ブーゲンビル島

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ブーゲンビル島(ブーゲンビルとう、Bougainville Island)は、パプアニューギニアの島。島全体がブーゲンビル自治州に属している。島名はフランスの探検家ブーガンヴィルにちなむ。

地理

ニューギニア島の東に位置し、国では無い地理区分としてのソロモン諸島の中で、最大の面積を誇る(10,049Km²)。火山性の島で、最高地点は3100mのバルビ山

主な大きな町は、アラワブイン

歴史

1768年、世界周航の探検を行っていたフランスの探検家ブーガンヴィルがこの島の沿岸を航海し、のちに彼の名前が島につけられた。

1885年ドイツ帝国の植民地となり、ドイツ領ニューギニアの一部となる。その後第一次世界大戦に伴い、1914年オーストラリアが占領するも、1918年から国際連盟によりオーストラリアの委任統治領となる。

第二次世界大戦中は、アメリカ合衆国、オーストラリア、日本などによって占領される。ブーゲンビル島はアメリカ陸軍航空軍(USAAF)、オーストラリア空軍(RAAF)、ニュージーランド空軍(RNZAF)の各軍にとって重要な航空基地となる。

1943年4月18日、前線の視察に向かう連合艦隊司令長官山本五十六が、この島の上空で搭乗機アメリカ陸軍航空隊P-38戦闘機に撃墜され、戦死する事件が起こる(海軍甲事件)。同年11月2日には島にアメリカ軍が上陸し、以後終戦まで戦闘が続いた(ブーゲンビル島の戦い)。結果として多数の死者を出した為、日本ではブーゲンビル島(当時は「ボーゲンビル島」と表記された)を指して墓島と呼ぶ者も現れた。

その後国際連合の働きかけにより、1975年パプアニューギニアの一部として独立を果たす。

しかし同年、「北ソロモン共和国」(または「ブーゲンビル共和国」)を国名とする分離独立運動が起きる。この背景には島にある世界最大級の銅山、パングナ銅山を巡る事情が絡んでいる。当時の銅山は「ブーゲンビル銅鉱会社(Bougainville Copper Limited)」という形でオーストラリアの実質的な支配下にあり、島の住民が補償を求めて抗議運動を起こし、それが引き金となったのである。

1988年、島の分離独立を求めるブーゲンビル革命軍(BRA)は銅山妨害の運動を開始し、翌年に銅山は暴動を受けて閉鎖に追い込まれる(ブーゲンビル銅鉱会社は現在、リオ・ティント・グループが保有しており、パプアニューギニア政府と操業再開の交渉を行っている)。BRAは地理的に近いソロモン諸島の支持も受けてパプアニューギニア政府との内戦を展開するが、1998年、オーストラリアとニュージーランドの仲介の下、政府と停戦に合意する。

2005年6月15日に初の自治政府が設立され[1]ジョセフ・カブイen:Joseph Kabui)が大統領に就任する。同年7月25日には、分離独立運動のリーダー、フランシス・オナen:Francis Ona)が病死した。またカブイ大統領は2008年6月7日心臓発作のため亡くなった(54歳)。その後ジョン・タビナマンen:John Tabinaman)が自治政府大統領代行を務めた。

住民

オーストロネシア語系のメラネシア人が中心である。ブーゲンビルクライシスを契機にブーゲンビル人以外は住めなくなった。それまで主にBCL(ブーゲンビル銅鉱山)、その関連の仕事や州政府などに従事していた人(PNGの中でもブーゲンビル以外の出身者)がいたが現在は全くと言ってよいほどいない。

この島では、英語ピジン英語トク・ピシン)の他にロトカ語が話されている。

産業

長期に渡る内戦のためインフラは疲弊しており、政治経済の中心は島の北にあるブカ島に移っている。本島ではコプラコーヒーの生産が中心だが、銅山の開発も進められている。

日本との交流

2006年10月、ジョセフ・カブイ大統領、ニック・ペニアイ議会議長、アルバート・キナニ領土開発長官、デニス・クイニ儀典長の4名がブーゲンビル自治政府として初来日。浅草観光や靖国神社参拝、トヨタ工場見学などを行った。

治安

2013年9月、国際連合開発計画国際連合人口基金UNウィメン、国連ボランティア計画の4つの国連組織が調査した結果、ブーゲンビル島の40.7%の男性が、女性を強姦したことがあると答えた。自分のパートナーも含めた場合、その割合は62.4%となる。また、23%の男性は、14歳以下の時に初めて強姦をしたと回答した。さらに、その7割以上の者が法的責任を問われずに生活している[2]

脚注

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外部リンク

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