日曜討論
テンプレート:基礎情報 テレビ番組 テンプレート:基礎情報 ラジオ番組 『日曜討論』(にちようとうろん、Sunday Debate)は、NHKのテレビおよびラジオで放送されている討論番組である。
NHKでは『国会討論会』『政治座談会』『経済座談会』と題した国会議員、政治関係者、財界・経済専門家をゲストに招いた番組を放送、放送時期とテーマによって題名を変えていたが、1994年4月よりこれらの番組名を統合・一つにまとめ、現在のタイトルとした。
目次
概要
主に与野党の政治家や閣僚などをスタジオに招き[1]、政局や国内外の情勢などの問題についての討論を行う。政治家の当番組での発言内容については、NHK・民放各局のニュース番組や新聞各紙で引き合いに出されることも多い。
司会は現在、NHK解説委員室に属する政治担当の解説委員が担当。制作担当は放送総局報道局政経国際番組部・政治番組班。番組の制作は、東京都渋谷区のNHK放送センターではなく、東京都千代田区永田町に近い旧テレビ千代田放送所跡に建設されたNHK千代田放送会館内のスタジオで行われている。
『国会討論会』の時代には、議員が金曜日に地元に帰ることから、金曜日の夜収録・日曜放送というスケジュールが基本だった。そのため当番組での要人・政治家の発言を金曜夜のニュースで報道することがあった。しかし、政治家が選挙対策としてテレビ出演を重視するようになったこともあり、現在は生放送を基本としている。ただし、政治家の日程の都合で土曜日など他の曜日に事前収録される場合もある(以前は全編収録放送となる場合があったが、現在は生放送の中で事前に収録したものを放送することがほとんどである)。
討論に使用されるテーブルは長方形に構成されている。司会者はテーブルの正面奥に座り、テーブルの両側には一般的に議論が対立する関係にある者が相対する形で座ることが多い。例えば与野党間の討論の場合には、画面右側に与党議員、画面左側に野党議員が座る[2]。なお、長方形のテーブルの中心部分は開いており、この開いている部分の司会者席の前の位置には、発言時間の目安を示す必要があるときに用いられる四角柱の形状の白色ランプが置かれている[3]。国務大臣と有識者の出演または有識者のみ出演の場合は円形のテーブルが使用されることもある。[4]
番組オープニングは最初に話題となった出来事(政治・社会・スポーツなどを問わず)を伝えたあと、その日に取り上げられるテーマの論点についてまとめたVTRで始まる(ラジオでは音声のみ)。このオープニングVTRの最後の部分でその日の番組出席者が紹介される。原則としてテレビ放送とラジオ放送の同時生放送(サイマル放送)であり音声も同一となるが、ラジオ放送の場合には映像がないため、番組冒頭では「日曜討論です」、司会の解説委員の紹介アナウンス(解説委員の島田敏男が担当する時は島田・中川共に司会者自らが挨拶時に自己紹介しているため省略)、番組終了では「日曜討論を終わります」とラジオ放送向けのアナウンスが補われている。[5]
進行役
現在
- 基本的には島田・中川がコンビで担当する。但し、週によっては城本・中川がコンビで担当する。中川はアシスタント的役割で、テーマに関するデータ紹介、番組ホームページから寄せられた視聴者からの意見紹介等を行う。
過去
- ※島田よりも前に着任した影山は、着任当初は当時解説委員だった山本孝と隔週交替、後に島田と隔週交替で進行を担当していた。しかし影山は、2010年8月11日、東京・渋谷のNHK放送センター内のトイレで首を吊って自殺を図り、翌12日に搬送先の病院で死亡。直近の放送では影山の担当が月1回程度でそれ以外は島田の担当が多くなっていた。8月1日の放送が最後の担当であった。死去については15日放送回でエンディングのあとに触れており、それによると影山は司会を259回務めた。影山の事実上の後任として神志名泰裕が務めた(ただし不定期出演で、主に各党党首が出演する場合や各国務大臣が出演する場合などに担当)。
- 兼清麻美(アナウンサー、2012年6月10日放送分の日曜討論スペシャル「どうする“社会保障と消費増税”」のアシスタント)
