ホウレンソウ

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ファイル:Hourensougomaae001.jpg
調理例:ホウレンソウのゴマあえ
テンプレート:栄養価
ホウレンソウ(100g中)の主な脂肪酸の種類[3]
項目 分量(g)
脂肪 0.39
飽和脂肪酸 0.063
16:0(パルミチン酸 0.049
一価不飽和脂肪酸 0.01
多価不飽和脂肪酸 0.165
18:2(リノール酸 0.026
18:3(α-リノレン酸 0.138
100g中の食物繊維[4]
項目 分量
炭水化物 3.1 g
食物繊維総量 2.8 g
水溶性食物繊維 0.7 g
不溶性食物繊維 2.1 g

ホウレンソウ(菠薐草、学名:Spinacia oleracea)は、ヒユ科アカザ亜科ホウレンソウ属野菜雌雄異株ほうれん草とも表記される。高温下では生殖生長に傾きやすくなるため、冷涼な地域もしくは冷涼な季節に栽培されることが多い。冷え込むと軟らかくなり、味がよりよくなる。

歴史

ホウレンソウの原産地は、中央アジアから西アジアで、初めて栽培されたのはアジア、おそらくはペルシア地方(現在のイラン)だったと考えられている。ヨーロッパには中世末期にアラブから持ち込まれ、他の葉菜類を凌いで一般的になった。東アジアにはシルクロードを通って広まり、中国には7世紀頃、日本には江戸時代初期(17世紀)頃に渡来した。伊達政宗もホウレンソウを食べたという。

利用方法

ルッコラオランダガラシなどと共にサラダに使われる。

栽培

ホウレンソウの種子は外殻に包まれており、そのままでは発芽率が悪いことから、経済的な栽培にはネーキッド種子と呼ばれる裸種子が用いられる。種子はテープシーダー等に封入され、圃場に播かれる。子葉展開後本葉が展開し、葉伸長2〜30cmの頃に収穫期を迎える。

ホウレンソウはビニールハウスでも育てることが出来る。日本で比較的に栽培が多い産地は千葉県埼玉県である。年間約30万t生産されており、生ものはほぼ全部を自給しているが、冷凍ものが約2万t輸入されている。

ホウレンソウがおいしくなる時期は冬である。収穫前に冷温にさらすこともしばしば行われ、これらの処理は「寒締め(かんじめ)」と呼ばれている。これは東北農業試験場(現在の東北農業研究センター)が確立した栽培方法である[5]。ホウレンソウが収穫可能な大きさに育ったら、ハウスの両袖や出入り口を開放し、冷たい外気が自由に吹き抜けるようにする。このまま昼夜構わず放置する。ホウレンソウは約5℃を下回ると伸長を停める。収穫作業に追われることがないため、高齢者や女性の農家に好評。寒締めを行ったホウレンソウは、低温ストレスにより糖度の上昇、ビタミンCビタミンEβカロチンの濃度の上昇が起こる。

品種

日本では西洋種(葉が厚く丸みを帯びている)と東洋種(葉が薄く切り込みが多い。また、根元が赤い)の2種類が栽培されてきた。しかし、最近は両者の間の一代雑種品種(丸葉系・剣葉系)が開発されて、広く普及するようになった。お浸しむきは東洋種、ソテー向きは西洋種。その他に、サラダ用ほうれん草や、サボイほうれん草などもある。

栄養

ビタミンA葉酸が豊富なことで知られる。ルテインというカロテノイドを多く含む。おひたし、胡麻和え、バター炒めなど様々な形で調理される。調理するとかさが3/4程度に減る。

ホウレンソウは緑黄色野菜の中では鉄分が多い方であるが、コマツナよりは少ない。ただし葉酸は鉄分の吸収を促進するため、葉酸が鉄分と共に豊富なホウレンソウを食べれば、他の「鉄分は豊富だが葉酸がホウレンソウより豊富でない緑黄色野菜」を食べた場合よりも実際に摂取出来る鉄分が多くなるので、ホウレンソウを食べる事が効率のよい鉄分摂取に繋がり、ひいては貧血予防に繋がる事は確かである。

ホウレンソウにはシュウ酸が多く含まれており、度を越えて多量に摂取し続けた場合、カルシウムの吸収を阻害したり、シュウ酸が体内でカルシウムと結合し腎臓や尿路にシュウ酸カルシウムの結石を引き起こすことがある。シュウ酸摂取量を低減したい場合は、削り節牛乳などカルシウムを多く含む食品と同時に摂取し難溶解性のシュウ酸カルシウムに結合させてシュウ酸が体内に吸収されにくくするか、多量の水で茹でこぼす(茹でるとシュウ酸が茹で汁に溶け出す)など生食を避け調理法を工夫する事が要される。

ホウレンソウのスピナコシド(spinacoside)類とバセラサポニン(basellasaponin)類には小腸でのグルコースの吸収抑制等による血糖値上昇抑制活性が認められた[6]テンプレート:Main

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外部リンク

脚注

テンプレート:Reflist

テンプレート:Sisterテンプレート:Link GA
  1. http://www.nal.usda.gov/fnic/foodcomp/search/
  2. 『タンパク質・アミノ酸の必要量 WHO/FAO/UNU合同専門協議会報告』日本アミノ酸学会監訳、医歯薬出版、2009年5月。ISBN 978-4263705681 邦訳元 Protein and amino acid requirements in human nutrition, Report of a Joint WHO/FAO/UNU Expert Consultation, 2007
  3. USDA National Nutrient Database
  4. 五訂増補日本食品標準成分表
  5. 真冬の寒さを活用した寒じめ菜っぱの栽培マニュアル
  6. 薬用食物の糖尿病予防成分 -医食同源の観点から-、吉川雅之、化学と生物Vol.40、No.3、2002