契約
契約(けいやく)は、一定の当事者間において締結される法律上の拘束力を持つ合意をいう。
目次
私法上の契約
私法上の契約とは、相対立する意思表示の合致によって成立する法律行為である。
契約の定義
狭義には、義務(債務)の発生を目的とする合意(債権契約:英contract、仏contrat)のみを指し、広義には(義務の発生以外の)権利の変動(物権変動又は準物権変動)を目的とする合意(物権契約及び準物権契約)を含み(仏:convention)、さらには婚姻や養子縁組といった身分関係の設定や変更を目的とする合意(身分契約)をも含む[2][3]。異なる利益状況にある者が相互の利益を図る目的で一定の給付をする合意をした場合にそれを法的な強制力により保護するための制度である。
「契約」は狭義には債権契約のみを指し、広義には物権契約及び準物権契約を含むが、ドイツ民法やフランス民法が一般に広義の意味の契約を指しているのに対し、日本民法の「契約」は一般には狭義の意味で用いられている[2]。債権契約とは、一定の債権関係の発生を目的として複数の当事者の合意によって成立する法律行為を意味する[2]。
日本法においても民法の契約に関する規定は物権契約・準物権契約に準用すべきとされる[2]。
なお、英米法の契約の概念については、大陸法における契約の概念と多少異なる特徴を有する。
契約の機能
人間は集団社会を形成する生き物であり、歴史の中で人間関係においては合意はもっとも尊重されなければならないとする契約遵守の原則が確立されてきた[4]。
契約の拘束力は前近代の社会から認められてきたが、それは身分的覊束関係と密接に結びついたものであった[4]。しかし、近代社会においては、人間は自由で平等な法的主体であり、その自由な意思に基づいてのみ権利の取得と義務の負担が認められるべきであると考えられるようになった[4]。これを表現する語として、イギリスの法制史家であるメーン(Maine)の「身分から契約へ」がある[5]。
法的には資本主義経済の下での社会は、貨幣経済が高度に発達し、商品流通過程においては売買契約、資本生産過程においては雇用契約(労働契約)の二つの契約が中核をなし、このほか他人の所有する不動産を生産手段として利用するための賃貸借契約、資本調達のための金銭消費貸借契約なとが重要な機能を果たしている[6][7]。
近代以後、自由な意思に基づいて締結されている以上は、人と人との合意はいかなる内容であっても絶対的なものであるとの契約至上主義がみられるようになったが、一方で契約当事者が対等な地位でない場合については不合理な内容の契約が締結されるといった点が問題化し、現代では著しく社会的妥当性・合理性を失する契約は公序良俗違反あるいは強行法規違反として拘束力が否定されたり、事情変更の原則などによって是正を受けるに至っている[8]。
契約自由の原則
意義
契約自由の原則とは、私的生活関係は自由で独立した法的主体である個人によって形成されるべきであり、国家が干渉すべきではなく個人の意思を尊重させるべきであるという私的自治の原則から派生する原則をいう[9]。この原則は、「レッセ・フェール」の思想の法的な表れとして意味をもつとされる[10]。
なお、契約法の規定は基本的には契約自由の原則が妥当することから、原則的に強行法規ではなく任意法規とされる[11]。
内容
- 契約締結の自由
- 契約を締結するか否かを選択する自由であり、契約締結の自由は申込みの自由と承諾の自由に分けられる[12]。
- 相手方選択の自由
- 契約内容決定の自由
- どのような内容の契約を締結してもよいという自由である[14]。
- 契約方式の自由
修正
資本主義の発展とともに社会的な格差が大きくなると、国家によって契約自由の原則の修正が図られるようになった[16]。
- 契約締結の自由の制限
- 公共的事業や独占的事業などにおいては契約締結の自由が制限される(締約強制・締結強制・契約強制)[16][17]。締結の自由には種々の制限があり[18]、日本法における契約締結の自由の制限は次のようなものがある。
- 承諾の制限
- 公法的制限
- 電気・ガス等の事業者には供給義務(電気事業法18条、ガス事業法16条、熱供給事業法13条、石油パイプライン事業法22条)、道路運送や海上運送の事業者には引受義務が定められており(道路運送法13条、海上運送法12条)、いずれも承諾の自由が制限されている。
- 公共的制限
- 公益的制限
- 私法的制限
- 申込みの制限
- 契約の相手方として特定の者を排斥することが許されない場合(労働組合から脱退することを雇用条件とすることを不当労働行為として禁じた労働組合法7条1項など)と契約の相手方として特定の者のみが許される場合がある(労働組合法7条1項のクローズド・ショップなど)[19]。
- なお、契約締結の自由の制限は必然的に相手方選択の自由の制限を伴うことになる[16]。
- 相手方の選択自由の制限
- 採用において労働組合の組合員であることを要件とする労働組合法のクローズド・ショップ(労働組合法7条1項)などがこれにあたる。
- 契約内容決定の自由の制限
- 契約内容決定の自由の制限としては、次のようなものがある。
- 付合契約
