つ、突く、蹴るなどの当身技による『徒手武術』を意味する。

概要

かつて、拳法という用語は柔術の異称として使用されていたことがある。現在、日本で拳法と名の付く代表的な武道として『日本拳法』と『少林寺拳法』を挙げることができる。前者は大学拳法部を中心にいくつかの団体に分かれて普及しており、スポーツ競技化した一面も持つと言われている。また複数の武道を母体とする自衛隊の徒手格闘術は日本拳法を取り入れている。少林寺拳法は仏教新興宗教を背景として幅広い層に普及している。

日本拳法少林寺拳法共に、日本の武術を元に作り上げられた武道格闘技であり、どちらも『精神性』を重視している所が日本文化的と言える。

少林寺拳法は宗(中野)道臣(みちおみ・後のどうしん)が香川を拠点に、日本拳法は澤山宗海(さわやまむねおみ・本名 澤山勝)が大阪を中心に活動を始め発展した全く別の拳法である。

日本拳法と少林寺拳法の違い

日本拳法
日本拳法は、柔道家であった澤山が、当身技柔道形にあるにもかかわらず練習されていないことから練習体系を確立するために、空手道などを参考にして大日本拳法として創始し、戦後に日本拳法と改称した。独自の防具を用い実際に加撃することが特徴であり、空手道などと互いに影響を及ぼしながら技術体系が錬られていった。ボクシング渡辺二郎キックボクシング猪狩元秀(現、NPO 法人日本拳法協会主席師範)などの世界チャンピオンを輩出し、自衛隊自衛隊徒手格闘の原形に、また警察逮捕術にもその技術がとりいれられたことでも知られている。特筆すべきは自由組手の形式をいちはやく確立していたことである(現在の日本拳法では「組手」という用語は用いていない)。
少林寺拳法
少林寺拳法は宗が戦前から戦中にかけて中国で特務機関の活動をしている際に学んだ各種の中国拳法に幼少のころ学んだ日本の柔術を加味し創始した日本の武道である。護身術を中心とした技術体系を持ち、「自己確立」と「自他共楽」、「強さを競わない」などの理念が幅広い層に受け入れられ、現在、海外31カ所に普及しており、会員は世界中で約14万人である。嵩山少林寺少林拳と混同されがちだが、まったく別の技法体系をもつ。

拳法と名乗っていない流派や新興流派

以上のような状況の一方に、日本の柔術にも当身技が多い流派はいくつかある。現存する流派で代表的なものに、柳生心眼流諸賞流天神明進流などがあるが、特に拳法と名乗っているわけではない。また、近代に創始された拳法を名乗る流派では和道流柔術拳法神道天心流などがある。

脚注

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関連項目

外部リンク

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