小島秀夫 (ゲームデザイナー)
テンプレート:存命人物の出典明記 テンプレート:Infobox 芸術家 小島 秀夫(こじま ひでお、1963年(昭和38年)8月24日 - )はゲームデザイナー、コナミデジタルエンタテインメント執行役員副社長、開発チーム小島プロダクション監督。
目次
経歴
学生時代
1963年東京都世田谷区に生まれ、父親の仕事の都合で神奈川県茅ヶ崎市、大阪府茨木市、兵庫県川西市に移り住んだ。小学生の頃に『刑事コロンボ』のノベライズに熱中し、以後ミステリー小説、SF、冒険小説などを愛読するようになる。それと共に、自ら小説を書くことも始めた。
また、映画好きだった父親の影響で映画作家という職に憧れを抱き、中学から高校まで友人と自主映画の制作を行っていた。そのため芸術大学への進学を希望していたが、既に父親が他界(小島が中学2年生の頃)していた家庭の事情により、断念。普通大学の経済学部に進学する[1]。なお小島は出身大学を明かしていない[2]。
1980年代
大学3年のときにアーケードゲームに傾倒し、当時『イーアルカンフー』など風変わりなゲームを出していたコナミに興味を持ち、1986年に同社の神戸オフィスに入社した[3]。入社後、MSXの部門に配属されたが、小島はファミコンのソフトが作りたいという思いがあったために会社を辞めようと考えていた時期があった。
さらにファミコンより制約が多いMSXでいかにアイディアとセンスで勝てるか苦悩の日々が続いた。その制約の中で生まれたのが1987年に発売されたMSX2用ソフト『メタルギア』であった。当時、アーケードゲームで人気のあった戦争ゲームを作ってみろ、と言われたが多くの弾丸やキャラクターを表示させることはMSXの性能では不十分であった。そこで、弾や敵をあまり出させずに敵地にこっそりと潜入して進んでいく、という逆転的な発想をコンセプトにしたゲームであった[4]。この斬新性とストーリーの完成度の高さからMSXのソフトとして大きな成功を収めた。
1988年にアドベンチャーゲームである『スナッチャー』が発売された。小島の作品の特徴となる、ゲームに映画のような手法を取り入れた初めての作品となった。1990年にはメタルギアの続編にあたる『メタルギア2 ソリッドスネーク』が発売された。コナミ最後のMSX2向けのソフトであり、『メタルギアシリーズ』はいったんここで終結した。
1990年代
1994年には『スナッチャー』で使われていた映画的手法をさらに発展させた『ポリスノーツ』が発売され、高い評価を得る。
1995年にコナミの分社化に伴いコナミコンピュータエンタテインメント大阪(後のコナミコンピュータエンタテインメントスタジオ)の開発第5部の部長になり、翌年に開発第5部がコナミコンピュータエンタテインメントジャパンとして独立、東京に開発拠点を置いた。
1998年には『メタルギアシリーズ』の復興として、プレイステーションの能力を生かして制作された『メタルギアソリッド』が発売された。『メタルギアソリッド』は旧来の『メタルギア』のプレイヤーのみならず新たな層も開拓し、さらにアメリカ合衆国では日本でのセールスを大きく上回りダブルミリオンを達成するほどの人気が出ており、全世界で約660万本を売上げる大ヒットとなった[5]。
2000年代
2001年にはロボットアクションゲームである『ZONE OF THE ENDERS Z.O.E』と、『メタルギアソリッド』の続編である『メタルギアソリッド2』をリリースした。『メタルギアソリッド2』及び前作のヒット受けて、2001年12月24日発売のアメリカの「ニューズウィーク」誌で「未来を切り開く10人」に日本人として唯一選ばれた[6]。
2004年には『メタルギアソリッド3』をリリース。G4Tech TV主催「G-Phoria」特別功労賞 (Legend Award) を受賞した[7]。
2005年4月にコナミの再編によりコナミコンピュータエンタテインメントジャパンがコナミに吸収合併され、同年5月に自身の開発チームである小島プロダクションが発足した[8]。同年12月19日、小島プロダクションの公式サイト内のブログ『HIDEO BLOG』内でネットラジオ『HIDECHAN!』を配信開始[9]。同月28日から『HIDECHAN! ラジオ』へと移行した[10]。小島プロスタッフや『メタルギアソリッド』シリーズゆかりの声優などを招きトークを展開、パーソナリティーとしての側面も見せる。
2006年にコナミが持株会社へ移行[11]。それに伴い、新設子会社であるコナミデジタルエンタテインメントに移籍、同時に執行役員クリエイティブオフィサーに就任する[12]。同年の10月23日に全米プロデューサー組合が決める「世界で最も革新的なプロデューサー、クリエイター 50人」の1人に選出された[13]。
2008年6月、PS3専用ゲームソフトとして『メタルギアソリッド4』を全世界同時発売[14]。