- 付合契約(付従契約)とは、電気・ガスの供給契約、保険契約や預金契約のように、契約当事者の一方によってあらかじめ作成した約款を用い、他方はそれ以外に契約内容を選択する自由をもたず締結される契約である。現代では契約当事者のうち経済的に優位に立つ側が一方的に契約条項を作成する付合契約が発達している[20]。
- 経済的弱者の保護
- 契約方式の自由の制限
- 契約方式の自由にも制限がある。例えば、贈与契約は日本法では諾成契約であるが、諸外国では要式契約とされることが多く、ドイツ民法やフランス民法では公正証書が必要とされる[22]。日本法でも、農地又は採草放牧地の賃貸借契約については書面によらねばならないとされている(農地法21条)など、一定の方式を要する契約が存在し、また、大量化・複雑化する商取引においては取引関係を明確化・迅速化するため商法上に例外が設けられている[23][16]。要物契約は物の引渡しを要する契約で合意だけでは成立しない点で、契約方式の自由を制限するものとなるが、これらの契約が要物契約とされるのは沿革上の理由による[24]。日本法では使用貸借・消費貸借・寄託が要物契約とされ、この3種類の契約はドイツ民法やフランス民法においても要物契約であるが、スイス民法では要物契約とされていない(スイス民法では現実贈与のみが要物契約とされている)[25]。
契約の種類
典型契約・非典型契約
- 典型契約
- 民法典の規定する契約類型、すなわち日本法においては、贈与、売買、交換、消費貸借、使用貸借、賃貸借、雇用(雇傭)、請負、委任、寄託、組合、終身定期金、和解の13種類の契約をいう[26][27]。有名契約ともいう[27]。典型契約は広義には商法典の規定する契約類型、すなわち日本法においては、商法第2編商行為に規定する9種類の契約である商事売買(売買)、交互計算、匿名組合、仲立営業、問屋営業、運送取扱営業、運送営業、商事寄託(寄託)、保険をも含む[28]。典型契約については民法と商法で二元的に定める法制(フランス民法やドイツ民法)と、まとめて一元的に定める法制(スイス民法)とがあるが、日本では前者の法制をとる[28]。
- 典型契約の種類は各国ごとに異なっており、例えばフランス民法は典型契約として売買、交換、賃貸借、会社、貸借、寄託、係争物寄託、射倖契約、委託、保証、和解の11種類を規定する[29]。
- 契約自由の原則により基本的に契約の内容や効果は当事者間で自由に定めうるにもかかわらず、法律で典型契約を規定する意味は、同時代の社会においては契約類型がほぼ一定しており、また、当事者意思が不明確な場合に契約解釈の標準とするためである[30]。
- 非典型契約
- 具体的な契約について、全体的にも部分的にも契約の定型(典型契約)に適合しない契約[31]。日本では、出版契約などがこれにあたる[32][31]。無名契約ともいう[33]。
- 混合契約
- 具体的契約について、それに含まれる要素を個別的にみると契約の定型(典型契約)に属しているとみられるものの、全体的にみるとそれが相互に結びついており当事者が一体的なものとしてみている契約[34]。混合典型契約[34]、混成契約[35]ともいう。製造物供給契約がこれにあたる(請負と売買の混合契約)[36]。なお、契約自由の原則から、基本的には契約の内容や効果は当事者間で自由に定めうるとされ[30]、混合契約についても当事者の真意や慣行を考慮して合理的な解釈を行うべきで典型契約の規定を機械的に適用すべきでないとされる[35]。
双務契約・片務契約
- 双務契約
- 契約当事者双方が対価的性質を有する債務を負っている契約[37]。売買契約を例にとると、売主は買主に対して財産権を移転する義務(債務)があり、買主は売主に対してその代金を支払う義務(債務)がある。よって売主と買主の双方がお互いに債務を負っている(債権を有している)ため、売買契約は双務契約であるといえる。債務が対価的性質を有するか否かは客観ではなく当事者の主観により定まる[38]。日本民法の典型契約の中では、売買、交換、賃貸借、雇用、請負、組合、和解の7種は常に双務契約とされる[37]。双務契約には、成立の牽連性、存続の牽連性、消滅の牽連性といった特殊の効力がある[39]。
- 片務契約
- 契約当事者の一方のみが対価的性質を有する債務を負っている契約。贈与、消費貸借、使用貸借の3種が常に片務契約とされる[37]。このうち贈与には負担付贈与も含まれる(負担付贈与における負担は従的な関係のものであり、対等な関係に立つ反対給付とはいえず片務契約とされる[38])。
- 委任、寄託、終身定期金の3種は双務である場合と片務である場合とがある[37]。
有償契約・無償契約
- 有償契約
- 契約の全ての過程において対価的な性質をもつ出捐(経済的損失)があると認められる契約[33]。日本民法の典型契約の中では、売買、交換、賃貸借、雇用、請負、組合、和解の7種は常に有償契約とされる[37]。消費貸借、委任、寄託、終身定期金の4種は有償である場合と無償である場合とがある[37]。有償契約には原則として売買契約の規定が準用され(民法559条)、瑕疵担保責任(民法570条)などを負うことになる。
- 無償契約
