液体窒素
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液体窒素(えきたいちっそ、Liquid nitrogen)は冷却された窒素の液体である。液化空気の分留により工業的に大量に製造される。略項はLN2で、純粋な窒素が液相状態になったものである(液体の密度は三重点で0.807 g/mL)。
液体窒素は 冷却剤として使用される液体で、生体組織に付着すると容易に凍傷を引き起こし、また密閉空間で急激に気化させると酸素欠乏症に陥るので慎重な取り扱いが必要である。周囲の熱を断熱することで、液体窒素は目に見えるような蒸発による損失をともなうことなく貯蔵あるいは輸送ができる。
液化は1906年にオランダのヘイケ・カメルリング・オネスによって行われた。
応用
液体窒素はコンパクトで、高圧装置なしで輸送可能な窒素ガスの供給源である。その上、水の凝固点を遙かに下回る低温を維持することができ(1気圧下での液体窒素の沸点は77 K, −196 ℃, −320 [[華氏|テンプレート:°F]])、おもに使い切りの冷却剤として様々な用途に利用されている。次に示す。
- 低温物理学の実験。
- 食品製造において瞬間冷凍や輸送に利用される。
- 血液の凍結保存や、生殖細胞(精子や卵子)、生物学的サンプルや素材の保存。
- 将来のよみがえりを期待した、人間やペットの凍結保存。
- 高感度のセンサー[1]やローノイズ増幅器[2]の冷却剤。
- スーパーコンピュータの中央演算装置や他のコンピューターハードウェア類のオーバークロッキング用(記事 ETAシステムズに詳しい)
- 作業の状況によっては配水管を凍らせて作業区域に水があふれるのを阻止する。
- 爆弾の処理の際に凍らせて爆発を防止する。この場合は電池を凍らせて起爆装置を無効化している。
- 皮膚医療において、いぼや光線性角化症など見苦しかったり癌化の可能性がある新生物を除去するのに利用。[3]
- 高温超伝導体の冷却。
出典
- ↑ 150cm望遠鏡の液体窒素冷却CCDカメラ冷却によりCCDの熱雑音を抑えCCDの感度を高める。
- ↑ 近赤外域微弱光検出装置 熱雑音を低減させるために特殊設計された増幅器を冷却する。
- ↑ 皮膚科・形成外科(大分大学付属病院診療科) 冷凍凝固療法 ウイルス性,老人性疣贅に液体窒素を圧抵し,壊死脱落させる方法