ゲーム差
ゲーム差(ゲームさ、GB: games behind/games back )は、リーグ戦等において、上位チームと下位チームがどの程度離れているかを表す指標。野球やバスケットボールのリーグ戦においてよく使用される。
算出方法
ゲーム差は、上位チームAに下位チームBが追いつくには直接対戦で最低何試合を要するか、を示すために用いられている。例えば、9勝5敗のチームBが10勝4敗のチームAに追いつくためには、直接対戦で1勝すれば、同じ10勝5敗で並ぶことになる。このとき、AとBの間のゲーム差は1であるが、勝利数と敗戦数の差数(差数が正 = 勝利数が上回っている場合は俗に「貯金」と言われ、差数が負 = 敗戦数が上回っている場合は俗に「借金」と言われる)に着目すると、Aの勝敗数の差数6に対しBの勝敗数の差数4と、両者の勝敗数の差数を比較すると2つの差がある。すなわち、1ゲーム差は両者の勝敗数の差数(貯金あるいは借金)の差を2で除して得られる数である。
これを数式に表すと次のとおりとなる。
- ゲーム差 = { ( 上位チームの勝数 - 上位チームの敗数 ) - ( 下位チームの勝数 - 下位チームの敗数 ) } / 2
報道におけるゲーム差の表示
アメリカでは、主に野球(大リーグやマイナーリーグ)、バスケットボール(NBA)でゲーム差が用いられる。アメリカの報道機関は、ゲーム差は常に首位とのゲーム差として表示する。
日本の報道機関がプロ野球の順位表を掲げるとき、大きく2つの方式が存在する。一つは首位チームを基準として、首位チームと各チームとの間のゲーム差を表示する方式(前述のアメリカ方式)で、もう一つは直近の上位チームとのゲーム差を表示する方式である。
前者の方式を採用している主な報道機関には、朝日新聞、日刊スポーツ、スポーツニッポン(東京・北海道・九州版)、スポーツ報知、サンケイスポーツ(東京版)、週刊ベースボール、日本テレビ、TBS、フジテレビ(プロ野球ニュース=CSや一部の中継では後者を使う場合がある)、テレビ朝日、テレビ東京、TOKYO MXなどがある。
後者の方式を採用している主な報道機関には、毎日新聞、読売新聞、産経新聞、日本経済新聞、サンスポとスポニチのそれぞれ大阪版、NHKなどがある。
記録
2位以下チームが1位チームから大逆転優勝した最大ゲーム差の事例として以下のものがある。
- 日本プロ野球の一軍 - 1963年のパシフィック・リーグに於いて西鉄ライオンズ(現:埼玉西武ライオンズ)が、南海ホークス(現:福岡ソフトバンクホークス)と最大14.5ゲーム差からの大逆転優勝。しかし、この年の日本シリーズでは読売ジャイアンツに敗退。
- 日本プロ野球の一軍に於けるセントラル・リーグ - 2008年のセントラル・リーグに於いて読売ジャイアンツが、阪神タイガースと最大13ゲーム差からの大逆転優勝(メークレジェンド)。しかし、この年の日本シリーズでは埼玉西武ライオンズに敗退。
- メジャーリーグベースボール - 1914年にボストン・ブレーブス(現:アトランタ・ブレーブス)が、ニューヨーク・ジャイアンツ(現:サンフランシスコ・ジャイアンツ)との最大15ゲーム差からの大逆転優勝。更にこの年のワールドシリーズでもフィラデルフィア・アスレチックス(現:オークランド・アスレチックス)を破り世界一。