- 対価的な性質をもつ出捐(経済的損失)が存在しない契約。日本民法の典型契約の中では、贈与と使用貸借の2種が常に無償契約とされる[37]。消費貸借、委任、寄託、終身定期金の4種は有償である場合と無償である場合とがある[37]。双務契約の多くは有償契約であり、片務契約の多くは無償契約であるが、例外的に利息付消費貸借契約は片務有償契約である[40][41]。なお、双務契約と片務契約の分類はローマ法に由来する[35]。
- 無償契約は有償契約に比べて注意義務が軽減される場合が多く[42]、原則として担保責任も負わない(民法551条1項、民法590条2項、民法596条)。なお、負担付贈与契約については、その負担の限度で実質的には有償契約としての性質が認められるため、その限度において担保責任を負う(民法551条2項)[43]。
諾成契約・要物契約
- 諾成契約
- 当事者の合意だけで、契約目的物の交付を必要とせず成立する契約。日本民法では、契約自由の原則の方式の自由から、契約は原則として当事者の合意のみで成立する諾成契約が原則とされる。また、ヨーロッパ契約法原則第2-101には、「契約は、書面によって締結され又は証明されることを要さず、形式に関するその他のいかなる条件に従うことも要さない」として、諾成主義の原則が規定されている。
- 要物契約
- 当事者の合意だけでなく目的物の交付とによって成立する契約。践成契約あるいは実践契約ともいう[44]。
- 日本民法の典型契約の中では、消費貸借、使用貸借、寄託の3種のみが要物契約とされている[33]。ただし、契約自由の原則から要物性を緩和して諾成契約として締結することも可能とされる(諾成的消費貸借など)[44]。このほかに民法上の代物弁済(民法482条)も要物契約である[44]。フランス民法やオランダ民法でも、消費貸借契約が要物契約として規定されている(フランス民法1892条、オランダ民法7A編1791条)。ドイツ民法では、かつては消費貸借契約が要物契約として規定されていたが、2001年の改正により諾成契約とされた。
要式契約・不要式契約
要式契約とは契約の成立に一定の方式を必要とする契約、不要式契約とは契約の成立に何らの方式をも必要としない契約をいう。財産行為における契約においては、契約自由の原則(具体的には契約の方式の自由)が強く妥当するので、要式性が要求される契約は一定の場合に限定されることとなる。したがって、ほとんどの財産行為の契約は不要式契約である。これに対し、身分行為においては当事者の慎重な考慮とその意思の明確化、さらに第三者に対する公示などが必要とされるので、そのほとんどが要式契約である(婚姻や養子縁組などは届出を要する典型的な要式契約である)。
日本民法は保証人の意思を慎重かつ明確なものにするという観点から保証契約につき要式契約としている(保証契約については平成16年民法改正により446条2項で要式契約とされることになった)。また、ドイツ法では、不動産物権変動の成立要件として登記を要求している(ドイツ民法873条1項)。フランス法では、贈与、抵当権設定、建築予定の不動産の売買等につき、公証人による公署証書の作成を要する[45]。
一回的契約・継続的契約
一回的契約とは売買契約など一回の給付をもって終了する契約、継続的契約とは賃貸借など契約関係が継続する契約をいう[43]。一回的契約の解除では契約の効力は遡及的に消滅するのに対し、継続的契約においては契約の効力は将来に向かってのみ消滅するという点で両者には違いがある(このほか継続的契約の解除においては信頼関係破壊による解除が認められる。信頼関係破壊の法理を参照)[43]。
その他の分類
有因契約・無因契約
債務の成立において、その原因事実と結びついている契約で、原因事実が不存在・不成立の場合には債権が無効となる契約を有因契約という[46]。反対に原因事実が不存在・不成立の場合にも債権については無効とはならない契約を無因契約というが、日本の民法上の典型契約はすべて有因契約である(ただし、契約自由の原則から無因契約を締結することは可能とされる)[47]。
主たる契約・従たる契約
複数の契約間に主従関係が認められる場合であり、金銭消費貸借契約を主たる契約とすると、その保証契約や利息契約を従たる契約という[48]。
契約の成立
契約は当事者の申込みと承諾の合致によって成立し、これが基本的な契約の成立形態である。契約の成立には客観的合致(申込みと承諾の内容の客観的一致)と主観的合致(当事者間での契約を成立させる意図)が必要となる[49]。
申込みと承諾の合致
契約は、当事者間の申込みと承諾という二つの意思表示の合致によって成立する。例えば、売り手が買い手に対して「これを売ります」と言うのに対して買い手が「では、それを買います」と言えば両者の間で売買契約が成立する。日本法においてはこのように意思表示だけで契約が成立する諾成主義が原則である。これに対し、契約成立のためには一定の方式をふまなければならないという考え方ないし規範を要式主義という(例えば、保証契約は契約書がなければ成立しない、など)。
申込み
- 申込みの意義
- 申込みとは、承諾があれば契約を成立させることを内容とする意思表示をいう[50][51]。申込みと区別される概念に申込みの誘引があり、他人に対して申込みを促すための行為をいう[52][50]。交通機関の時刻表の掲示(旅客運送契約)、商品目録や商品見本の送付(売買契約等)などがこれにあたる[53]。
