アークエンジェル (ガンダムシリーズ)

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テンプレート:Pathnav アークエンジェル (Archangel) は、『機動戦士ガンダムSEED』『機動戦士ガンダムSEED DESTINY』に登場する架空の宇宙戦艦。アークエンジェル級のネームシップ。本項では、同級2番艦ドミニオンについても記述する。

アークエンジェル

テンプレート:機動兵器 大西洋連邦軍所属の強襲機動特装艦。オーブ軍イズモ級宇宙戦艦をタイプシップとして、オーブの軍事企業モルゲンレーテ社と共同で開発された。ザフト軍が保有するMSの有効性を認め、それに対抗するべく開発されたG兵器と共にその運用母艦として、オーブの資源衛星ヘリオポリスのドックで極秘裏に建造が行われた。「ローエングリン」に代表される強力な火器群やラミネート装甲の使用、大気圏突入時に艦底部を気化性のジェルで覆うことで艦体の温度上昇を防ぎ、大気圏突入能力を持たせるなど、実験艦的な要素も強い。また、操艦機構もオートメーション化が図られており、少人数での運航が可能となっている。

大西洋連邦とモルゲンレーテ社の最新技術が多数盛り込まれているので他の艦に比べて複雑な機構が多く、航行に関わる人員が増えたため、メインブリッジとCICCombat Information Center=戦闘指揮所)にブリッジを分割する構造を採用している。CICでは索敵や火器管制、MSやMAの管制を専門的に扱っており、航行管理を司っているメインブリッジでは補えない部分をカバーしている。これにより指揮管制が円滑に行われるようになり、艦の性能を最大限に引き出せるようになっている。『DESTINY』時にはほとんどの席のコンソールから大半の操作が可能となっており、CICの需要が少なくなるほど極端に少ない人員での運行が可能になっている。

単体での大気圏離脱能力は持たないが、陽電子破城砲ローエングリンとオプション装備のプラズマブースターを装備することでマスドライバーを使用せずとも大気圏離脱が可能となる。宇宙空間での運用からも判る通り気密性が高く、『DESTINY』時にはバラストタンクの増設により潜水能力も追加され、ビーム兵器が使用できない水中での攻撃力を補うために魚雷発射管も増設された。また、『DESTINY』時にはオプション装備無しでの大気圏離脱が可能となっている。

艦内の壁にはベルトコンベアに似た移動設備があり、宇宙空間を航行中はそこへ手を乗せて艦内を移動できる。搭乗員用として、2段式ベッドが2つある小さめの部屋や普通のベッドが2つある部屋が存在する。『DESTINY』時には潜行・潜伏など閉鎖空間に長時間滞在する必要があったため、娯楽施設として共同浴場「天使湯」が新設され、食堂もきつねうどんなどの新しく美味しいメニューが備わるなど(『SEED』ではあまり美味しくないメニューしかなかった)、戦闘とは関係ない点でもさまざまな改良が施された。

1番艦「アークエンジェル」の外装は白と赤が基調に塗装されている。略称は「AA」。艦名のアークエンジェルは、天使の階級である「大天使」に由来する。アークエンジェルの特徴である艦首両舷から前方に突き出した脚部状のMSハッチから、ザフト軍には「足つき」と呼ばれた。

優秀な戦果を挙げただけでなく三隻同盟の所属艦として活躍したことからも、地球連合軍やザフト軍へ与えた影響は大きかった模様。地球連合軍では2番艦「ドミニオン」が建造されたほか、コズミック・イラ73年時には後継艦と思われる「ガーティ・ルー級」が開発されている。ザフト軍でも、セカンド・シリーズ運用艦として外見や機能面に大きく影響を受けた「ミネルバ」が建造されている。

武装

陽電子破城砲「ローエングリン」
両艦首に1門ずつ装備されている陽電子砲。アークエンジェルに搭載されている武装の中で最も強力であり、右舷が1番、左舷が2番である。その設置場所から、前方の敵に対しての使用が前提となっている。ビームを生み出す陽電子チェンバーの補充に時間を要するため、連射は不可能である。試験装備であるため、劇中初期は「特装砲」と呼ばれていた。また、発射指示は基本的に艦の最高指揮官が行っていた。
絶大な威力を誇るものの、放射能が発生する事から環境への悪影響が甚大であるため、地上での発射には倫理的制限があった。この問題はオーブ寄航の際、環境への影響が少ない新型に交換された事により解決している。この際、修理作業に参加したジャンク屋にも同様の技術が伝わり、母艦リ・ホームに陽電子砲が搭載されるに至っている[1]。ちなみに、威力は落ちるものの、エネルギー問題さえ解決できればモビルスーツでも運用は可能である。
225cm連装高エネルギー収束火線砲「ゴットフリートMk.71」
アークエンジェル主砲であり、艦首両舷に1基ずつ装備されている2連装のビーム砲。右舷が1番砲塔、左舷が2番砲塔であり、通常は格納されているが使用時にせり上がる沈胴式となっている。180度の砲塔旋回が可能であるが、設置場所の関係から艦後方へは攻撃できない。
110cm単装リニアカノン「バリアントMk.8」
アークエンジェルの副砲であり、艦尾両舷に1基ずつ装備されているリニアガン。右舷が1番、左舷が2番。連射能力も高く精密射撃が可能である。艦側面に配置されており、上下360度旋回することで地表や海面を空中から直接狙撃できるが、短時間に使用しすぎると砲身温度が上がって使用不能になる。海中潜航時には魚雷以外に使用できる唯一の武器である。
75mm対空自動バルカン砲塔システム「イーゲルシュテルン」
多銃身の対空機関砲を用いた近接防御火器システム。ミサイルやMSを迎撃する近接防御システム (CIWS) である。
艦橋後方ミサイル発射管 対空防御ミサイル「ヘルダート」
艦橋の後方に16門装備されているごく短射程の艦対空ミサイル発射管であり、近接SAMの一種。
艦尾大型ミサイル発射管
艦尾に多数設置されている全24門の大型ミサイル発射管。外側に左右6門ずつ配置された12門が前方、内側の12門が後方に向けて各種の誘導弾が射出される。
  • 艦対艦ミサイル「スレッジハマー」
  • 対空防御ミサイル「コリントスM114」
  • 大気圏内用ミサイル「ウォンバット」
  • 対空榴散弾頭ミサイル
多目的射出機
両舷に4門ずつ設置されている射出機。アンチビーム爆雷やフレア弾、信号弾などの発射が可能となっている。

