キャタピラージャパン

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テンプレート:Infobox キャタピラージャパン株式会社 (Caterpillar Japan Ltd.) は、アメリカ合衆国の大手建設機械製造会社であるキャタピラーの日本における現地法人である。

概要

かつては、同社と三菱重工業との合弁による大手建設機械製造会社であった。三菱グループに属していたが、2008年平成20年)8月1日に、新キャタピラー三菱株式会社(しんキャタピラーみつびし、Shin Caterpillar Mitsubishi Ltd.)から現社名に変更した。2012年6月までにキャタピラー社が三菱重工業から全ての株式を取得し、完全子会社とすると共に合弁を解消した。

沿革

  • 1960年昭和35年) - 新三菱重工業(後の三菱重工)が建設機械に進出し、明石工場(後の明石製作所)を開設。油圧ショベルを国産化。
  • 1963年(昭和38年)11月4日 - キャタピラー三菱株式会社として発足。出資比率はキャタピラー:新三菱重工=50:50。
  • 1964年(昭和39年) - 新三菱重工、三菱造船、三菱日本重工業の三社が合併し、三菱重工業株式会社となる。
  • 1986年(昭和61年)10月 - 三菱重工が油圧ショベルの事業をエム・エイチ・アイ建機株式会社に営業譲渡し、明石製作所は同社に移管。
  • 1987年(昭和62年)7月 - キャタピラー三菱株式会社がエム・エイチ・アイ建機株式会社を吸収合併し、新キャタピラー三菱株式会社(以下、SCM)に社名変更。
  • 2001年平成13年) - 三菱重工の建設機械事業の大部分が移管。
  • 2007年(平成19年) - 社長が三菱重工からの出向である広瀬正典から、相模事業所出身の平野昭一に交代する。
  • 2008年(平成20年)3月26日 - 三菱重工が、保有するSCM株式の一部を2008年度前期までにキャタピラー社に譲渡し、出資比率を33 %に引き下げると発表[1](社長交代[2]や三菱重工出向者の出処進退についても検討[3])。
  • 2008年(平成20年)8月1日 - 新キャタピラー三菱株式会社からキャタピラージャパン株式会社に社名変更。グループ子会社各社も同時に社名変更。
  • 2012年(平成24年)3月1日 - 三菱重工が、保有するキャタピラージャパンの株式をすべてキャタピラー社に譲渡すると発表[4]

事業所

相模事業所(相模開発センター・SDC)

神奈川県相模原市中央区の相模事業所では、ホイールローダブルドーザー、ミニ油圧ショベルを製造。社内及びキャタピラーグループ向け油圧機器も製造している。国内・世界各地へ部品を供給する部品センターも設置されている。また、2003年(平成15年)に相模開発センター (Sagami Development Center) が設置され、ミニ油圧ショベル・ミニホイールローダの開発を担う世界的中核拠点となっている。

明石事業所(油圧ショベル開発本部・HEDC)

兵庫県明石市の明石事業所(旧三菱重工明石製作所)では、油圧ショベルとアスファルトフィニッシャ、環境リサイクル機器を生産。明石事業所の敷地内には油圧ショベル開発本部 (Hydraulic Excavator Development Center) が設置されており、キャタピラー社の米国国外で唯一の主要開発拠点としてCATブランドの油圧ショベル開発を担っている。また、主要部品を世界に供給しており、特に旋回ベアリングについては、全てのキャタピラー製品に導入されている。もとは新三菱重工神戸造船所建機専門工場としてスタートし、ここで国産初の油圧ショベル(ユンボ)Y35を生産している。

秩父デモセンター

埼玉県秩父市の山中に5年の歳月をかけて建設した本格的なデモンストレーション施設で、大型機械も含め50台を配し、100トン級トラックも運用でき、かつ整備工場や視聴覚室、ガラス張りの観覧席など、購入前に実際に機動している建機の姿を見ることが出来るキャタピラー社におけるアジア最大規模の研修施設となっている。

国内向け製品は、グループの販売会社を通じて販売されるが、海外向けの製品は、キャタピラー社の販売網を通じて販売される。

取扱製品

など

基本的にキャタピラーブランドのものを扱っているが、アスファルトフィニッシャー、モーターグレーダーなど一部製品では三菱ブランドのものも扱っている。小型ブルドーザー、ミニ油圧ショベルなども三菱ブランドであったが現在はなくなっている。

文化事業

また以前相模事業所では社会人野球チームを有していたが、都市対抗野球大会の南関東予選で敗退し本大会への出場は叶わなかった。

脚注

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関連項目

外部リンク

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  1. 三菱重、新キャタピラー三菱への出資比率を33%に引き下げ - ロイター、2008年3月6日
  2. キャタピラージャパンの初代社長は旧・新キャタピラー三菱社長の平野昭一。
  3. キャタピラー社が全株式を取得し完全子会社にすることも可能となっており、最終的には三菱重工業は両社に対するエンジン供給等の業務提携のみ継続の見込みである。
  4. テンプレート:Cite web