- 申込みの効力
- 申込みの到達時期
- 日本法では申込みの意思表示の効力は、意思表示の到達主義の原則により、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる(97条1項)。通知の到達前までは意思表示の効力が生じていないので、申込みは依然として撤回可能である[54]。
- 申込みの形式的効力(拘束力)
- 申込みの形式的効力(消極的効力、拘束力)とは、一定期間申込みの効力は継続し撤回しえないことをいう[55]。申込みの拘束力は、ローマ法、フランス法、イギリス法では原則として認められていない(相手方の承諾があるまでは自由に撤回可)のに対し、ドイツ民法、スイス債務法、日本民法はこれを認める[56]。申込みの拘束力が消滅した場合、申込者は申込みの意思表示を自由に撤回して申込みの効力を消滅させることができる(撤回により承諾適格も消滅し契約は不成立となる)[57]。
- 承諾期間の定めのある申込み
- 日本の民法は承諾期間を定めてした契約の申込みは撤回することができないとして申込みの拘束力を認める(521条1項)。これは隔地者間を想定した規定であるが、民法521条1項は信義則に基づいて申込みの一般原則について定めたものと解されており対話者間にも適用がある[58]。なお、詐欺による意思表示や強迫による意思表示で瑕疵があるときは民法521条の適用はない[59]。
- 承諾期間の定めのない申込み
- 承諾の期間を定めないで隔地者に対してした申込みは、申込者が承諾の通知を受けるのに相当な期間を経過するまでは、撤回することができない(524条)。この規定により申込みは相当期間の経過により拘束力を失うことになるが、後に述べる申込みそのものの効力(承諾適格)は当然には失われない(申込者により申込みの意思表示が撤回可能となるにすぎない)[60][61]。
- 承諾の通知の意思表示について発信主義がとられている関係上、申込みの撤回の通知が承諾の通知を発した後に到達した場合の法律関係が問題となるが、民法は撤回の延着によって申込者が不測の損害を被ることのないよう承諾者に通知義務を負わせ、承諾者が遅滞なく申込者に延着の通知を発したときには契約は成立することとし(527条1項)、反対に承諾者が延着通知を怠ったときは契約は成立しないこととしている(527条2項)[62]。ただし、民法527条について電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律4条は特定の電気通信回線を通じて送信する方法による電子承諾通知には適用しないとしている。
- 承諾期間を定めない対話者間の契約に民法524条が適用されるか否かについては、非適用説(対話者間の契約には民法524条の適用はなく、特別の意思表示のない限り、対話関係の継続している間においてのみ申込みの効力を有する)と適用説(対話者間の契約にも民法524条の適用がある)があるが、判例(大判明39・11・2民録12輯1413頁)は適用はないとし多数説も非適用説をとる[63]。
- 不特定多数の者に対する申込み
- 申込みの実質的効力(承諾適格)
- 申込みの実質的効力(積極的効力、承諾適格)とは、承諾があれば直ちに契約を成立しうる法律上の可能性をいう[65]。申込みの形式的効力(拘束力)の失効は申込者が申込みの意思表示を撤回しうる状態となるにとどまり、申込者が撤回しない限りは申込みの実質的効力(承諾適格)は失われないので相手方はなお承諾しうる[66][67]。
- 承諾期間の定めのある申込み
- 承諾期間の定めがある場合、その期間内に承諾が到達しなければ当然に承諾適格は失われて契約は不成立となり(521条2項)、この場合には申込者の撤回も不要である[68]。なお、承諾期間の定めのある申込みについて民法521条が「期間内に承諾の通知を受けなかったときは、その申込みは、その効力を失う」と定めているのに対し、民法526条は「隔地者間の契約は、承諾の通知を発した時に成立する」としているが、この点の解釈については停止条件と解除条件説とがある(承諾の効力についても参照)[69]。
- 承諾期間の定めのない申込み
- 申込みが拘束力を失った場合には申込者は申込みの意思表示の撤回が可能となるが、申込みそのものの効力(承諾適格)は当然には失われないので申込者の撤回がない限りは相手方は承諾しうる[70][71]。しかし、申込者が承諾期間が永久的に続くものと考えることは妥当でないと考えられており承諾適格の失効時期が問題となる[72]。承諾期間の定めのない申込みの承諾適格についてドイツ民法は相当期間の経過によって効力を失うものと規定する(ドイツ民法146条)。しかし、承諾期間の定めのない申込みの承諾適格について日本民法に規定はなく、相当期間存続説(取引慣行や信義則からみて承諾をなすべき期間が経過したときはもはや承諾できない)や時効期間存続説(民法167条1項により10年間の消滅時効にかかり、その期間が経過したときはもはや承諾できない)などがあるが、前者が有力説となっている[73][74]。
- 対話者間の契約
承諾
- 承諾の意義
- 承諾の効力
