八幡市駅
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八幡市駅(やわたしえき)は、京都府八幡市八幡高坊にある、京阪電気鉄道の駅。
目次
概要
石清水八幡宮へ向かう男山ケーブルとの乗り換え駅であるとともに、駅前にバスターミナルが設けられている。しかし、同市内のバス路線の多くが大阪府枚方市北部にある樟葉駅を拠点としている事[1]に加え、八幡市の人口の重心となっている男山団地が同駅寄りにあるため、当駅の乗降客数は樟葉駅の約6分の1程度[2]に留まっている。
当駅は急行停車駅であるが、2003年(平成15年)9月と2008年(平成20年)10月のダイヤ改定で相次いで削減され、現在は京阪間通しの急行は早朝・深夜のみの運転となり、土休日は朝に淀行、夕方に淀始発が数本運転されている。また、正月ダイヤでは、当駅が最寄りの石清水八幡宮や、伏見稲荷駅が最寄りの伏見稲荷大社などへの参拝客をさばいて急行が10分毎に終日運転されている。
歴史
当駅は京阪線の開通と共に設置された駅で、急行運転開始後は急行停車駅として樟葉駅が整備される以前は拠点駅の一つだった。1番線から分岐する形で大阪方に留置用の側線を、京都方と大阪方にそれぞれ逆方向の渡り線を備え、当駅折り返しの列車(A急行など)も設定されていた。開業時は相対式ホーム2面のみだったが、何時副本線(待避線)が設置されたかは不明である[3]。
600V時代は、橋本変電所の改修工事の時や「正月・初午の臨時輸送対策」として留置用の側線に移動変電所181・182(3201・3202)が留置され、自社伏見変電所経由で送電された交流22kVを直流600Vに変電して本線のき電系統に送電していた。
1969年頃には構内踏切が存在していたが、いつ頃構内地下道に切り替えられたか不明。
長らく、京阪本線の急行停車駅で唯一、エレベーターやエスカレーター・多目的トイレなどのバリアフリー対策設備がない駅であった。駅改札内のトイレは京都行きホームの西端に設置された汲み取り式トイレのみで、駅前の公衆便所が水洗であることと比較しても駅設備として劣っていた。そのため、バリアフリー対策設備設置工事として淀駅の高架化事業の進展に伴い4番線を撤去し、その跡地の一部を利用してエレベーターやスロープ、多目的トイレの設置などが行われた[4]。バリアフリー対応施設は2010年12月23日から使用開始し、併せて改札内のトイレも移設のうえ水洗化された[5]。
さらに、駅舎の改修工事と照明器具のLED化も行われた。駅舎は上屋をテント化してライトアップする事によりエジソンが発明した白熱電球をイメージしている。コンコース及びトイレの壁面の一部はタイルに張り替えられ、タイル面に緑色のLED照明を当てる事により、八幡の竹をイメージしている。イメージ演出や省電力化についてはパナソニックグループと京阪が共同で検討し、照明機器としてLED照明が150台が設置されている。これら一連の工事は2011年3月に完了した[6][7]。
年表
- 1910年(明治43年)4月15日 - 京阪本線開通と同時に八幡駅として開業。
- 1916年(大正5年)4月1日 - 急行停車駅となる。
- 1917年(大正6年)10月1日 - 大正大洪水で京阪線浸水で運休、同月14日駅再開[8]。
- 1926年(大正15年)6月22日 - 男山索道の八幡口駅開業。
- 1928年(昭和3年)5月28日 - 社名変更により八幡口駅は男山鉄道の駅となる。
- 1939年(昭和14年)12月25日 - 京阪本線の駅が石清水八幡宮前駅に改称[9]。
- 1943年(昭和18年)10月1日 - 京阪本線の駅が会社合併により京阪神急行電鉄(阪急電鉄)の駅となる。
- 1944年(昭和19年)2月11日 - 男山鉄道が資材供出のため廃止。
- 1948年(昭和23年)1月1日 - 京阪本線の駅が八幡町駅に改称[9]。
- 1949年(昭和24年)
- 1953年(昭和28年)9月26日 - 台風13号により、宇治川-木津川間の築堤崩壊とそれに伴う伏見変電所から橋本変電所への送電線の切断で停電で運休。10月1日より八幡-淀間を単線で仮復旧で駅再開[11]。
- 1955年(昭和30年)12月3日 - 京阪電気鉄道の鋼索線が改めて開業。八幡口駅、急行の停車が復活[12]。
- 1956年(昭和31年)3月10日 - スピードアップのためホームを改築[9]。
- 1957年(昭和32年)1月1日 - 鋼索線の八幡口駅を八幡町駅に名称統一。
