ターミネーター3
テンプレート:Redirect テンプレート:Infobox Film 『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines, T3)は、2003年に公開されたアメリカのSF映画。『ターミネーター』(1984年)、『ターミネーター2』(1991年)から続くシリーズの第3作にあたる。
目次
概要
監督はジョナサン・モストウ、主演はアーノルド・シュワルツェネッガー。キャッチコピーは「恐れるな。未来は変えられる。」。
監督はシリーズの生みの親であり前2作を務めたジェームズ・キャメロンからジョナサン・モストウに交代した。ジョン・コナーを演じる俳優も『ターミネーター2』のエドワード・ファーロングからニック・スタールへ、そして音楽も前作まで担当していたブラッド・フィーデルからマルコ・ベルトラミへと替わった。その結果、前2作とは印象の異なる撮影スタイルで製作されている。
シリーズ中初の女性の容姿をしたT-Xという型のターミネーターが登場し、最新のVFX(視覚効果)で描かれる。
ストーリー
T-1000との壮絶な死闘から10年後。スカイネットが人類に反乱し、核戦争が起きるはずだった1997年8月29日は無事に過ぎ去り、「審判の日」は回避されたかに思われた。母サラ・コナーを白血病で失い、青年に成長したジョン・コナーは、平穏かつ無目的な日々を送るが、未だに胸のどこかで不安を感じており、時にはターミネーターの夢を見ることさえもあった。
不安は的中し、2032年から新たに2体のターミネーターが送り込まれた。1体は未来のジョンの副官となる者達の抹殺を目的とする、T-1000の性能を遙かに凌ぐ、強力なターミネーターT-X。そしてもう1体は、十数年前にコナー親子をT-1000の襲撃から守り、燃え盛る溶鉱炉へ入って自決したT-800の改良版T-850である。すぐさま副官達の殺害に回ったT-Xは、その過程でジョンの行方を把握し、殺害しようとするが、そこへT-850が現れてジョンを救う。
スカイネットの誕生を阻止したはずなのに再びターミネーターが現れたことに驚くジョンへ、T-850は「核戦争は回避されたわけではなく、ただ予定が狂い延期されたのみ」かつ「審判の日は回避不可能」であることを告げる。幼馴染であり、未来では妻かつ反乱軍副官となるケイト・ブリュースターも巻き込んだ逃避行の中、ジョンはその新たな「審判の日」がまさに今日その日であり、ケイトの父かつ軍の高官ロバート・ブリュースターがその鍵を握る人物であることを知る。一行はスカイネットの誕生を阻止すべくロバートの許へ向かうが、一足遅く彼はT-Xに殺害されてしまう。自らもろともT-Xを倒したT-850に別れを告げ、スカイネットとは何であるかを確かめようとしたジョンが核シェルター内で目にしたものは、冷戦時代の時代遅れの大型コンピューターに過ぎなかった。すなわち、T-850の本当の目的は審判の日にジョンとケイトを生き延びさせること、そしてスカイネットとは巨大な中枢システムではなくインターネットで結ばれた破壊困難な分散型システムだったのである。
キャスト
- ターミネーター (T-850) - アーノルド・シュワルツェネッガー
- 過去のジョンを守るため、未来のケイトがプログラムを書き換えて送り込んだターミネーター。T-800の改良版。
- ジョン・コナー - ニック・スタール
- 主人公。後に人類抵抗軍のリーダーとなる。
- ケイト・ブリュースター - クレア・デインズ
- ヒロイン。後に人類抵抗軍の副リーダーかつジョンの妻となる。
- T-X - クリスタナ・ローケン
- 過去のジョンを殺害するため、また、ジョンを保護するために抵抗軍が送り込む旧式ターミネーターを破壊するため、未来のスカイネットが2032年に開発し、過去に送り込んだ、ターミネーター抹殺用ターミネーター。
- ロバート・ブリュースター