- 承諾の効力発生時期
- 日本の民法では隔地者間の契約は承諾の通知を発した時に成立するとし、承諾の意思表示について発信主義をとる(526条1項)。到達主義(民法97条1項)の特則となっている。ただし、電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律4条により、電気通信回線を通じて送信する方法で承諾をする場合、民法526条が適用されず、この限りで到達主義が採用されている。
- 隔地者間の契約における契約の成立時期につき、国際的には承諾の意思表示が申込者に到達した時点とする到達主義が支配的であり[78]、国際的な取引の場面においては、国際物品売買契約に関する国際連合条約において、国際的な物品売買契約に関する承諾の意思表示は、申込者に到達した時に効力を生ずることが規定され(同条約18条)、承諾の効力が生じた時点で契約が成立するとされている(同条約23条)。
- 承諾期間の定めのない場合
- 発信時に契約の効力を生じる。到達しなくとも発信があれば効力を生じるとされる(到達不要説)。
- 承諾期間の定めのある場合
- 承諾の延着とその通知(522条)
- 遅延した承諾の効力(523条)
- 変更を加えた承諾(528条)
- 承諾の効力発生時期
商事契約の成立
日本の商法では商事契約の成立について民法の特則を置いている。
- 対話者間における契約の申込み(商法507条)
- 商法507条は「商人である対話者の間において契約の申込みを受けた者が直ちに承諾をしなかったときは、その申込みは、その効力を失う」と定める。対話者間における契約の申込みについて民法に規定はないが、承諾期間の定めのない申込みの実質的効力(積極的効力、承諾適格)については、対話関係の継続している間においてのみ申込みの効力を有すると解されている(判例として大判明39・11・2民録12輯1413頁)[82]。したがって、結果的に民法のみが適用される場合と異ならず[83]、民法の特則というよりは民法の商化によって民法上の原則となっているとされる[84]。
- 隔地者間における契約の申込み(商法508条)
- 商法508条1項は「商人である隔地者の間において承諾の期間を定めないで契約の申込みを受けた者が相当の期間内に承諾の通知を発しなかったときは、その申込みは、その効力を失う」と規定する。ただ、民法の解釈においても、隔地者間における契約の申込みについて、相当期間の経過により申込みは失効すると解する説をとれば商法と民法との間では結果は異なるものではないことになる[85]。
- 商人がその営業の部類に属する契約の申込みを受けた場合において、その申込みとともに受け取った物品があるときは、その申込みを拒絶したときであっても、申込者の費用をもってその物品を保管しなければならない。
交叉申込と意思実現
変則的な契約の成立形態として交叉申込と意思実現がある。
- 交叉申込
- 交叉申込とは契約の当事者が偶然に相互に内容の合致する申込みをなすことをいい、この場合にも当事者間の意思表示の合致が認められるから契約が成立する[86]。
- 意思実現
- 意思実現とは申込者の意思表示又は取引上の慣習により承諾の通知を必要としない場合には、契約は、承諾の意思表示と認めるべき事実があった時に成立することをいう(526条2項)[86]。意思の実現ともいう。
契約締結上の過失
一方当事者の契約締結過程での過失によって、相手方の損害を被ったときは信頼利益の範囲で損害賠償責任を負う(契約締結上の過失という)[87]。
契約の効力
契約の有効性
契約が効力を生じるためには、その前提として契約が有効でなければならない。契約が有効とされるためには、(1)確定可能性、(2)実現可能性、(3)適法性を要する[88]。適法性から社会的妥当性を分けて4つを有効性の要件と分析される場合もある[89]。
契約は、公序良俗に反する場合(90条)や、強行法規に反する場合(91条)、無効となる。契約を構成する申込み又は承諾が無効である場合(93条ただし書など)も、「その契約は無効である」と表現される。同様に、契約を構成する申込み又は承諾が取り消された場合(96条1項など)にも、「その契約は取り消された」と表現される。意思表示の有効性と契約の有効性を区別する意味がないため、このような用語法の混乱が生じている。
契約の当事者間効力
契約の一般的効力
契約が有効に成立すると、当事者はこれに拘束され、契約を守る義務が生じる。契約の当事者は、契約によって発生した債権を行使し、債務を履行する。民法などの規定と異なる契約をした場合でも、その規定が任意規定である限り、契約の内容が優先する。「契約は当事者間の法となる」といわれるゆえんである。
契約により生じた債務を、債務者が任意に履行しない(債務不履行)ときは、債権者は、訴訟手続・強制執行手続を踏むことによって、債務者に対し強制的に債務の内容の実現を求めることができる(強制履行、現実的履行の強制)。また、債務不履行が発生した場合、債権者は、契約の解除をしたり、債務者に対し損害賠償請求をすることができる。
債務不履行の内容としては、約束の期限までに品物を届けなかった(履行遅滞)、品物を壊してしまって債務を履行できなくなった(履行不能)、品物を引き渡したものの欠陥があった(不完全履行)の3類型が挙げられる。
