アヤメ
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テンプレート:生物分類表 アヤメ(菖蒲、文目、綾目、学名:Iris sanguinea)はアヤメ科アヤメ属の多年草である。
概要
アヤメは多くが山野の草地に自生し、他のアヤメ属の種であるノハナショウブやカキツバタのように湿地に生えることは稀。葉は直立し高さ40~60cm程度。5月ごろに径8cmほどの紺色の花を1-3個付ける。外花被片(前面に垂れ下がった花びら)には網目模様があるのが特徴で、本種の和名のもとになる。花茎は分岐しない。北海道から九州まで分布する。
古くは「あやめ」の名はサトイモ科のショウブ(アヤメグサ)を指した語で、現在のアヤメは「はなあやめ」と呼ばれた。
アヤメ類の総称として、厳密なアヤメ以外の種別にあたる、ハナショウブやカキツバタを、アヤメと呼称する習慣が一般的に広まっている(施設名、創作物など)。
見分け方
堀切菖蒲園には、ハナショウブ・カキツバタ・アヤメ・稲妻の見分け方として、次の記述の掲示がある(2005年6月現在)。
種別 | 花の色 | 葉 | 花の特徴 | 適地 | 開花期 |
---|---|---|---|---|---|
アヤメ | 紫、まれに白 | 主脈不明瞭 | 網目模様 外側の花びらに黄色い模様がある |
乾いた所に育つ | 5月上旬から中旬 |
カキツバタ | 青紫のほか紫、白、紋など | 主脈細小 | 網目なし | 水中や湿った所に育つ | 5月中旬から下旬 |
ハナショウブ | 紅紫、紫、絞、覆輪など | 主脈太い | 網目なし 花の色はいろいろある |
湿ったところに育つ | 6月上旬から下旬 |
外花被片の模様での見分け方
種別 | 花の特徴 |
---|---|
アヤメ | 外花被片に網目模様がある |
カキツバタ | 外花被片に網目模様なし 外花被片に白い斑紋がある |
ハナショウブ | 外花被片に網目模様なし 外花被片に黄色い斑紋がある |
なお、「いずれがアヤメかカキツバタ」という慣用句がある。どれも素晴らしく優劣は付け難いという意味であるが、見分けがつきがたいという意味にも用いられる。
毒性
- 毒成分 イリジェニン、イリジン、テクトリジン
- 毒部位 全草、根茎、樹液
- 毒症状 皮膚炎、嘔吐、下痢、胃腸炎
自治体の花
- 市の花
- 町の花
アヤメで著名な場所
- あやめ公園(北海道岩見沢市、ハナショウブ・カキツバタと混植)
- 原生花園あやめヶ原(北海道厚岸町 注:「あやめヶ原」という名前ではあるが自生しているのは近縁種のヒオウギアヤメである。)
- 浅舞公園 (秋田県横横手市浅舞)
- 毛越寺(岩手県平泉町)
- 前川あやめ園(茨城県潮来市)
- 中沢池公園(東京都多摩市)
- あやめの里(神奈川県伊勢原市)
- いじみの公園あやめ園(新潟県新発田市)
- 櫛形山山頂(山梨県南アルプス市)
- 滝沢川河川敷公園(山梨県南アルプス市)
- 龍門渕公園(長野県安曇野市明科)
- あやめ公園池(長野県木曽郡木祖村)
- 野田山アヤメ園(長野県伊那市)
- 矢野温泉公園(広島県上下町)
- 戸畑あやめ公園(福岡県北九州市戸畑区)
著名なあやめ祭り
- 水郷潮来あやめまつり
- 水郷佐原あやめ祭り
- 新発田いじみのあやめ祭り
- 長井あやめ祭り