- ケイトの父。アメリカ空軍の中将。スカイネット開発計画「サイバー・リサーチ・システムズ」 (CRS) の総責任者。
スタッフ
- 監督 - ジョナサン・モストウ
- 脚本 - ジョン・ブランカート、マイケル・フェリス
- 製作 - マリオ・カサール、アンドリュー・G・ヴァイナ
- VFX - インダストリアル・ライト&マジック、ハイドラックス
- 特殊メイク・アニマトロニクス - スタン・ウィンストン
- 音楽 - マルコ・ベルトラミ
日本語吹き替え
役名 | 日本語吹き替え | ||
---|---|---|---|
劇場公開版 | DVD版 | TV版 | |
ターミネーター (T-850) | 玄田哲章 | ||
ジョン・コナー | 辺土名一茶 | 石母田史朗 | 浪川大輔 |
ケイト・ブリュースター | 林真里花 | 魏涼子 | |
T-X | 岡寛恵 | 本田貴子 | |
ロバート・ブリュースター | 土師孝也 | 津嘉山正種 | |
スコット・ピーターソン | 内田夕夜 | 伊藤健太郎 | |
ピーター・シルバーマン | 森章二 | 稲垣隆史 |
演出:市来満、翻訳:平田勝茂
テレビ放送履歴
回数 | 放送日時 | 放送分数 | 放送局 | 単発特別番組枠 | 視聴率 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 2005年02月25日(金) 21:03-23:09 | 126 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 19.5% |
2 | 2007年06月29日(金) 21:03-23:09 | 17.4% | |||
3 | 2009年06月07日(日) 21:00-23:09 | 129 | テレビ朝日 | 日曜洋画劇場 | 18.6% |
4 | 2010年11月07日(日) 21:00-23:09 | 11.6% | |||
5 | 2011年09月23日(金) 21:00-22:54 | 114 | 日本テレビ | 金曜ロードショー | 9.6% |
6 | 2012年11月21日(水) 21:30-23:24 | TBS | 水曜プレミアシネマ | 7.4% |
ソフト化
DVD
- ターミネーター3 ※ スタンダード・エディション(通常版)ジェネオン エンタテインメントより2006/03/24に発売
- ターミネーター3 ※ プレミアム・エディション(2枚組)(初回限定アウターケース付き)ジェネオン エンタテインメントより2003/12/19に発売
- ターミネーター ※ DVDクアドリロジーBOX(ターミネーター1/2/3/4セット4枚組)ソニー・ピクチャーズエンタテインメントより2009/11/20に発売
Blu-ray disc
- ターミネーター3 ※ ジェネオン エンタテインメントより2009/06/05に発売
前2作へのオマージュ・共通点
この作品は前2作と似ているシーンや、お約束などがいくつかある。
- 未来戦争の描写が存在する。
- シリーズを重ねるごとに技術やスケールがアップしている。ただし、尺の長さは逆に短くなっている。
- 映画の冒頭でターミネーターの事を信じている人物は1人だけ。
- 『1』=カイル(ジョンの父)、『2』=サラ(ジョンの母)、『3』=ジョン。2番目に信用する人物は『1』=サラ、『2』=ジョン、『3』=ケイト(ジョンの未来の妻)と全てコナー・ファミリーで、次回作の「1人だけ映画の冒頭でターミネーターの事を信じている人物」になっている。
- 大男の手を素手で握りつぶす。
- 『3』では服を奪う際に「この手に言いな」と言われ本当に握った手に向かい「よこせ」と言うシーンがある。
- シュワルツェネッガーは必ずサングラスを掛け、バイクに乗る。
- 『3』ではエルトン・ジョンがかけていた物と同タイプのサングラスを一度かけ、違うとばかりに踏み潰すシーンがある。
- T-850が警察の白バイを奪う際に「降りろ」と告げるシーン。
