報道特捜プロジェクト
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 『報道特捜プロジェクト』(ほうどうとくそうプロジェクト)は、日本テレビ(日テレ)で1993年から2008年12月20日まで放送された調査報道の報道番組である。
日テレ報道番組部が制作し、毎月1回(第2または第3土曜日)、13:30 - 14:55[1]の枠で日テレ・マイスタジオから生放送を行なっていた。地上波では、関東ローカルであった(ミヤギテレビや静岡第一テレビなど一部系列局でも不定期で放送する場合があった)が、CS放送・日テレNEWS24でも遅れ放送される。
目次
概要
行政問題や社会問題、国民年金流用問題など、通常のニュース枠では扱えない問題を扱うことが多かった。
放送を開始して以降、高視聴率を獲得していたが、2008年12月をもって番組は放送を終了した。現在は本番組の特徴を継承したものとして『特命記者』が不定期に放送されている。
名作シリーズ
- 国民年金流用問題 - 世間が知らない社保庁の悪行を内部告発を元に徹底取材。
- 悪質クリニックの不正請求疑惑 - 菅谷クリニックの驚くべき実態(その後、サニークリニックと改名し、営業を続けていたが、経営者は後に詐欺容疑等で警察によって逮捕。経営者である容疑者はスタッフの取材に対し「ぶっ殺してやりたいよ!」などと発言したことが話題となった)。
- 税金の無駄遣い
- 特捜オンブズマン
- 変な信号機 - 変な場所に設置されている信号機を追いかける。
- 放置自転車問題 - 駅前の放置自転車の異常さをレポートする。
- 日本人マナー
- オバサンは怒っている!
ほか
ご存じ!イマイ
当番組内の中でも人気の高いコーナー。「イマイが行く」というコーナー名のときもある。イマイ(今井ディレクター)が各請求業者や悪徳企業に対して執拗に食い下がり、相手にそれを認めさせることを目的とする。朴訥な話し振りで気弱そうな雰囲気を装いながら、相手の暴言に負けずに果ては海外まで追跡取材する姿が大いに共感を呼んだ。特に、何度電話を切られても「再ダイヤル」ボタンを押して執拗に電話をかけ続ける「リダイヤル攻撃」は有名である。番組内で利用していた携帯電話は、J-フォンのJ-D06 "graphica"(三菱電機製)。
イマイは日テレディレクターで実在の人物だが、フルネーム・素顔は非公開となっている。2005年8月に取材記録「イマイと申します。」(ISBN 4478950571)が出版された。
2004年12月20日に放送された『スーパーテレビ特別版』「衝撃!振り込め詐欺恐怖の極悪脅迫軍団」の番組でイマイが出演。全国ネット進出した。
近年は、業者側にも知られるようになってきたためか、「イマイ」と名乗ると警戒されていきなり電話を切られてしまうケースも多くなってきている。そのため、相棒・スズキが電話を掛けるか(その際、イマイはスズキに指示を送り、その後イマイ本人がスズキに代わって電話をする)、「イワイ」と偽名を名乗ったりしている。
『SMAP×SMAP』[2]や『アドレな!ガレッジ』などのバラエティ番組でのパロディも多い。なお、近年ではフジテレビで不定期に放送されている特別番組『ついていったらこうなった』で、カンニング竹山がこれと似たような方法で詐欺師と電話で直接話し、詐欺のアジトを探るために海外にも取材に行くと言う内容を放送している。
取材内容
- VS 架空請求業者
- VS 海外宝くじ詐欺
- VS 指つめのマサ
- VS 高額懸賞詐欺
その他の著名な報道
- 「徹底追跡!謎の街頭募金」 日本ボランティア会募金詐欺問題(2003年6月21日放送、同年7月2日「きょうの出来事」にて再放送)
- 埼玉県議会議員公費買春疑惑(2003年12月13日放送、続編放送予定であったが当事者の抗議により中止)
出演者
キャスター(歴代)
- 鷹西美佳(日本テレビアナウンサー)
- 井田由美(日本テレビ解説委員・日本テレビキャスター担当部長、就任当時は日本テレビアナウンサー)
- 辛坊治郎(当時よみうりテレビアナウンサー)
- 長谷川憲司(当時日本テレビアナウンサー)
- 矢島学(日本テレビアナウンサー)
レギュラーコメンテーター(歴代)
ナレーター
その他の出演者
- 荻原弘子(日本テレビアナウンサー) 「オバサンは怒っている!」コーナーの「オバサンリポーター」。
- 取材ディレクター
- かつてキャスターとして出演していた『ズームイン!!SUPER』解説員の辛坊治郎(読売テレビ解説員)もコメンテーターとして8年ぶりに出演した(2005年1月22日放送分)。
全国ネットでの特番
2005年12月30日にNNN系列全国ネットで「報道特捜プロジェクトスペシャル・怒り爆発!総決算・あなたはこんなにバカにされている」が放送された(放送時間は18:00 - 20:00)。 福澤朗と井田由美が司会。コメンテーターには大竹まこと、麻木久仁子ら数名の著名人およびカンニング竹山やまちゃまちゃなどのお笑い芸人が出演。片山さつきや平沢勝栄ら現役の国会議員も出演した。
2007年1月8日、3月26日、12月25日にも「報道特捜プロジェクト "責任者出て来い!"怒り爆発スペシャル」として19:00 - 20:55の時間帯で放送され高視聴率を獲得した。
諸問題
捏造疑惑
2007年1月20日の放送内容について、山梨県山中湖村の関係者が「ダム建設に関する報道について、客観性に欠け捏造された疑いがある」として抗議し、日本テレビ側から誠意ある返答がなかったとして2月19日、放送倫理・番組向上機構(BPO)に村長名の苦情申立書を送付した。それに対して日本テレビは3月26日に反論報道を行った。BPOは3月20日の会議で人権侵害に当たらないとして審理の不受理を決定した。
「イオンクレジット」と「イオンクレジットサービス」
2007年12月25日のスペシャル版にて、融資保証金詐欺の疑いのある集団について取り扱った(前述のイマイのコーナー)。その際、その集団が使用した名前が「イオンクレジット」であってイオンクレジットサービス株式会社と名称が酷似していることから、イオン社とは関係ないとの案内を放映冒頭でも行なった。しかし、放映を途中から見た視聴者などから問い合わせが殺到、放送翌日に改めて番組公式サイトでイオン社とは関係が無いとする文章をそれぞれ公式サイト上で発表した。イオン株式会社も以前から「イオンクレジットと当社は関係がない」と公式サイトに掲載していたが、放送後は「放送のイオンクレジットと当社は関係がない。」と公式サイト上で発表した。しかし、それでも問い合わせが絶えず、最終的に日本テレビ側が陳謝するという事態に至った。このように実在する有名ブランド名(あるいは酷似した名称)を騙った詐欺行為は数多くある。
損害賠償訴訟
2006年3月から2007年1月まで計4回放送された、横浜の美容外科、菅谷クリニックが診療報酬不正請求と医療過誤をしたとの報道は事実無根だとして、院長の美容外科医が提訴した損害賠償訴訟で、横浜地方裁判所は2008年5月22日、「報道の主要部分は真実か、真実と信じる理由がある」として美容外科医側の請求を棄却した。先日まで控訴していたが12月22日、横浜地検により起訴され、院長の容疑者ら二人を逮捕した。
脚注・出典
関連項目
- NNN Newsリアルタイム - 本番組の企画の再放送が行われるときがある。
- 特命記者 - 本番組の特徴を継承している後継番組にあたる番組。イマイ記者シリーズもこの番組内で現在行われている。