2009年3月、GDC 2009に招かれ、『ソリッドゲームデザイン:『不可能』を可能にする(Solid Game Design: Making the 'Impossible' Possible)』と題した基調講演を行う[15]。同講演の中で、『MISSION:The NEXT MGS』の文字とともに、刀を持った男(後の週刊ファミ通におけるインタビューで雷電であると公言[16])が描かれたロゴを発表し、「新しいミッション『The NEXT MGS』に挑みたい」というコメントを残す[17]。
2009年4月、コナミデジタルエンタテインメントの専務執行役員に就任[18]。
2009年6月2日・3日、E3 2009において、『メタルギアシリーズ』の新作として、Xbox 360・PS3・PC向けに『METAL GEAR SOLID RISING』、PSP向けに『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』、アーケード向けに『METAL GEAR ARCADE』の三作品を制作すること、またPS3 / Xbox 360向けアクションゲーム『Castlevania -Loads of Shadow-』(悪魔城ドラキュラシリーズの新作)を小島プロダクションがプロデュースすることをそれぞれ発表した[19]。
2010年代
2011年4月、コナミデジタルエンタテインメントの執行役員副社長に昇任した[20]。
制作スタイル
ゲームジャンルとしてはアクションゲームやアドベンチャーゲームが好きだが、いわゆる「ファーストパーソン・シューティングゲーム」は好きではなく、画面にキャラクターが映る三人称視点のゲーム「サードパーソン・シューティングゲーム」が好みとのこと。また開発の際には「自分が遊びたいゲーム」を作ることにこだわっているとインタビューで語っている[21]。
自身の仕事はゲームだからできると発言している。「映画や小説をやりたかったが、そうなると完成させる自信はない。 際限なく改良を加え続けると思う。ゲームはプレイヤーが介入して始めて完成するインタラクティブなもの。(多岐な可能性を残せるという意味で)こだわっても仕方がない部分がある」と語っている[22]。
『メタルギアシリーズ』のソリッド・スネークはキャラクター性を持たせないように創っていたと語っている。『MGS』でキャラクター性が付いてしまったので『MGS2』で雷電を新しい主人公にして、スネークを客観的に観られるようにしたと発言している。
逸話
自分の作るゲームはその内容や意味をきちんと理解してくれるプレイヤーに向けて作っているとし、2004年の東京ゲームショウでは、冗談交じりとはいえ「ライトユーザーなど死んでしまえ!」との過激な発言を行い、物議を醸したこともある。
『メタルギアシリーズ』を長年作り続けた為か、正統続編(ナンバリングタイトル)を出すたびに「これでストーリーは完結」「次は作らない」と幾度も発言している。最新作の『メタルギアソリッド4』を「私が監督・プロデュースする最後の『MGS』」という発表をし、発売後は『メタルギアシリーズ』を、次世代のクリエイターに託す事を宣言した。 しかし、E3 2009で発表された最新作2作のうち、PSP向けに開発されているという『METAL GEAR SOLID PEACE WALKER』については、小島自身が再び監督すると公言し、公式ページにも明記している。
飛行機の中で眠れない体質。そのため、飛行機での長距離移動の際は、読書や機内放送の映画を見て時間を潰している(HIDEOBLOGより)。好物はコーヒー。毎日のようにコーヒーを飲んでいるという。だが、砂糖を入れて飲むことはなく、クリームのみらしい。逆に嫌いな食べ物は、エビ・カニ[23]。
小島だけがゲーム業界で「監督」と呼ばれることへの回答として、「映画監督と同じであり、ゲームを監督しているから。」、「外国でディレクター(=監督)って何?と聞かれることはない。」と説明している[24]。
前に、J.J.エイブラムスとの対談の際、J.J.に「彼(小島監督)は天才だよ!」といわれ終始 大盛り上がりの対談となった。
MGS4の制作の際、音響の一部をジョージ・ルーカスがやっているスカイウォーカーランチに依頼した時、3日しか期限がないなか普通に終わらせたくなかったため2日目に書き換えを含めたリテイクを出しまくり、音響担当のクリストファー・ボイズ(オスカー受賞4回、アカデミー賞ノミネート10回という経歴を持つ。 代表作『タイタニック』『パールハーバー』『パイレーツオブカリビアン』『ロードオブザリング』『アバター』など)を驚かせたがしっかりと予定どおり撮り終え最後には打ち上げの際、10年後について語り合い、良い雰囲気のなか幕を閉じた。
業界内親交
桜井政博をはじめとして、ゲーム業界やその他の業界にも多くの友人がいる。なお、小島本人の希望により、『大乱闘スマッシュブラザーズX』にはソリッド・スネークがゲスト出演した。須田剛一とは自身のラジオ番組[25]で洋楽について、深い造詣を見せたトークを交えている。須田を介して知り合った志倉千代丸と須田の3人でアドベンチャーゲームの開発を目論んでいる。