- ※解説スタジアムと同様、視聴者から寄せられた意見を紹介するアシスタントとして担当。中川の前に本番組でアナウンサーを起用した唯一の事例。
放送時間・チャンネル
毎週日曜日 9:00 - 10:00
- ※状況に応じて生放送と事前収録を使い分けている。また、新年最初の放送や大きなテーマを扱う場合、2部構成をとる場合などには時間枠が拡大される(最大で11:10[6])。
通常は上記時間に以下の各波で放送される。
- 総合テレビ - アナログ放送は2011年7月(岩手・宮城・福島各県以外)および2012年3月(岩手・宮城・福島各県)の終了までレターボックスで放送していた。
- ラジオ第1
- NHKワールド・プレミアム - 2008年10月からはノンスクランブルで視聴可能。レターボックスで放送。ニュース番組の時差放送が多くなるオリンピック期間中でも番組自体休止しない限り国内同時放送は通常通り行う。
- NHKワールド・ラジオ日本 - 2010年4月より国内同時放送開始。衛星ラジオのみの放送。ただし、その日の本番組の放送で終了時間が11:00を超える編成が予定されている場合は休止となり、別番組に差し替えられる(この場合でもNHKワールド・プレミアムで本番組の視聴が可能)。
生放送以外による放送
- ※日本時間で月曜日1:00 - 2:00(放送時間枠拡大の場合あり)。録音による時差放送となる(短波・衛星ラジオとも放送。衛星ラジオは前日9:00に日本国内と同時で初回放送されているため、再放送扱いとなる)。ただし、本番組自体放送がなかったときはラジオ深夜便の同時放送に変更される(放送時間枠拡大の場合でも本番組を休止して深夜便の同時放送に変更される場合がある)。
放送打ち切りのメディア
- BShi - 2005年3月まで、時差放送
- BS2 - デジタル放送は16:9のワイドサイズで放送。アナログ放送はレターボックスで放送。(難視聴対策放送およびチャンネル自体の終了に伴い、2011年3月27日放送分をもって打ち切り)
- NHKワールドTV - 英語放送強化による番組改編で2008年3月30日放送分をもって打ち切り
振り替え放送及び休止例
前提として、年末年始と国政選挙の投票日以外は振り替え放送になっても放送を行う。その具体例として高校野球中継と地震報道・津波報道・緊急地震速報の事例を紹介。なお、ラジオ第1では、以下の理由とは別に夜間時差放送を行っていた時期があった。現在は同時放送であるが、編成の都合などでまれに時差放送となることもある。
- 高校野球に関して、ラジオ第1は全国大会中継の都合で夜(22時台以降[7])に録音放送されることがある[8](ただし、雨天中止時であっても国内向けは放送時間を変更せず、そのまま深夜に移動[9]するが、国際放送では通常時刻で放送。また当初予定の日程が準々決勝の翌日で休養日<2013年夏以後>であるか、準決勝・決勝に該当する場合は通常時間での放送とする)。
- ラジオ第1の地方大会中継(支部予選決勝を含む)は『日曜討論』の放送が最優先となるため、日曜9時台の地方大会中継はFMで放送される。したがって該当する地域では同時間帯にFMで放送される『名演奏ライブラリー』は休止となる(この場合でも「NHKネットラジオ らじる★らじる」で聴取可能)。[10]
- BS2では全国大会と重複する場合でも『日曜討論』の放送が最優先となるため高校野球全国大会はBS1で放送。ただし、2010年3月21日の選抜高校野球開会式の中継は本番組の時間帯と重なったものの、BS1での振り替え放送をせず、本番組は13:00から録画放送。
- NHKワールド・ラジオ日本の場合、ラジオ第1放送が高校野球全国大会中継を放送していても、通常通り国内同時放送。なお、ラジオ第1放送・国際放送では開始冒頭と終了時にラジオセンターのスタジオから補足的なアナウンスが入るが、高校野球期間中における国際放送単独放送(国内同時放送のみ)の場合は補足的なアナウンスは流れない。ただし、2011年3月27日放送分は東日本大震災関連の特別編成により国際放送でもそのまま高校野球中継を放送するため、ラジオ第1放送の録音放送をそのまま同時放送した。[11]