- 『1』でT-800がトラックを奪う際にドライバー、『2』でT-1000がヘリを奪う際にパイロットに告げるシーンに対応している。
- 警官の車両を奪うときは必ず警官を乱暴に扱う。
- シュワルツェネッガー演じるターミネーターは車を奪うとき、必ず窓ガラスを割ってホットワイヤーを使う
- T-850がエンジンをかける前にサンバイザーから腕時計を取り出すシーン。
- 『2』でT-800がジョン・コナーからサンバイザーから車の鍵を取り出すのを教わるシーンと対応している。このシーンは、T-850はバージョンアップモデルで予測判断も上がっているためである。
- 敵のターミネーターは必ず大型車を奪って追ってくる。
- 『1』は石油タンク車『2』は液体窒素タンク車、『3』はクレーン車。因みに一番高価だったのは『3』。
- 未来で起こる出来事の詳細は、ほとんど車の中で説明を受ける。
- 前2作に登場したアール・ボーエン演じるシルバーマン医師役が登場。
- 全作通して登場するのは彼とシュワルツェネッガーのみである。シルバーマン医師は『2』で目撃したターミネーター達の事を幻覚と認識していた。
- T-850がT-Xとの戦闘で、高圧ケーブルを用い感電させる。
- 『1』ではT-800がウェストハイランド警察署を襲撃した際、高圧ケーブルを用いて配電盤をショートさせ、署内を停電にしている。
- ターミネーターはスワット部隊に対して威嚇射撃を行い死傷者が1人も出てないことを確認する。
- 『2』ではM134とM79グレネードランチャーを使用。『3』ではブローニングM1919重機関銃(ドラムマガジンを装備)を使用。
製作
- キャスティング
- キャメロン監督が離脱した理由は「物語は『ターミネーター2』(『T2』)で完結しており、続編を作るべきではない」と考えたためである。キャメロンは「スープに小便をかけられたような気分だ」と揶揄した。一方で主演のアーノルド・シュワルツェネッガーは続編を作りたがっていた。彼は今作のために前作とほぼ同じ体形に鍛えなおした。シュワルツェネッガーが演じるのは、前作に登場したT-800とは別タイプのターミネーター(T-850)である。
- 前作でジョンを演じたエドワード・ファーロングには製作側から続投が望まれていたがドラッグ問題のために降板し、ニック・スタールが抜擢された。多くの報道で「サラ役のリンダ・ハミルトンが回想シーンに登場する」という情報が流れた。当初は彼女にも出演依頼がなされ台本を渡したが、「この脚本にはドラマがない」との理由から降板した。ケイト・ブリュースター役はソフィア・ブッシュが選ばれていたが、モストウ監督から「若すぎる」と判断され、クレア・デインズへ替えられた。アール・ボーエン演じるドクター・シルバーマンは本作にも登場した。ボーエンはシュワルツェネッガーと同じく三作連続出演であるが、同一人物の役で登場しているのは彼だけである(『ターミネーター』は作品ごとに別の機体であり、三作目では形式番号も異なる)。
- カーチェイス
- 派手なカーチェイスは、一般道ではなくボーイング社の工場敷地内部での撮影である。T-Xが駆ったクレーン車は撮影中に一度転倒し大破したが、高額のため1台しか用意しておらず、何とか修理して撮影を続行した。ちなみに、このクレーン車、映像では右ハンドルだがダミーである。オリジナルは左ハンドルであり、実際の運転も左ハンドルで行われている。また、このシーンのスタントでシュワルツェネッガーは怪我をした。
- 決め台詞
- T-850がT-Xを破壊するときの決め台詞は「You are terminated.(抹殺完了)(お前を抹殺する)」。コメンタリーの中でシュワルツェネッガーは「後世に残るような決め台詞をスタッフと相談しながら考えた。色々な台詞を試したが、これ以上の物はなかった」と語っているが、この台詞は奇しくも、第一作目でサラがT-800をプレス機で潰すときのものと同じである。