- 1961年(昭和36年)8月15日 - 下りホームと男山ケーブルのホームとの連絡通路開設[9]。
- 1969年(昭和44年)8月10日 - 列車接近自動放送装置を新設、使用開始[13]。
- 1969年(昭和44年)- バス乗り場を路線拡充対策として鋼索線駅舎前より現在の観光案内所付近に移設。
- 1977年(昭和52年)11月1日 - 八幡町の市制施行に併せて駅名を八幡市駅に改称[9]。
- 1983年(昭和58年)
- 1985年(昭和60年)12月25日 - 3番線(大阪行本線)に転落検知マットを設置[15]。
- 1987年(昭和62年)6月1日 - 急行の8連化に併せてホーム延長、使用開始。
- 1991年(平成3年)6月 - 京都行ホームの待合室を冷房化[16]。
- 1992年(平成4年)5月 - 大阪行ホームに冷房付き待合室を設置[17]。
- 1999年(平成11年)6月3日 - 駅前にコンビニ「アンスリー」開業[18]。
- 2003年(平成15年)9月6日 - 京阪本線ダイヤ改定。日中の急行及び直通普通がなくなったので、日中は準急のみの停車となった。事実上、朝夕以外は優等列車が当駅に止まらなくなる。
- 2006年(平成18年)4月16日 - 京阪本線ダイヤ改定。日中の京阪間直通普通が復活したので、日中の普通列車停車が復活。また土曜・休日朝夕の京阪間直通急行が増加したため、当駅に停車する急行が増えた。
- 2008年(平成20年)
- 2009年(平成21年)9月12日 - ダイヤ改定により4番線を廃止(線路は撤去され、線路跡にエレベーターの設置工事が開始され、工事資材が仮置き場や工作機器の搬入路に使用される)[4]。
- 2010年(平成22年)12月23日 - エレベーターと水洗トイレ・多目的トイレを設置、使用開始[5]。
- 2011年(平成23年)3月 - 駅のリニューアル工事完成。
- 2012年(平成24年)8月14日 - 集中豪雨・落雷で、京阪本線冠水・鋼索線土砂崩れで始発より運休、京阪線は当日中に復旧するも、鋼索線は8月中は復旧工事で運休[20]。
- 2014年(平成26年)3月31日 - 3番ホーム下の足下灯を蛍光灯からLEDの点滅式に更新[21]。
利用可能な鉄道路線
駅構造
京阪本線と鋼索線の駅舎は独立しているため、乗り換えの際には一度改札から出場しければならない。
京阪本線
単式・島式の複合型2面3線のホームを持つ地平駅。上りのみ待避線を有する。
2009年(平成21年)9月11日までは下り線にも待避設備を備えた島式2面4線のホームを持つ地平駅だったが、翌12日のダイヤ改定で淀駅の下り線が高架化に伴い待避線が敷設されたため、当駅の下り待避線(4番線)は使用中止となった。その後線路が撤去され、ホームの4番線側に仮設の柵が設置されて単式ホームとなった。凹形に湾曲している大阪行きの3番ホームの下には転落検知マットやLEDの足下灯が設置されている。
駅舎(改札口)は下り線の南側東寄りにあり、下り線西側には初詣・初午での石清水八幡宮への参拝客用の臨時改札(出口専用)もある。但し、ここの臨時改札口を使ってPiTaPaやICOCAで出場する場合、簡易型の専用改札機を使用する事になる。駅舎とホームへは地下道で連絡している。
1976年(昭和51年)9月12日改正以降は基本的に日中は当駅で追い抜きは行われない[22]。待避線である1番線は土休日朝の淀行き急行のみ使用していたが、2013年(平成25年)3月改正でそれもなくなり、1番線に発着する定期列車は存在しなくなった。
のりば
1・2 | テンプレート:Color京阪本線(上り) | 中書島・三条・出町柳方面 |
---|---|---|
3 | テンプレート:Color京阪本線(下り) | 枚方市・京橋・淀屋橋・中之島線方面 |
- 1番線が上り待避線、2番線が上り主本線、3番線が下り主本線である。いずれのホームも8両編成の停車可能。線形の関係上、ホームがカーブしている。
- 発車メロディが導入されている。
鋼索線
櫛型2面1線のホームを持つ駅。ホームはそれぞれ乗車用、降車用となっているが、通常は乗車用の1面1線しか使われない。改札口は1ヶ所のみ。正月三が日などの混雑時は本線駅改札付近から鋼索線駅付近まで長蛇の列ができるので、降車用ホームも使用される場合がある。また、鋼索線の当駅付近には乗車待ちの客のための広いスペースがあるが、その際には鋼索客車と同じ塗り分けの仮設臨時出札口を設置して対応する。駅舎に併設して、トイレがある。