- 2007年3月25日の放送分は番組の途中で能登半島地震が発生して地震報道があったため、総合テレビでは同日15:11から、BS2では翌26日0:00から改めて放送された(撮って出し形式による収録、NHKワールドも同様)。ラジオについては高校野球の放送の関係で最初から夜に時間帯に時差放送されることになっていたため変更はなかった。ちなみに、テレビ国際放送では国内放送より1分ほど遅れて災害報道に切り替わった。
- 2010年2月28日はチリ地震による津波が日本でも発生する可能性があったことから9時台は終始特設ニュースを放送した。総合テレビとNHKワールド(ワールドプレミアム・ラジオ日本)は23時から、ラジオ第1は23:15から、BS2は3月1日0:20(2月28日24:20)からそれぞれ録画・録音放送。テレビの放送では津波警報・津波注意報発令中であったため、発令域地図テロップを最後まで消去せずに表示、一部テロップや図面で見にくい箇所があった。[12]
- 同年10月3日の放送分では番組の途中で新潟県上越地方を震源とする地震が発生。国内放送全波とNHKワールド・ラジオ日本では緊急地震速報が出され(NHKワールド・プレミアムでは緊急地震速報のテロップは表示なし)、進行役の解説委員が注意を呼びかける対応を取った。その後、総合テレビとNHKワールド・プレミアムでは9:30頃からニュースセンターのスタジオから15分間特設ニュースを放送したため一時中断[13]。ラジオ第1とNHKワールド・ラジオ日本でも緊急地震速報の自動音声終了後、そのままラジオセンターのニューススタジオから地震関連の特設ニュースに入ったため途中で放送打ち切りとなった。これらの放送波のうち、総合テレビとラジオ第1[14]では同日の23:55から、NHKワールド(ワールドプレミアム・ラジオ日本)では翌4日の1:00からそれぞれ録画・録音で再放送[15]された(進行役の解説委員が注意を呼びかける対応の部分のみカットした上での再放送)。なお、BS2ではそのまま本番組の放送が続けられた。
- 2011年5月1日は国会中継「参議院予算委員会」の質疑を放送するため番組自体放送休止。年末年始と国政選挙の投票日以外での本番組休止は史上初のケースとなった。[16]
- 2012年7月29日は総合テレビでロンドンオリンピックの録画中継放送が7:45-11:54に組まれる関係上、中継のないラジオ第1・NHKワールド(別名:ワールドプレミアム、ラジオ日本)も含めて番組自体放送休止。年末年始と国政選挙の投票日以外での本番組休止は上記にある2011年5月1日の国会中継「参議院予算委員会」の質疑の模様を放送した時以来のことだった(2012年7月18日公表のロンドンオリンピック放送計画より)。
- なおオリンピック中継のない放送波のうち、NHKワールド・プレミアムでは同年7月22日にBSプレミアムで放送された「祭りだ祭りだ 東北夏祭りスペシャル まっさかり!東北の夏」(8:30-10:00)を、ラジオ第1とNHKワールド・ラジオ日本では同年7月16日(海の日の祝日)にFM放送で2時間に渡り生放送された「RunBeat!!~Run with Radio~」を1時間に再編集してそれぞれ放送(ただし、後者番組については高校野球地方大会中継に差し替えた福井局を除く)。
- 同年11月4日放送の「14党に問う どうなる臨時国会 政局のゆくえは」及び11月18日放送の「衆議院解散 どう臨む政治決戦」はいずれも11:10までの放送であるが、NHKワールド・ラジオ日本のみ、電波運用面の都合や11:00からの国際放送独自の定時ニュースの放送の確保などから国内同時放送を休止し、FM放送や過去に放送されたデジタルラジオ実用化試験放送番組の時差放送に差し替えとなった(放送で確認)。
- 2014年6月15日は、2014 FIFAワールドカップブラジル大会1次予選・日本対コートジボワールの試合を総合テレビ・ラジオ第1で同時に生中継(テレビはこれに先駆け6月14日深夜相当の15日未明から日本戦を含む3試合連続放送)を行うため国際放送も含め休止となる。