- T-1
- T-1という初期型のターミネーターが登場した。T-1は、CGだけではなく、工学技術に基づいた精巧なロボットも使用されている。1台あたり1700万円を投じ、合計3台が制作された。
- トイレでのバトルシーン
- このシーンではターミネーター同士の重厚感のある戦いが描かれているが、ロボットではない実際の人間がトイレなどを破壊しながら戦うのは危険で、なおかつCG全盛期の頃の作品ということもあり、このシーンはほとんどがCGである。
- バトルダメージ描写
- それまではシュワルツェネッガー演じるターミネーターのバトルダメージ描写は主に特殊メイクやアニマトロニクスが使われたが、この作品では初めてCGも使われた。
公開後
- 評価
- 国内興行収入は大惨敗であったが、続編の『ターミネーター4』の製作が決定した。シュワルツェネッガーの主演を予定していたが、本作の公開後に彼がカリフォルニア州知事に就任して多忙を極めたため、「出演しない」と発表された。
- 未公開シーン
- 未公開シーンでは、シュワルツェネッガーはCRSの研究スタッフの1人であるウィリアム・キャンディ軍曹という人物も演じており、キャンディの顔がT-800系統のモデルとなっていくシーンがある。この時点で人間がすでにターミネーターの設計を担当しており、スカイネットはそれを元にマシンを製作しているということがうかがえる。シュワルツェネッガーはこのシーンでもドイツ訛りで演じており、ターミネーターの製品化にあたって軍事導入のための視察に訪れた軍人から「この喋り方のままではまずい」と指摘されたスタッフが「声はそのままで訛りは直す」と語る姿が描かれている。
- シュワルツェネッガーが出演しない場合の脚本も用意されていた。
- テレビドラマとの関連性
- 2008年1月からアメリカで、『T2』の後日譚にあたるテレビドラマ『ターミネーター サラ・コナー・クロニクルズ』(TSCC)の放送が始まり、日本では「『T2』と『T4』を繋ぐ作品である」「『TSCC』が『T2』の正式な続編だ」と紹介された。これに伴い、『T3』は一連の物語から除外され、前2作とは異なる時系列のパラレルワールドという設定に変更されたという情報がインターネット上で拡散した[1]が、『T4』のMcG監督は「『TSCC』は『T4』とは無関係である」と明言しており、事実『TSCC』のストーリーと『T4』には矛盾が存在する。そのため、ジョン・コナーの妻となるケイトなど、本作の舞台設定は『T4』に受け継がれている。
- レクサス・トヨタ
- T-Xが女性から奪った車はレクサス・SC430である(映画公開当時の日本にはレクサスが進出していなかったため、プレミアムエディションDVDでは「そこのソアラ、止まりなさい」という字幕が付けられているが、吹き替えは「シルバーのレクサス、停まりなさい」となっている)。また、T-Xの超重量でSC430の車体が沈むというシーンがあったが、DVD化の際にカットされた。「最新型ターミネーターなのに重量問題が改善されていないのはおかしい」と、指摘されたためである。
- 劇中で使用していたトヨタ・タンドラは、映画公開年にタイアップ記念の限定車「T3エディション」として販売された(但し、劇中車はレギュラーキャブ、限定車はアクセスキャブという違いがある)。
- クリスタルピーク
- クリスタルピークでT-850がジョン達を核シェルターに逃がす際、T-XがT-850に内蔵武器の丸鋸を使って攻撃するシーンがあったが、カットされている。しかし、このシーンは小説版にて描写されている。
関連作品
- 漫画
- ターミネーター3 Ark Performance
- ゲーム
- ターミネーター3 ライズ オブ マシーン(PS2)
- ターミネーター3 ザ・レデンプション(PS2)
- ターミネーター3(GBA) - 海外のみで発売
関連イベント
- ジョイポリス「ターミネーター3」
- 映画をテーマにしたお化け屋敷風アトラクション。