EMI
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EMI(イーエムアイ)は、イギリスのレコード会社である。1931年に英コロムビアと英グラモフォン(HMV)が合併し、Electric and Musical Industries Ltdとして設立された。
かつてはユニバーサル・ミュージック、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ワーナー・ミュージックと共に4大レコード会社のひとつであった。音楽出版事業はソニーを中心とした企業連合に買収され、レコード部門については、一旦はユニバーサルによって買収されたものの、その後ユニバーサルがその一部をワーナーに売却している。
目次
沿革
英コロムビア
- 1897年 - シリンダー型蓄音機「グラフォフォン」の製造・販売を行っていたコロムビア・フォノグラフ社(後の米コロムビア)のイギリス支店である「英コロムビア」として設立される。
- 1922年 - 米コロムビアから完全に独立する。
- 1926年 - ドイツのカール・リンドストレームが所有していた「オデオン」と「パーロフォン」を買収する。
- 1928年 - フランスのパテ・マルコニを買収する。
- 1931年 - 英グラモフォン(HMV)と合併し、Electric and Musical Industries Ltd(EMI)となる。
英グラモフォン(HMV)
- 1897年 - ディスク型蓄音機「グラモフォン」の製造・販売を行っていたベルリーナ・グラモフォン社のヨーロッパ進出のため、イギリスのオーエンがエミール・ベルリナーから蓄音機に関する特許を受け取り、ロンドンに「英グラモフォン」を設立する。
- 1898年 - ドイツのハノーファーに工場を設立する。(これがクラシック音楽のレーベル「ドイツ・グラモフォン」の始まりである。)
- 1907年 - ニッパーの犬のマーク(このマークは後に日本ビクターでも用いられる)を採用し、"His Master's Voice"というそのマークのキャプションの頭文字をとって、「HMV」という愛称で呼ばれることになる。
- 1925年 - 第一次世界大戦の勃発によって、英グラモフォンのドイツ支社であった「ドイツ・グラモフォン」がドイツ資本の会社となったため、新レーベル「エレクトローラ」を設立する。
- 1931年 - 英コロムビアと合併し、Electric and Musical Industries Ltd(EMI)となる。
EMI
- 1931年 - 英コロムビアと英グラモフォン(HMV)が合併して、Electric and Musical Industries Ltdとして設立される。
- 1934年1月 - 最初のステレオ録音が、実験的に行われる(SP媒体を使った、一本溝によるステレオ録音)。内容は、トマス・ビーチャム指揮ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団による、モーツァルト作曲の交響曲第41番「ジュピター」。
- 1949年9月 - テープ・レコーダーを使用した録音を開始[1]。
- 1951年7~8月 - 戦後に初めて再開されたバイロイト音楽祭の録音を行う。この中には、フルトヴェングラー指揮のベートーベン作曲交響曲第9番という、歴史的名盤も含まれている。
- 1955年1月 - アメリカ、ハリウッドのレコード会社「キャピトル・レコード」(1942年に設立される)との業務提携開始。これを機に、同社の買収に乗り出す。
- 1958年10月 - ステレオLPの発売を開始。第1回発売は、R・コルサコフ作曲の交響詩「シェヘラザード」(サー・トーマス・ビーチャム指揮、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団)ほか
- 1968年 - EMIのゴッドフリー・ハウンズフィールドがX線CTを発明。1972年には臨床用CT(EMIスキャナ)を製作。(後に撤退)
- 1973年 - EMIは東芝音楽工業株式会社(東芝の独立レーベル)に資本参加し、東芝EMIと改称。
- 1979年 - CTを発明したハウンズフィールドがノーベル生理学・医学賞を受賞。
- 7月2・3日 - 自社のアビー・ロードの第1スタジオにて、初のデジタル録音を行う。第1号は、アンドレ・プレヴィン指揮、ロンドン交響楽団による、ドビュッシー作曲の「管弦楽のための映像」及び「牧神の午後への前奏曲」[4]。
- 1982年11月 - EMIグループに於いての世界初のCDが、当時の日本の東芝EMIから発売される(CDのカッティング及びプレスは、当時のCBSソニーに委託して行った)。
- 1992年 - イギリスのヴァージンを買収する。
- 1995年 - ドイツのインターコードを買収する。
- 2007年 - 東芝が音楽部門を撤退、日本の東芝EMIを完全子会社化しEMIミュージック・ジャパンに改称。
- - 英プライベート・エクイティ・ファンドのテラ・ファーマが、米金融大手シティグループからの融資を受けてEMIを42億ポンドで買収した。しかし、その後の世界金融危機などの影響からEMIの業績が急速に悪化し、テラ・ファーマはEMIへの資金注入を余儀なくされた[5]。
- 2009年12月 - テラ・ファーマは、シティグループを詐欺の疑いで提訴した[5]。
- 2011年2月1日 - シティグループがEMIの全株式を取得し、同社の経営権を掌握した[6]。
- 11月11日 - ユニバーサル・ミュージックが、EMIのレコード部門を買収することについて株主のシティグループと合意したと発表した。また同日、ソニーを中心とした企業連合が、EMIの音楽出版事業を買収することについて株主のシティグループと合意したと発表した。
