シラユキヒメ

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テンプレート:Infobox シラユキヒメとは日本で生まれた白毛サラブレッドである。馬名はグリム童話の『白雪姫』に由来する。

現役時代

サンデーサイレンス産駒の白毛馬として話題を集めた。芦毛とは違い白毛は産まれたときから白い。鹿毛のウェイブウインドの初仔である本馬は、父が青鹿毛のサンデーサイレンスであるにもかかわらず、突然変異で誕生した白毛である。突然変異なので、本馬の弟妹には一頭も白毛は生まれていない。

突然変異の場合は白毛馬は非常に生まれる確率が低く、1万頭から2万頭に1頭ほどの確率でしか産まれない。そのため白毛馬は出走した頭数も少なく、地方競馬ではホワイトペガサスが南関東公営競馬で8勝を挙げているのを筆頭に数頭が勝利を挙げているが、中央競馬では本馬が競走馬としてデビューした2001年当時まだ勝利はなかった。

本馬はデビューが遅れたこともあって、出走したレースは中央競馬の500万円以下または900万円以下という厳しい条件であり、初勝利を挙げることはできなかったが、それでも9戦して一度3着に入っており、白毛馬としては中央競馬で初めて馬券に絡む着順(3着以内)に入っている。

繁殖牝馬時代

競走馬引退後は繁殖牝馬となった。突然変異の本馬自身と違い、すでに白毛遺伝子(ほかの毛色に対して優勢)を持つ本馬の産駒はメンデルの法則により50パーセントの確率で白毛として生まれる。良血でもあるため、白毛の新系統誕生も期待されていた。

繁殖成績

馬名 生年月日 毛色 厩舎 馬主 戦績(現状)タイトル
シロクン 2003年
2月20日
白毛 ブラックホーク 美浦後藤由之 金子真人
ホールディングス
5戦0勝
(引退→乗馬→消息不明)
ホワイトベッセル 2004年
3月18日
クロフネ 栗東安田隆行 17戦3勝
(引退→誘導馬)
ユキチャン 2005年
3月28日
美浦・後藤由之
川崎山崎尋美
金子真人
ホールディングス
→金子真人
17戦5勝
(引退→繁殖牝馬)
関東オークス(JpnII)
クイーン賞(JpnIII)
TCK女王盃(JpnIII)
ママズディッシュ 2007年
3月4日
芦毛 美浦・後藤由之 金子真人
ホールディングス
10戦0勝
(引退→繁殖牝馬)
シラユキヒメの
2008
2008年
2月28日
白毛     未出走
(誘導馬)
マシュマロ 2009年
3月23日
栗東・吉田直弘 金子真人
ホールディングス
12戦2勝
(引退→繁殖予定)
ブラマンジェ 2010年
3月22日
美浦・萩原清 3戦0勝
(引退→繁殖牝馬)
マーブルケーキ 2011年
4月9日
白毛
(栗毛斑)
キングカメハメハ 3戦1勝
(現役)
ブチコ 2012年
4月27日
白毛
(鹿毛斑)
栗東・音無秀孝
(予定)
  (2歳)

2003年に生まれたシロクンは、2006年1月5日、美浦・後藤由之厩舎からデビュー。同年7月20日、競走馬登録を抹消。ノーザンホースパーク乗馬となったが、2008年8月に退厩。その後、関西方面に移動ののち、2009年1月頃を最後に消息不明となっている。

2004年に生まれたホワイトベッセルは、2007年2月18日栗東安田隆行厩舎からデビュー。同年4月1日、2戦目となる3歳未勝利戦で白毛馬初の中央競馬勝利を挙げた。2011年1月26日、競走馬登録を抹消。京都競馬場誘導馬として活動している。詳細は別項ホワイトベッセルの項目を参照のこと。

2005年に生まれたユキチャンは、2007年7月8日、美浦・後藤由之厩舎からデビュー。2戦目と3戦目を連勝し、2008年6月18日、5戦目となる川崎競馬場の重賞・関東オークス (JpnII) では8馬身差で圧勝。世界初となる白毛馬による重賞勝利を挙げた。2009年9月、出走機会を求めて川崎競馬・山崎尋美厩舎に移籍。その後も重賞を2つ勝った。2010年12月28日、競走馬登録を抹消。2010年NARグランプリ最優秀牝馬を獲得。繁殖牝馬となった。詳細は別項ユキチャンの項目を参照のこと。

2007年に生まれたママズディッシュは、2009年9月6日、美浦・後藤由之厩舎からデビュー。2010年9月2日、競走馬登録を抹消。繁殖牝馬となった。

2008年に生まれた産駒は、結局デビューしないまま、シロベエという名前で京都競馬場誘導馬として活動している[1]

2009年に生まれたマシュマロは、2011年11月13日、栗東・吉田直弘厩舎からデビュー。初戦の新馬戦を勝った[2]。白毛馬の新馬戦勝利はJRA史上初である。2014年3月13日、競走馬登録を抹消。繁殖牝馬となる予定である。

2010年に生まれたブラマンジェは、2012年11月17日、美浦・萩原清厩舎からデビュー。2013年6月5日、競走馬登録を抹消。繁殖牝馬となった。

2011年に生まれたマーブルケーキは、登録上は白毛だが、栗毛の斑点を有するブチ模様である。2014年1月19日、美浦・萩原清厩舎からデビュー。

2012年に生まれたブチコは、登録上は白毛だが、鹿毛の斑点を有するブチ模様である。栗東・音無秀孝厩舎からデビューの予定である。

シラユキヒメの白毛

白毛の発生は、一般的にメラニン細胞の移動と分化、定着、維持といった機能を持つ受容体型チロシンキナーゼ幹細胞因子受容体(SCFR)というタンパク質をコードするKIT遺伝子の変異が原因であることが多いが、シラユキヒメ及びその子孫のKIT遺伝子にも、第17エクソンに54塩基の欠失(c.2392_2445del)が確認されている。これはSCFRのチロシンキナーゼドメインIIに18アミノ酸残基の欠失を起こすもので[3]、これが原因となってメラノサイト前駆細胞の遊走が正常に起こらず白毛やブチ毛が生じている。この変異はW14と命名されている[4]

シラユキヒメ 1996牝 W14の祖
|シロクン 2003牡(父ブラックホーク)
ホワイトベッセル 2004牡(父クロフネ)
ユキチャン 2005牝(父クロフネ)
||ユキチャンの2013牝(父ハービンジャー)
シロベエ 2008牡(父クロフネ)
|マシュマロ 2009牝(父クロフネ)
|ブラマンジェ 2010牝(父クロフネ)
|シラユキヒメの2011牝(父キングカメハメハ)
|シラユキヒメの2012牝(父キングカメハメハ)

血統

シラユキヒメ血統サンデーサイレンス系 / インブリードAlmahmoud 4×5(9.375 %)

*サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

*ウェイブウインド
Wave Wind
1991 鹿毛
Topsider
1974 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Drumtop Round Table
Zonah
Storm and Sunshine
1983 黒鹿毛
Star de Naskra Naskra
Candle Star
Sea Drone Drone
Malaga F-No.2-w

母・ウェイブウインドは不出走で繁殖入り。祖母・Storm and SunshineはアメリカG2勝ち馬である。

脚注

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外部リンク

  • テンプレート:Cite web
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  • 一般的にSCFRの変異は、細胞外領域で起こったものよりも、細胞内領域のチロシンキナーゼ領域で起こった物の方が重篤である。c-kitは2量体で活性化するため、細胞内領域で起こった変異は、SCFR全体の活性を最大で75%低下させる
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