大福
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大福(だいふく)は、小豆でできた餡を餅で包んだ和菓子の一種。大福餅(だいふくもち)とも。
餅はきめ細かくつかれているものを使い、餡の量は餅と同量以上であることが多い。食用の粉をまぶしてあることも多い。餅に豆やヨモギを加えたものや、餡の代わりにイチゴやカスタードクリームを入れたものなどさまざまなバリエーションが存在する。そのまま食べることが多いが、好みによって焼いたり、汁粉に入れたりする。大福を自宅で作る際は、餅に砂糖を混ぜておくと硬くなりにくい。工場で生産され、流通経路を介して販売される製品も同様の傾向がある。
歴史
江戸時代初期に生まれた鶉餅(うずらもち)が1771年(明和8年)に江戸・小石川の未亡人により小形化され、餡に砂糖を加えられたものが始まりとされる。腹持ちがよいことから腹太餅(はらぶともち)、大腹餅(だいふくもち)と呼ばれていたものが、吉字を使った大福餅に変化したという。寛政の改革時には、行商が焼きながら売り歩く熱い大福が流行した[1]。
種類(一例)
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大福(紅白)
- 豆大福 - 餅に赤エンドウや大豆を混ぜ込んだ大福。
- 草大福 - ヨモギを入れてついた餅を皮にしている大福。ヨモギのために皮が緑がかる。
- 塩大福 - 皮や餡が塩味の大福。元々は砂糖ではなく塩を味付けに使っていたが現在は砂糖のともに適量の塩を加えている。
- 塩豆大福 - 塩大福と豆大福が合わさったもの。
- いちご大福 - 小豆餡の中にイチゴが入っている大福。その他イチゴのみ、イチゴと生クリーム、イチゴと白餡などがある。発祥は諸説あり、東京都新宿区住吉町、群馬県前橋市、三重県津市、三重県伊賀市、滋賀県大津市、岡山県倉敷市の和菓子屋がある。
- 梅大福 - 小豆餡の代わりに梅の甘露煮が入っている大福。又は、餅に梅の果汁とシソを混ぜ込んだ大福。
- コーヒー大福、カフェオレ大福 - 小豆餡にコーヒーの風味を付けたもの。生クリームが入っているもの等がある
- モンブラン大福 - 小豆餡の代わりにマロン・クリームが入っている大福。
- プリン大福 - 小豆餡の代わりにプリンのクリームが入っている大福。
- ティラミス大福 - ティラミスのクリームをコーヒー味の餅でくるんだ大福。
- なんじゃこら大福 - つぶあんの中に栗、イチゴ、クリームチーズが入った大福。宮崎市の和菓子屋「お菓子の日高」で販売されている。
- 塩あんびん - 砂糖を用いず塩で味付けした大福。埼玉県北部で古くから食べられている。
- カスタード大福 - 小豆餡の代わりにカスタードクリームが入っている大福。
- 霧の森大福 - 「道の駅霧の森」内にある菓子工房で製造販売されている大福。中心に生クリーム、そのまわりにこしあん、そしてそれらを抹茶を練り込んだ餅でくるみ、抹茶をまぶす四重構造になっている。
大福に関する文化
- 大福食い競争 - 主に学校の運動会等で行われる競技のひとつ。徒競走に、途中で大福を食べなければならないというルールを加えた競技であり、パン食い競走の大福版といえる。パンを吊す代わりに、小麦粉が詰められた箱の中に隠された大福を、顔を突っ込み、口のみで探し出し食べる。
- 『大福』は白くて丸いものの比喩表現として使われることがある。 例:大福Mac(iMac G4)
大福に関する楽曲
大福に関するキャラクター
- だいふくさん
下町に三代続く和菓子の老舗『大福本舗』で毎日作られている大福餅の「だいふくさん」。 友達の「草餅くん」、「苺だいふくちゃん」、「きなこ餅くん」。双子の弟でつぶ餡の「つぶだいふく」がいる。 Yahoo!動画の「だいふくさん」。
注釈
関連項目
テンプレート:Sister- 元の位置に戻る ↑ 宮崎正勝『知っておきたい「食」の日本史』196p・角川ソフィア文庫