カリガネ

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カリガネ(雁金[1]学名Anser erythropus)は、カモ目カモ科マガン属に分類される鳥類。

分布

アルバニアアルメニアイラクイランインドウクライナウズベキスタンエストニアカザフスタンギリシャグルジアクロアチアシリアスウェーデンスロバキアスロベニアセルビア大韓民国チェコ中華人民共和国朝鮮民主主義人民共和国トルクメニスタン日本ノルウェーハンガリーフィンランドブルガリアボスニア・ヘルツェゴビナポーランドマケドニア共和国モンゴルモンテネグロラトビアリトアニアルーマニアロシア[a 1]

夏季にロシア北部やスカンジナビア半島で繁殖し、冬季にインド、中華人民共和国(黄河長江)、日本、ヨーロッパ東部、カスピ海黒海沿岸域などへ南下し越冬する[2][3][4][5]。日本には冬季に越冬のため主に伊豆沼に少数飛来する(冬鳥)[3][5]

形態

全長53-66センチメートル[3]。翼開張120-135センチメートル[3]体重2キログラム[2]。全身の羽衣は暗褐色[2][3]。額から頭頂にかけての羽衣は白い[2][3][5]。腹部に不規則な黒い横縞が入る[2]。尾羽基部を被う羽毛(上尾筒、下尾筒)の色彩は白い[2]。翼が長く、静止時には翼の先端が尾羽よりも後方に突出する[3][4][5]

眼瞼は黄色[2][3][4]。嘴は小型で短く[4]、色彩はピンク色[2][3][5]。後肢の色彩は橙色[3]

幼鳥は額の白色部や、腹面の横縞がない[3][5]

生態

湖沼水田などに生息する[3][5]マガンと混群を形成することもある[1][2][3]。和名のカリは鳴き声に由来し、元々はマガン属の構成種広範を指していた[1]

食性は植物食で、スゲなど)、木の葉などを食べる[2]

繁殖形態は卵生。ツンドラや森林ツンドラ境界線の地表に巣を作り、5-6月に1回に3-8個(平均5個)の卵を産む[2][4]。抱卵期間は約25日[4]。雛は孵化してから約35日で飛翔できるようになる[4]

人間との関係

開発による生息地の破壊、狩猟などにより生息数は減少している[2]。特にヨーロッパでは絶滅の危険性が高い[2][4]1981年にはスウェーデンとオランダ間の渡りを復活させるため、カオジロガンを仮親とした試みが進められ成果をあげている[2]。ハンガリーでの1950年代以前における越冬個体数は120,000羽以上、1980年代における越冬個体数は数千羽と推定されている[2]洞庭湖での1996年における越冬個体群は600羽と推定されている[2]

日本では1978年多摩動物公園が初めて飼育下繁殖に成功した[4]

関連項目

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参考文献

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外部リンク

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  1. 1.0 1.1 1.2 安部直哉 『山溪名前図鑑 野鳥の名前』、山と溪谷社2008年、299頁。
  2. 2.00 2.01 2.02 2.03 2.04 2.05 2.06 2.07 2.08 2.09 2.10 2.11 2.12 2.13 2.14 2.15 小原秀雄・浦本昌紀・太田英利・松井正文編著 『動物世界遺産 レッド・データ・アニマルズ1 ユーラシア、北アメリカ』、講談社2000年、75、183頁。
  3. 3.00 3.01 3.02 3.03 3.04 3.05 3.06 3.07 3.08 3.09 3.10 3.11 3.12 桐原政志 『日本の鳥550 水辺の鳥』、文一総合出版2000年、102頁。
  4. 4.0 4.1 4.2 4.3 4.4 4.5 4.6 4.7 4.8 黒田長久、森岡弘之監修 『世界の動物 分類と飼育 (ガンカモ目)』、財団法人東京動物園協会、1980年、26-27、119-125頁。
  5. 5.0 5.1 5.2 5.3 5.4 5.5 5.6 真木広造、大西敏一 『日本の野鳥590』、平凡社2000年、85頁。
  6. テンプレート:Cite web


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