シュークリーム
シュークリーム(フランス語 choux + 英語 cream)は、洋菓子の一種。生地を中が空洞になるように焼き、その空洞にカスタードクリームなどを詰めるのが標準的である。
名称
フランス語のシュ(chou [ʃu]、複数形はchouxで発音は同じ)と英語のクリーム(cream)からなる和製外来語。
フランス語では「chou à la crème」(シュー・ア・ラ・クレーム)。「シュー」とはフランス語でキャベツ、ハボタン、ハクサイなどの総称だが、ここではキャベツを意味し、丸く絞り出して焼いた生地を結球したキャベツに見立てて「シュー」と呼ぶ。生の生地は「pâte à choux」(パート・ア・シュー、シュー生地)と呼ばれる。誤解例が未だに散見されるが、英語の靴(shoe)とは関係はない。
また、一口サイズの小さなシュークリームを「profiterole」(プロフィトロール、「心付け」の意)という。特に、チョコレート・ソースをかけたプロフィトロール・オ・ショコラ(Profiterole au chocolat)を意味することもある。
英語圏では「cream puff」(クリーム・パフ、クリーム入りのふっくらした物の意)あるいは、主に英国では(大きさにかかわらず)「プロフィトロール」として知られている。
歴史
シュー生地の原型は「揚げシュー(ベニエ・スフレ)」であるとされる。現代のシューの由来は諸説あるが、一般的には1553年にメディチ家のカトリーヌ姫が輿入れした際にフランスに伝わり、その後1760年にジャン・アヴィスが完成させたと言われる。 日本に伝わったのは、幕末に横浜で西洋菓子店を開いたサミュエル・ピエールが最初である。1896年には米津風月堂が販売している。一般に広まったのは冷蔵庫が普及する昭和30年代からである。[1]
種類
近年は大型のシュークリームも販売されている。また、表面にクッキー生地を使った「クッキーシュー」や、カスタードクリームの代わりに、小倉あん、チョコレート、ホイップクリームなどを入れた変わり種や、アイスクリームを詰めたシューアイスなども販売されている。
同じシュー生地から作るフランスの伝統菓子にエクレア、クロカンブッシュ、シューケットなどがある。
シュー生地を使った菓子として、白鳥型のスワン(シーニュ Cygne 仏)がある。又、自転車競技のパリ・ブレスト・パリの開催記念に創作された、パリ・ブレストは、自転車レースの記念品らしく、自転車の車輪を象り円環状に生地を仕上げ、その中にクリーム(アーモンドプラリネの粉砕-クラッシュ-を加えたバタークリームが多い)を詰めて仕上げる。