- 2012年
- 6月30日 - ソニーが、EMIの音楽出版事業についての買収手続きが完了したと発表した。これにより、ソニーが世界最大の音楽著作権者となった。
- 9月28日 - ユニバーサル・ミュージック、EMIのレコード部門の買収を完了した。これにより、ユニバーサル・ミュージックは世界最大の音楽事業会社としての地位を強化した。
- 2013年
- 2月7日 - ユニバーサル・ミュージックが、EMIレコードの主要部門であるパーロフォン・レーベル・グループを、ワーナー・ミュージック・グループに売却することに合意した[7]。
主なレーベル
当初、EMIは傘下に多数のレーベルを抱える統括会社として存在していた。同名の「EMI」というレーベルが設立されたのは1972年のことである。
- EMI
- EMIクラシックス
- アップル・レコード
- パーロフォン
- オデオン(en:Odeon Records)
- ハーヴェスト・レコード(en:Harvest Records)
- キャピトル・レコード
- リバティ・レコード(en:Liberty Records)
- ブルーノート・レコード
- マンハッタン・レコード(en:Manhattan Records)
- リアル・ワールド(en:Real World Records)
- クリサリス・レコード(en:Chrysalis Records、2005年で閉鎖)
- ヴァージン・レコード
- カリスマ・レコード(en:Charisma Records)
- アストラルワークス(en:Astralwerks)
- 百代(zh:科藝百代)
主なアーティスト
ここでは、キャピトル、ヴァージン・レコード、ブルーノートの所属アーティストを除外する。
クラシック音楽
- マリア・カラス
- ジュゼッペ・ディ・ステファーノ
- プラシド・ドミンゴ
- ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
- オットー・クレンペラー
- カール・シューリヒト
- アルフレッド・コルトー
- ワルター・ギーゼキング
- エドウィン・フィッシャー
- パブロ・カザルス
- ディヌ・リパッティ
- キャスリーン・フェリアー
- エリーザベト・シュヴァルツコップ
- サンソン・フランソワ
- ジョルジュ・シフラ
- ジャクリーヌ・デュ・プレ
- アンドレ・クリュイタンス
- ジョン・バルビローリ
- エイドリアン・ボールト
- ジャン・マルティノン
- ルドルフ・ケンペ
- オイゲン・ヨッフム
- クラウス・テンシュテット
- リッカルド・ムーティ
- サイモン・ラトル
- アントニオ・パッパーノ
- アルバン・ベルク弦楽四重奏団
- ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
- ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
- ミュンヘン・フィルハーモニー管弦楽団
- 北ドイツ放送交響楽団
- バイロイト祝祭管弦楽団
- シュターツカペレ・ドレスデン
- パリ管弦楽団
- フランス国立管弦楽団
- ロンドン交響楽団
- ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
- フィルハーモニア管弦楽団
- バーミンガム市交響楽団
- フィラデルフィア管弦楽団
- サンクトペテルブルク・フィルハーモニー管弦楽団
ポピュラー音楽
- クリフ・リチャード
- ビートルズ
- ホリーズ
- アニマルズ
- ピンク・フロイド
- ディープ・パープル
- ホワイトスネイク
- デヴィッド・ボウイ
- クイーン
- クラフトワーク
- テレックス
- ケイト・ブッシュ
- アイアン・メイデン
- シーナ・イーストン
- ティナ・ターナー
- ケイティ・ペリー
- デュラン・デュラン
- カイリー・ミノーグ
- ペット・ショップ・ボーイズ
- ジーザス・ジョーンズ
- セックス・ピストルズ
- EMF
- ブラー
- リー・ライアン
- リズ・マクラーノン
- RBD
- ブルー
- トーキング・ヘッズ(1984年以降、米加以外)
- エターナル
- X JAPAN
脚注
関連項目
外部リンク
- ↑ 2011年2月25日にEMIミュージックジャパンのホームページにて公開された、EMIのエンジニアであるサイモン・ギブソンの、フルトヴェングラーの一連のSACDプロジェクトのリマスターについてのコメント映像にて、ギブソン自身が述べている。
- ↑ この演奏者による同じ場所でのセッション録音は、この日を含めて、同月の7、9、11日の計4日間行われた。この間には、前記の他に、チャイコフスキー作曲のバレエ組曲「くるみ割り人形」、プロコフィエフ作曲の『交響曲第1番「古典」』 、同『組曲「3つのオレンジへの恋」』が録音された。尚、この録音の一部のステレオ・テープ・ソフトは初め、英EMIだけでなく、米RCAビクターからも発売された。尚、この4日間の全録音のCDは、現在英EMIから発売されている(CD番号:0946 3 82229 2 7)
- ↑ その後、米コロムビア原盤は蘭フィリップス、米RCAビクター原盤は英デッカ経由で英国で配給されることとなる。
- ↑ この音源は現在、米EMIクラシックスのCDにて入手可能である(CD番号:0946 3 91966 2 3)。
- ↑ 5.0 5.1 テンプレート:Cite web
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- ↑ ウォール・ストリート・ジャーナル 2013年2月8日付記事に掲載