搭載機

テンプレート:Col

劇中の活躍

機動戦士ガンダムSEED
ヘリオポリスでの完成直後に受けたザフト軍の襲撃によって艦長以下大半の上級士官を失うが、残ったクルーの手により破壊から免れる。G兵器のうち唯一奪取を逃れたストライクを搭載し、ヘリオポリスから脱出した。その後、地球連合軍MSのデータを渡すために地球へと向かった。
地球へ降下した後は、地球連合軍総本部アラスカ基地を目指したが、そこで見せ付けられた地球連合軍の体質や、攻勢したザフト軍のみならず防衛する友軍をもサイクロプスに巻き込んで壊滅させる作戦に不信を抱き、軍籍から離脱して独自行動を取るようになったことで、地球連合軍や大西洋連邦軍からの脱走艦の状態となる。しばらくはオーブに寄港在泊していたが、地球連合軍の侵攻を受けて宇宙へ脱出した。宇宙ではオーブ残存勢力の戦艦クサナギクライン派の戦艦エターナル三隻同盟を結び、以降の行動を共にした。その後にドミニオンと会敵した時には、ムルタ・アズラエルに「不沈艦」と称されている。第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦を戦い抜き、多大な損傷を被るも無事帰還している。三隻同盟は母港を持たないため、帰還先は不明である。
機動戦士ガンダムSEED DESTINY
戦後、アカツキ島にあるアスハ家所有の秘密ドックに収容されていた。改修を受けており、少人数でも運行可能なオートメーション化、潜航用のバラストタンク、魚雷などが追加された。また、海底からの発進や潜水航行、ブースターを使用せずに単体での大気圏突破が可能となった。リラクゼーションなどを目的として、露天風呂を模した大浴場「天使湯」も新設されている。
キラ・ヤマトらの手によってオーブを離脱した後、スカンジナビア王国に匿われていたが、地球連合軍と同盟を結んだオーブ軍の戦闘行為を止めるべくクレタ・ダータネルスでの戦闘に介入し、連合とザフト双方に攻撃を加えた。その後はベルリンでの戦闘にも参戦し、オーブへの帰還を決意するが、ザフト軍の攻撃により多大な損傷を受け、搭載機のフリーダムも失った。
オーブ帰還後、オーブ侵攻戦に参戦し、戦闘後にはオーブ軍に編入されて第2宇宙艦隊の所属艦(旗艦)となる。宇宙へ上がった後は中立都市コペルニクスに停泊し、エターナルを中心とするクライン派の艦隊と合流した。レクイエム攻防戦ではミネルバと交戦し、エターナルと共にタンホイザーの射線上に捉えられて撃沈の危機に瀕するが、ネオ・ロアノークアカツキの援護により形勢は逆転する。そして、ミネルバのトリスタンとミサイル発射管を破壊し、戦闘不能に追い込んだ。クルーに少数の負傷者を出すが、大きな損傷を負わずに終戦を迎えている。また、スペシャルエディション完結編「自由の代償」ではストライクフリーダムやインフィニットジャスティスらとエターナルを護衛しながら、プラントに入港する姿が確認されている。

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ドミニオン

テンプレート:機動兵器 アークエンジェルのデータを元に地球連合軍が建造したアークエンジェル級の2番艦であり、艦長はナタル・バジルールが務める。塗装は黒を基調としているため、アークエンジェルとは対照的なイメージを与える外観を持つ艦になっている。ブリッジ付近のセンサー強化、MSデッキのレイアウト変更、艦尾両舷の垂直翼などに多少の形状違いが見られる以外はアークエンジェルとほぼ同じ性能を持つ。

地球連合軍の後期GAT-Xシリーズであるカラミティフォビドゥンレイダーを搭載しており、パイロットのオルガ・サブナッククロト・ブエルシャニ・アンドラスのほか、オペレーターとしてフレイ・アルスターや、オブザーバーとしてブルーコスモスの盟主ムルタ・アズラエルも乗艦している。

艦名のドミニオンは、天使の階級であり、「アークエンジェル(大天使)」より上位の「主天使」に由来する。

搭載機(ドミニオン)

劇中の活躍(ドミニオン)

月面の地球連合軍基地に配備され、アークエンジェルの追討任務によりL4コロニー群宙域で戦闘を行った。第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦ではアークエンジェルと激戦を繰り広げた果てにそのローエングリンを艦橋部に受け、ナタルやアズラエルと共に爆沈した。

なお、ナタルやアズラエル以外の全クルーは第2次ヤキン・ドゥーエ攻防戦の終盤にナタルの退艦命令を受けて脱出艇で退艦したが、ドミニオンの爆沈後に来襲したプロヴィデンスの攻撃を受けて脱出艇ごと撃墜され、死亡している。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ

  1. 電撃ホビーマガジン 2006年2月号より

関連項目

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