双務契約特有の効力
日本民法には契約の効力という款がおかれているが、実際上「契約の効力」の問題とされる事柄はつまるところ「債権の効力」の問題なのであって、債権総則の章において規定されている。そして、債権総則では包含しきれないような契約関係(特に双務契約)独自の規定を契約の効力の款においている。特に双務契約については、契約の当事者間効力として対価的関係にある債権債務の牽連関係について以下の3つの効力が観念づけられる。
契約の対第三者効力
近代法においては、本来、契約によって権利義務を取得するのは契約当事者のみであり、それ以外の者には利益・不利益をもたらすことはできないと考えられていた(契約の相対性の原則と呼ばれる)[90]。しかし、取引関係の複雑化に伴って、契約により当事者の一方が第三者に対してある給付をすることを約する契約が締結されるようになり、このような契約は第三者のためにする契約(537条)と呼ばれる(詳細については第三者のためにする契約を参照)。
第三者のためにする契約は、当事者の一方が第三者に対して給付を行うことを約するものであり、それぞれ独自の主体的立場の異なる三人の当事者の間で成立する三面契約とは異なる。また、第三者のためにする契約では要約者に権利義務が帰属した上で一部の権利のみが受益者に帰属することになる点で、権利義務の一切が本人に直接帰属する代理とは異なる。沿革的にはローマ法は他人のための契約締結を許さなかったが、フランス民法がローマ法を受けて原則としてこのような契約の締結を認めなかった(例外的に自己の他人に対する贈与の条件としてのみ可とする)のに対し、ドイツ法やスイス法はこのような契約の締結を認める法制をとった[91][92]。
契約の終了
契約の終了原因
契約の終了原因としては、単発的契約の場合には履行(弁済)、期間の定めのある継続的契約の場合には期間満了(更新が続いている場合には更新拒絶)、期間の定めのない継続的契約の場合には解約申入れがある[93]。また、契約一般の終了原因として解除や合意解除がある(なお、合意解除はそれ自体が独立した一つの契約であり解除権の行使とは異なる)[93]。
契約の解除
契約は解除することによって終了することができるが、契約が解除される場合には大きく分けて二つある。
一つは当事者の片方が一方的に契約を解除する場合であり、通常「解除」といえばこちらを指す。このとき、解除契約を一方的に解除する権限(解除権)が法律の規定によって一定条件(例えば債務不履行など)のもと発生するものを法定解除権といい、契約などで定めた条件に従って発生するものを約定解除権という。
上記の意味の解除については、講学上、遡及効を有するものを「解除」、有さないものを「解約(告知)」と分類することがあるが、民法の法文上はともに「解除」である。 もう一つの解除は、契約の当事者で話し合って契約をなかったことにする合意解除である。合意解除も「契約をなかったことにする契約」という一つの契約である。
契約の余後効
信義則上、契約関係に立った当事者は、契約の終了後によっても権利義務関係は当然には終了せず相手方に不利益をこうむらせることの無いようにする義務を負う[94][95]。これは契約の余後効と呼ばれており、ドイツ法に由来する概念である[96]。これを実定法化したものとして日本法では民法654条(委任の終了後の処分)や商法16条(競業避止義務)などがある。
公法上の契約
行政契約の意義
行政主体(国や地方公共団体がその典型例)が一方当事者として締結する契約のことを特に行政契約(狭義の行政契約)という[97]。また行政主体同士で結ばれる契約も行政契約の一つである。
行政主体が私人との間で結ぶ行政契約の例は多岐に及ぶが、公共施設を借りたり、補助金の交付の際の贈与契約や、公共事業の請負、水道の給水、なんらかの協定を結ぶ場合などが挙げられる。
行政契約も契約の一種だが、行政主体がその当事者であるため特殊な考慮が必要となる場合がある。例えば、本来ならどのような契約を結んでも良いのが原則であるが(契約自由の原則)、行政主体に権力的権限をあたえるような契約は制限される。さもなければ権力的な行政作用は法律に基づいて行われなければならないとする「法律による行政の原理」が骨抜きにされかねないからである。さらに、合理的理由のない差別的な取扱いについても禁じられると考えられている(平等原則の適用)。また、本来ならば契約を結ぶか否かも自由なはずであるが、水道などの契約においては契約を締結する義務が課されている場合もある。
ドイツ法では、行政契約は書面によらなければならないとされており、これに反する契約は無効である[98]。
- 判例
- 取立命令に基く取立請求 (最高裁判例 昭和48年12月20日)
- 売却処分無効確認等(最高裁判例 昭和62年05月19日)
- 普通地方公共団体が随意契約の制限に関する法令に違反して締結した契約は、当該契約を無効としなければ随意契約の締結に制限を加える法令の趣旨を没却する結果となる特段の事情が認められる場合に限り、私法上無効となる。
- 給水契約上の地位確認等 (最高裁判例 平成11年01月21日)
- 損害賠償請求事件 (最高裁判例 平成16年07月13日)
