もう誰も愛さない
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:暴力的 テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『もう誰も愛さない』(もうだれもあいさない)は、1991年4月11日より6月27日まで毎週木曜日22:00 - 22:54に、フジテレビ系列の「木曜劇場」枠で放送されていた日本のテレビドラマ。主演は吉田栄作。
目次
概要
サスペンスのジャンルに入るドラマだが、1週でも見過ごしたらついて行けなくなるほどストーリー進行が早く、クライムサスペンスらしく先が読めないスリル満点の展開からホームドラマとの対比で「ジェットコースタードラマ」と命名された。
登場人物が毎回劇的な運命に翻弄され、登場人物のほとんどが終盤にかけて殺されたり、病気で死んでいくなどのシーンが多い。最終話で伊藤かずえ演じる弁護士・町田玲子が絞殺され、バラバラにされた死体がゴミ集積場に出されるシーンがあり、伊藤のファンからフジテレビに苦情の声が寄せられた。このシーンでの切断された生首のカットをはじめ、第11話で辰巳琢郎演じる米倉が王の手下に銃で撃たれ、死に際に吐血するシーンなどが再放送ではカットされていることがある。このため、再放送時には「作品中一部過激なシーンがあります」といったおことわりテロップが表示される場合がある。
社長を辞任後、ガソリンスタンドで働く卓也に町田弁護士が掛けた言葉が、職業蔑視ではないかという記事が、ガソリンスタンド関係者の冊子に掲載された事がある。
放送と同時期にメインライターである吉本昌弘による長編小説(上・下巻)がフジテレビ出版より発売されたが、小説は初期の構想をもとに執筆されているため、テレビドラマとは内容が若干異なる。
放送終了後にビデオ化が決定し、ビデオ店に告知ポスターも貼られたが直前に発売中止となった。2004年にDVD-BOXとして商品化された。
キャスト
主人公
- 沢村 卓也(樫村満)
- 演 - 吉田栄作
- 父、元春が逮捕され、母の雪子が自堕落な生活を送る様になった事から暗い少年時代を過ごす。東都銀行の運転手として働いていたが、父の弁護費用の為、宮本小百合と共謀。運命に巻き込まれていく。出生名は樫村満だったが、戸川の追求を逃れるため、元春と雪子によって「沢村卓也」と改名されていた。
宮本小百合とその関係者
- 宮本 小百合
- 演 - 田中美奈子
- 父を知らず、母、夕子にも捨てられ孤児院・聖ルシア青葉学園で育つ。愛人の米倉の援助で短大を卒業。彼の紹介で就職した東都銀行の同僚、田代美幸を妬み、罠に掛ける。相当な野心家で、美幸と報復合戦になるが、弥生との接触と子宮癌の発症を機に改心。母の死を知った後、父である元春と面会。孤児院で働く様になった矢先に死亡する。
- 沢村 元春
- 演 - 佐川満男
- かつて、戸川の命により義弟であり、共謀者でもある樫村健三を殺そうとしたことがある。そのショックで樫村の妻だった妹が自殺。身寄りをなくした甥を妻、雪子と共に引き取り改名の上、育てていた。のちに戸川の罠にはめられ、球界(黒い霧事件)の闇金疑惑を一人で背負い服役中。血縁的には小百合の実父であり、卓也の伯父となる。
田代家
- 田代 美幸
- 演 - 山口智子
- 大学卒業後、東都銀行に就職。家族に囲まれ、牧村との結婚を控え、幸せに暮らしていたが、卓也と小百合の罠にはまり米倉の金を横領した罪で逮捕。一旦は執行猶予がつくも、家族の焼死などの心因性ショックにより失明し、入院中に自分を流産させた男を刺殺し再び逮捕されてしまう。獄中で二人の陰謀を知り、出所後に王の協力で復讐を展開するが、刑務所で同室だった安代に諭され、正気を取り戻す。裏切りを知った王に狙われる中、卓也の子を命がけで出産。