その他に振り替え放送事例ではないものの、2011年2月20日放送分ではスタジオ内の照明が電源の不具合で一部暗くなるトラブルが起きたが、番組そのものは通常通り行われた。番組中に進行役の解説委員からおことわりのコメントを伝え、総合テレビではしばらくの間、字幕スーパーでその旨の表示が出された(BS2とNHKワールド・プレミアムでは表示なし)。また、2011年3月13日放送分「東北地方太平洋沖地震 政治の対応を問う」は特設ニュースの合間の放送だったため、通常の放送波に加え、Eテレ、BS1、BSハイビジョン、FM放送でも同時放送された。[17]
特集番組
衆議院議員総選挙、参議院議員通常選挙といった国政選挙には選挙期間中と投票後に各政党が出演する特集番組が何本か放送される。全て総合テレビとNHKワールド・プレミアム(ノンスクランブル)での放送が前提となっており、ラジオ第1、NHKワールド・ラジオ日本での放送時間が異なることがある。
選挙期間中の日曜日・日曜討論の時間ないしは『NHKスペシャル』が放送される21時台、及び投票翌日の19時台・20時台に放送。国会討論会時代は『選挙討論会』として放送されていた。開票が投票日の翌日に行う時、投票日の21時から特集番組を放送。
開票番組では『日曜討論』司会者のどちらかが出演し、NHKの開票速報本部と各政党・団体の選挙対策本部にいる党首・代表者を中継回線で結んだ討論会が行われる。翌日開票で投票日に開票番組を放送しない時は21時台に討論形式の特集番組を放送していた。
投票日の『日曜討論』は公職選挙法により、投票締め切り24時間前から選挙活動が禁止されている(放送にも制約がかかる)ことと、開票速報の準備作業のために放送しない。投票日に『日曜討論』が休止となった場合は別番組を編成する。テレビではドキュメンタリーやアンコール番組などを編成[18]、ラジオでは『歌の日曜散歩』を延長して対応(ただし、9時55分からのローカル枠は原則設定されない)。
衆参の補欠選挙や統一地方選挙、あるいは東京都議会議員選挙の投票日は、政治家の出演がなくゲストが有識者だけになる場合が多い。
その他
新年最初の放送では、与野党の党首ら[19]が議席順に登場し、司会者との対談形式で新年の抱負を述べる形になる。この時のテーブルは国務大臣と有識者または有識者のみの出演と同じく、円形のテーブルが使用される(長方形を正方形に配したテーブルの場合もあり)。座る時の位置は与党が右側、野党は左側となっている。一部はスケジュールの都合上、地方局のスタジオからの出演または本番組のスタジオや司会者が党本部などに出向いて事前に収録を行う場合がある。[20]
2010年4月の放送分より、NHKオンデマンドの「見逃し番組サービス」にて有料で14日間配信している。[21]
政治部出身の海老沢勝二(元NHK会長)は会長在任当時も頻繁に放送現場に立ち会っていたという。
スタジオにいるカメラマンも背広(スーツ)姿で撮影業務を行うが、決して珍しいことではなく、報道番組全体や式典などでも行われている。
脚注
外部リンク
なお、2014年3月30日は元々日程通り行われれば選抜高校野球休養日で通常放送となるところだったが、3月26日の試合が雨天順延によりこの日準々決勝を開催することになったためひとまずは24時台に移動して放送することになった。しかし3月29日に引き分け再試合が生じ、30日はその1試合だけを開催することから、結果的に当初の通常放送に戻されている。
また2014年は「wktk-」が23時までの放送となり、「深夜便」は23:10開始に戻ったが、2011年度までとは違い、23時台の「ないとガイド」は通常放送となり、「日曜討論」は今までと同じ24時台の放送となる。なお2014年8月10日の放送は、全国高校野球の開催が8月9日の段階で台風11号接近により開催中止が決まったため、急きょラジオ第1も同時放送に変更された。当初は午前9時からの予定だったが、台風被害拡大のためこの時間は特設ニュースを放送するため、午後2時に一旦放送予定が繰り下げられたが、ニュース延長により午後3時30分からの放送開始となった。ただし公式サイトでは一時「午後4時開始」とする記述があったが、のちに3時30分開始に繰り上げられている