地方自治法
- 契約の締結(234条)
英米法における契約
コンシダレイション(Consideration)法理
コモン・ローにおいては、契約(Contract)が成立するためには、捺印証書(deed)という厳格な書面によって作成されているか、内容の約束がコンシダレイション(Consideration)法理により支えられている必要がある[99]。コンシダレイションとは「契約の一方当事者がその約束と交換に、相手方当事者から受け取る利益もしくは不利益」のことで道徳や正義ともイギリス人の慣行とも無関係である。
成立要件
英米法においては、契約(Contract)とは2名以上の当事者間で結ばれた法律上強制力のある合意を意味する。契約の成立要件は申込(Offer)、承諾(Agreement)、約因(Consideration)、契約能力(Capacity)、合法性(Legitimacy)の5つであり、原則として約因を必要とするのが大陸法諸国との大きな相違点である。さらに、一定の契約は詐欺防止法の規定に従い書面により作成されなければならない。約因(Consideration)は当事者間の交換取引の存在を裏付けるものを意味し英米法上の契約の最大の特色とされる[100]。
英米法上の契約は約因すなわち交換取引の存在(コンシダレイション)を前提としており、例えば片務的で交換取引が存在しない日本法における贈与契約は英米法上の厳格な契約(deed)にはあてはまらない[101]。そのため、エクイティによる救済手段は得られない(エクイティ上の法律効果は有効でない)とされている。
脚注
参考文献
- 内田貴(2005)『民法I 第3版 総則・物権総論』東京大学出版会
- 内田貴(2011)『民法Ⅱ 第3版 債権各論』東京大学出版会
- 近江幸治(2006)『民法講義Ⅴ 契約法 第3版』成文堂
- 遠藤浩(1997)『民法5 契約総論』青林書院〈注解法律学全集〉
- 遠藤浩・原島重義・水本浩・川井健・広中俊雄・山本進一著(1996)『民法5 契約総論 第4版』有斐閣〈有斐閣双書〉
- 大島俊之・下村正明・久保宏之・青野博之(2003)『プリメール民法4 第2版』法律文化社〈αブックス〉
- 大橋洋一(2004)『行政法 現代行政過程論[第2版]』有斐閣
- 川井健(2010)『民法概論4 債権各論 補訂版』有斐閣
- 谷口知平・五十嵐清編(2006)『新版 注釈民法〈13〉債権4』有斐閣〈有斐閣コンメンタール〉
- 樋口義雄(2008)『アメリカ契約法第2版』弘文堂〈アメリカ法ベーシックス〉
- 山本敬三(2005)『民法講義Ⅳ-1 契約』有斐閣
- 柚木馨・高木多喜男編(1993)『新版 注釈民法〈14〉債権5』有斐閣〈有斐閣コンメンタール〉
- 我妻栄(1954)『債権各論 上巻』 岩波書店〈民法講義〉
関連項目
- ↑ 内田貴『民法I 総則・物権総論(第3版)』東京大学出版会、2005年、336 - 337頁
- ↑ 2.0 2.1 2.2 2.3 谷口・五十嵐(2006)17頁
- ↑ 遠藤(1997)4頁
- ↑ 4.0 4.1 4.2 近江(2006)5頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)4頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)6頁
- ↑ 川井(2010)1頁
- ↑ 近江(2006)8-9頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)1-3頁
- ↑ 山本(2005)17頁
- ↑ 近江(2006)2頁
- ↑ 12.0 12.1 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)12頁
- ↑ 大島・下村・久保・青野(2003)6頁
- ↑ 14.0 14.1 山本(2005)18頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)13頁
- ↑ 16.0 16.1 16.2 16.3 16.4 16.5 大島・下村・久保・青野(2003)6-7頁
- ↑ 遠藤浩編(1997)『民法〈5〉契約総論』青林書院〈注解法律学全集〉12-13頁
- ↑ 18.0 18.1 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)18-19頁
- ↑ 遠藤浩編(1997)『民法〈5〉契約総論』青林書院〈注解法律学全集〉14頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)14頁
- ↑ 近江(2006)2頁
- ↑ 山本(2005)332頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)11頁
- ↑ 遠藤・原島・水本・川井・広中・山本(1996)18-19頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)394-399頁
- ↑ 内田(2011)19頁
- ↑ 27.0 27.1 大島・下村・久保・青野(2003)7頁