- 田代 弥生
- 演 - 観月ありさ
- 美幸の妹。トラブルに巻き込まれ記憶障害を発症。姉の拘留中に家族が焼死した為、口封じの為に小百合に引き取られていた。小百合の優しさを理解している為、記憶を取り戻した事で、姉と小百合の対立に悩み、姉の仕向けた殺し屋に狙われた小百合を庇って撃たれ死亡。
- 田代 春樹
- 演 - 神田利則
- 美幸の弟。浪人していたが、受験と姉の事件でノイローゼになり自宅に放火し焼死。
- 田代 裕二
- 演 - 平野稔
- 美幸の父。卓也に騙されて白紙の委任状に捺印。米倉に財産を奪われた直後、春樹の放火で焼死。かつて樫村健三の命を助け、海外への逃亡を示唆した事がある。
- 田代 牧子
- 演 - 池田道枝
- 田代美幸の母。穏やかな性格だったが、春樹の放火で焼死。
不動産企業
- 米倉 俊樹
- 演 - 辰巳琢郎
- 不動産企業のオーナー社長だったが、愛人だった小百合に企業を乗っ取られ、婚約者だった亜紀とも破談。落ちぶれるも、新しい生活に適応してゆく。圭子とともに王の部下に殺されるが、死の直前にスイスの銀行の美幸の口座から奪った10億円を小百合の育った孤児院に振り込み、立ち退きの危機から救う。
- 水木 圭子
- 演 - かとうれいこ
- 米倉の経営していた企業の受付嬢。バーで出会った林を利用し、美幸のスイスの銀行の貸し金庫の鍵を奪い、米倉と金を引き出した直後、王の部下に殺される。思慮が浅く、欲深い面も見られるが、落ちぶれた米倉を最後まで見放さなかった。
戸川とその関係者
- 戸川 啓介
- 演 - 仲谷昇
- 財界の大物。冷酷な性格で様々な悪事に荷担していたが少々、好色家でもある。最終的に脳梗塞に倒れて、下半身不随に陥る(ノベライズ版では死亡している)。
- 戸川 亜紀
- 演 - 荒井乃梨子
- 啓介の娘(母は父の愛人だった様子)。米倉と婚約していたが、接近して来た卓也に心惹かれ結婚。しかし出所した美幸の陰謀により、離婚に追い込まれる。卓也の元へ押し掛けたり、職を紹介した事もあるが、想いを断ち切った後、脳梗塞で倒れた父を介護する様になる。穏やかで芯が強い。愛車はプジョー205。
- 町田 玲子
- 演 - 伊藤かずえ
- 弁護士。大学生の頃から戸川の愛人だった。冷酷な性格で、金のためなら何でもする。戸川を裏切り、樫村から200億円をゆすろうとした為、殺害後にバラバラにされる。
西条家
- 西条 安代
- 演 - 江波杏子
- かつて愛した男への殺人罪で、美幸と同室に服役していた受刑者。ボス格で美幸に辛く当たりもしたが、出所後に再会。復讐の鬼と化した美幸を諭したり、王に暗殺されそうになった時に匿うなど、味方となってゆく。息子を預けている聖ルシア青葉学園に罪滅ぼしとして寄付している。ノベライズ版では出所後、居酒屋を経営し、産気づいた美幸を受け入れている。
- 西条 健二
- 演 - 反田孝幸
- 安代の息子で小学生。母が父を殺害した事から、聖ルシア青葉学園に預けられる。面倒見が良く、年下の子供達の世話をしていた。医師との養子縁組の話が浮上するが、小百合に諭された母と暮らし始めた様子。
聖ルチア青葉学園
ブルース・コーポレーション
- 王 小龍(樫村健三)
- 演 - 伊武雅刀
- 香港の大会社、ブルース・コーポレーションの社長。かつて田代裕二に命を助けてもらったとして出所後の美幸を援助するが、真の目的は戸川への復讐だった。のちに美幸が会社の金を横領していたことを知り、美幸を暗殺するように画策する。卓也の実父。
- 林 洋二
- 演 - 山口健次
- ブルースコーポレーションの社員で、美幸の忠実な部下。美幸を愛し、再三忠告もしたが受け入れられず、叱責とビンタの末に解雇される。その後美幸の自宅に忍び込み、隠してあったスイスの銀行の貸し金庫の鍵を複製する。のちに牧村に殺されてしまう。