また同ラジオにおいて、自らがゲームクリエイターとなるきっかけとなった作品に『スーパーマリオブラザーズ』と『ポートピア連続殺人事件』を挙げ、宮本茂と堀井雄二を師匠、目標として尊敬する旨を度々公言している[2]。また宮本のみ、彼を公の場で共演する際にも呼び捨てにしている様子が見られるテンプレート:要出典[26]。
最近ではハリウッドの有名監督との交友があり、2014年のE3で発表された、MGSVに関するトレーラーには、アヴィ・アラッド、映画プロデューサー:『アメイジング・スパイダーマン』『X-MEN』ギレルモ・デル・トロ、映画監督:『パンズ・ラビリンス』『パシフィック・リム』また俳優からはキーファー・サザーランド俳優:『24 -TWENTY FOUR-』『METAL GEAR SOLID V』ほか海外の著名人から数多くのコメントが寄せられている
作品一覧
- 夢大陸アドベンチャー(1986年)*企画サポートのみ。
- メタルギアシリーズ
- メタルギア(1987年)*監督デビュー作
- メタルギア2 ソリッドスネーク(1990年)
- メタルギアソリッド(1998年)
- メタルギアソリッド2 サンズ・オブ・リバティ(2001年)
- メタルギアソリッド ザ・ツインスネークス(2004年)
- メタルギアソリッド3 スネークイーター(2004年)
- メタルギアソリッド ポータブル・オプス(2006年)
- メタルギアソリッド ポータブル・オプス+(2007年)
- メタルギアソリッド4 ガンズ・オブ・ザ・パトリオット(2008年)
- メタルギアソリッド ピースウォーカー(2010年)
- メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ(2014年)
- メタルギアソリッドV ザ・ファントムペイン(発売日未定)
- スナッチャー(1988年)
- ポリスノーツ(1994年)
- ときめきメモリアルドラマシリーズ
- 虹色の青春(1997年)
- 彩のラブソング(1998年)
- 旅立ちの詩(1999年)
- ボクらの太陽シリーズ
- ボクらの太陽(2003年)
- 続・ボクらの太陽 太陽少年ジャンゴ(2004年)
- 新・ボクらの太陽 逆襲のサバタ(2005年)
- ボクらの太陽 Django&Sabata(2006年)
- ZONE OF THE ENDERSシリーズ
- ZONE OF THE ENDERS(2001年)
- ANUBIS ZONE OF THE ENDERS(2003年)
著書
- ゲームデザイナー小島秀夫の視点(2007年、幻冬舎)
- 僕の体の70%は映画でできている―小島秀夫を創った映画群(2008年、ソニーマガジンズ)
- 僕が愛したMEMEたちーいま必要なのは、人にエネルギーを与える物語(ミーム)(2013年、メディアファクトリー)
命名
出演
- コジマ・ステーション『コジステ』 - メインパーソナリティ
- ゲームセンターCX - 過去に3回登場。
- NNNドキュメント - 地上波初登場した番組で、「ゲーム内の死」と「相次ぐ若年層の事件」についての対談をした。
- 時代の響き - 第32回「ゲームデザイナー・監督 小島秀夫」
- あずみ - エキストラ
- Mega64
- 杉田智和のアニゲラ!ディドゥーーン #30(2010年5月20日)
ゲーム
- ポリスノーツ - AP隊員2
- ユーラシアエクスプレス殺人事件 - 旅行者
- es - 研究員・佐竹
- メタルギアソリッド - セーブデータが読まれるイベントがあるサイコマンティス戦でメモリーカード(スロット問わず)「ポリスノーツ」と「スナッチャー」の両セーブデータがあると小島秀夫本人の肉声に変わる。
- メタルギアソリッド3 オンライン - サービス終了1時間前から、兵士全員の声が小島秀夫のものとなった。
- メタルギアソリッド4 - ミズーリクルー及び天の声
- メタルギアソリッド ピースウォーカー - ピューパ戦の前にあるトラックを調べると、「HIDEO」という名前の兵士が仲間になる。その際、スネークが「監督!?」と呟く。
- メタルギアソリッドV グラウンド・ゼロズ - ミッション「諜報員奪還」で諜報員役として登場。ミッションのクリアランクによって「遅かったじゃないか」や「完璧やんか」などのセリフをムービー中に言う。また、ミッション「デジャヴュ」でも条件を満たすと無線でお礼の言葉が聞ける。
- キャッスルヴァニア ロード オブ シャドウ - チュパカブラ
ラジオ
- ヒデラジ - メインパーソナリティ
- スダッチャー - リトル・ジョン役
- カズヒラ・ミラーの「カズラジ。」 - ゲスト出演(#6、#10、#11、#17、#24)