- ↑ 28.0 28.1 柚木・高木(1993)1頁
- ↑ 柚木・高木(1993)1-2頁
- ↑ 30.0 30.1 近江(2006)15頁
- ↑ 31.0 31.1 柚木・高木(1993)7-8頁
- ↑ 大島・下村・久保・青野(2003)7頁
- ↑ 33.0 33.1 33.2 大島・下村・久保・青野(2003)8頁
- ↑ 34.0 34.1 柚木・高木(1993)4頁
- ↑ 35.0 35.1 35.2 遠藤(1997)46頁
- ↑ 川井(2010)4頁
- ↑ 37.0 37.1 37.2 37.3 37.4 37.5 37.6 37.7 大島・下村・久保・青野(2003)9頁
- ↑ 38.0 38.1 遠藤(1997)48頁
- ↑ 遠藤(1997)49頁
- ↑ 我妻(1954)37頁
- ↑ 川井(2010)5頁
- ↑ 遠藤(1997)51頁
- ↑ 43.0 43.1 43.2 近江(2006)16頁
- ↑ 44.0 44.1 44.2 遠藤(1997)52頁
- ↑ ジャン=ポール・デコール、平野裕之訳(2011)「契約の方式」慶應法学19号
- ↑ 遠藤(1997)55頁
- ↑ 遠藤(1997)55-56頁
- ↑ 遠藤(1997)56頁
- ↑ 川井(2010)7頁
- ↑ 50.0 50.1 内田(2011)31頁
- ↑ 山本(2005)26頁
- ↑ 川井(2010)10頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)437頁
- ↑ 内田(2011)35頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)438頁・443頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)438頁・445頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)440頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)449頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)443頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)449頁
- ↑ 内田(2011)37頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)505頁
- ↑ 川井(2010)12頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)452-453頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)438頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)449頁
- ↑ 内田(2011)37頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)454-455頁
- ↑ 川井(2010)15-16頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)449頁
- ↑ 内田(2011)37頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)471頁
- ↑ 内田(2011)38頁
- ↑ 川井(2010)11-12頁
- ↑ 川井(2010)12頁
- ↑ 内田(2011)32頁
- ↑ 山本(2005)26頁
- ↑ 経済産業省(2001)『電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律逐条解説』12頁
- ↑ 内田(2011)39頁
- ↑ 川井(2010)15-16頁
- ↑ 山本(2005)30頁
- ↑ 川井(2010)12頁
- ↑ 江頭憲治郎著(2005)『商取引法 第4版』弘文堂〈法律学講座双書〉11頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)456頁
- ↑ 江頭憲治郎著(2005)『商取引法 第4版』弘文堂〈法律学講座双書〉11-12頁
- ↑ 86.0 86.1 山本(2005)40頁
- ↑ 川井(2010)22頁
- ↑ 川井(2010)8-10頁
- ↑ 大島・下村・久保・青野(2003)22頁
- ↑ 内田(2011)79頁
- ↑ 川井(2010)51頁
- ↑ 谷口・五十嵐(2006)691頁
- ↑ 93.0 93.1 内田(2011)82頁
- ↑ 我妻(1954)37頁
- ↑ 内田(2011)108頁
- ↑ 内田(2011)110頁
- ↑ 大橋(2004)339頁
- ↑ 大橋(2004)356頁
- ↑ Curie v.Misa(1875) L.R.10Ex 153, at 162.
- ↑ 樋口(2008)82頁
- ↑ 樋口(2008)17頁