- 山本
- 演 - 菊池孝典
- 王の部下。
その他
- 牧村 通
- 演 - 薬丸裕英
- 美幸の婚約者でエリート証券マンだったが、美幸から婚約破棄を宣言されたことから転落。その後も美幸に復縁を迫ってゆく。偏執狂的な面が見られるが、美幸への愛は本物。
- 陳
- 演 - 垂木勉
スタッフ
- 企画 - 宅間秋史、清水賢治
- 脚本 - 吉本昌弘、中山乃莉子、林誠人
- 音楽 - 岩崎大輔
- 演出 - 楠田泰之、赤羽博、中島悟
- 主題歌 - ビリー・ヒューズ「Welcome to the Edge(とどかぬ想い)」
- 挿入歌 - ランディー・クロフォード「スウィート・ラブ」
- 技術協力 - 東通、渋谷ビデオスタジオ
- 美術協力 - フジアール
- プロデュース - 阿部祐三、和田豊彦
- 制作 - フジテレビ、AVEC
放送日程
各話 | 放送日 | サブタイトル | 脚本 | 演出 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
第1話 | 1991年4月11日 | 会いたい | 吉本昌弘 | 楠田義之 | 18.2% |
第2話 | 1991年4月18日 | 偽りの愛 | 17.6% | ||
第3話 | 1991年4月25日 | キスして | 中山乃莉子 | 赤羽博 | 15.5% |
第4話 | 1991年5月テンプレート:02日 | 会えない | 吉本昌弘 | 17.0% | |
第5話 | 1991年5月テンプレート:09日 | 復讐の女 | 楠田泰之 | 18.1% | |
第6話 | 1991年5月16日 | 禁断の愛 | 林誠人 | 18.5% | |
第7話 | 1991年5月23日 | 愛の償い | 中山乃莉子 | 赤羽博 | 18.9% |
第8話 | 1991年5月30日 | 抱かれる | 吉本昌弘 | 21.5% | |
第9話 | 1991年6月テンプレート:06日 | 死の抱擁 | 楠田泰之 | 20.6% | |
第10話 | 1991年6月13日 | 運命の鍵 | 中島悟 | 22.4% | |
第11話 | 1991年6月20日 | 偽りの結婚 | 赤羽博 | 21.7% | |
最終話 | 1991年6月27日 | 永遠の愛 | 23.8% | ||
平均視聴率 19.5%(視聴率は関東地区・ビデオリサーチ社調べ) |
エピソード
この番組終了後、日本テレビが同様のコンセプトのテレビドラマとして『愛さずにいられない』を放映した。本家と同じく、吉田栄作主演・アベクカンパニー製作・ジェットコースター的展開であることからパクリ企画だと話題になった。当時の『読売新聞』の記事には、「同じスタッフ・コンセプトで正反対の内容の作品を」との目的で企画されたとあった。
卓也が叫ぶシーンが吉田栄作の代名詞となり、現在も過去の吉田栄作を振り返る時には頻繁に使用される。
パロディ
この番組終了後、『とんねるずのみなさんのおかげです』のなかでパロディコント「もう誰も愛さない2」が薬丸・観月をゲストに放送された。第1話から中盤をモチーフに3話オムニバスで構成されたコントで、沢村役の石橋貴明と薬丸のやり取り等ギャグが満載だった。最後は、石橋が観月に「出してくれねぇ〜だからよ〜」と拳銃で撃たれるオチだった。コントのオープニングもギャク満載で、田代役の渡辺満里奈が山崎製パンの食パン「ダブルソフト」(当時、実際のドラマで田代役だった山口智子がCMキャラクターを務めていた)をかじるシーンも含まれていた。スタッフロールは早送りだったが、番組を録画して遅く再生すれば明確に確認できた。