利用状況
2009年11月10日の乗降人員は10,045人である[2]。
近年の利用客数の推移は下記の通り。
年度 | 特定日[23] | 平均[24]</br>乗車人員 | |
---|---|---|---|
調査日 | 乗降人員 | ||
2006年 | 11月8日 | 11,030 | 5,756 |
2007年 | 11月7日 | 11,475 | 5,694 |
2008年 | 11月11日 | 10,752 | 5,622 |
2009年 | 11月10日 | 10,045 | 5,162 |
2010年 | 11月9日 | 9,884 | 5,090 |
2011年 | 11月1日 | 9,668 | 4,934 |
2012年 | 10月30日 | 9,251 | 4,923 |
駅周辺
南側には山上に石清水八幡宮のある男山がそびえている。当駅から鋼索線に乗車するか、徒歩で参道を登る。
航空事故殉難者を祀った飛行神社がある。
八幡市立松花堂美術館が松花堂庭園に隣接して2002年(平成14年)に開館した。(当駅よりバス利用で約10分[25])
八幡市役所は、当駅より南に徒歩で約20分のところにある(バス利用では約5分)。
北側へ歩くとほどなく2つの御幸橋があり、両橋の間にある背割堤(淀川河川公園)は桜の名所で知られる。
路線バス
京阪バスが運行している。1番乗り場は男山営業所管轄、2番乗り場は一部を除き京田辺営業所管轄の路線の乗り場となっている。正式なバス停留所名は「京阪八幡」である(駅名と一致していない)。
- 1番乗り場
- 32:樟葉駅行(大芝・松花堂前経由)
- 33:西戸津行
- 41:樟葉駅行(中の池公園経由)
- 77:男山車庫行(大芝・松花堂前経由)
- 2番乗り場
- 73:循環右回り(西岩田→内里)
- 73:内里南行
- 73C:循環左回り(内里→西岩田)
- 74:新田辺行(内里経由)
- 75C:新田辺行(岩田経由)
- 76:岩田南行
- 76B:池嶋行
- 79:三野行(内里経由)
隣の駅
- 京阪電気鉄道
- テンプレート:Color京阪本線
- テンプレート:Color快速特急・テンプレート:Color特急・テンプレート:Color通勤快急・テンプレート:Color快速急行
- 通過
- テンプレート:Color急行
- テンプレート:Color急行(淀駅始終着の列車)
- 樟葉駅 - 八幡市駅 - 淀駅(京都競馬場)
- テンプレート:Color通勤準急(平日下りのみ運転)・テンプレート:Color準急・テンプレート:Color普通
- 橋本駅 - 八幡市駅 - 淀駅(京都競馬場)
- テンプレート:Color快速特急・テンプレート:Color特急・テンプレート:Color通勤快急・テンプレート:Color快速急行
- テンプレート:Color鋼索線(男山ケーブル)
- 八幡市駅 - 男山山上駅
脚注・出典
関連項目
外部リンク
テンプレート:Navbox- ↑ 京阪バス時刻表
- ↑ 2.0 2.1 京阪電鉄開業百年記念誌『京阪百年のあゆみ』資料編「駅別乗降客の推移」より
- ↑ 出典・『鉄道ピクトリアル』1991年12月増刊号「特集京阪電気鉄道」のp.57に掲載の開業当初の写真より
- ↑ 4.0 4.1 出典・『K PRESS2009年10月号』16面の「くらしのなかの京阪」
- ↑ 5.0 5.1 出典・京都新聞2010年12月23日朝刊22面の記事より
- ↑ テンプレート:PDFlink
- ↑ 参考文献『京阪第89期株主通信』7頁の「京阪トピック」の中の『八幡市駅がお客さまと環境にやさしい駅にリニューアル』
- ↑ 出典・京阪100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)84頁「淀川の決壊」
- ↑ 9.0 9.1 9.2 9.3 9.4 9.5 出典・京阪100周年記念誌「京阪百年のあゆみ」(2011年3月24日刊)資料編140頁
- ↑ 出典・関西鉄道研究会(1991年2月1日発行)「車両発達史シリーズ1 京阪電気鉄道」の36頁
- ↑ 出典・京阪100周年記念誌『京阪百年のあゆみ』(2011年3月24日刊)231頁「台風13号の被害」
- ↑ 出典・関西鉄道研究会(1991年2月1日発行)「車両発達史シリーズ1 京阪電気鉄道」の38頁
- ↑ 出典・京阪100周年記念誌「京阪百年のあゆみ」(2011年3月24日刊)資料編の年表232頁
- ↑ 出典・京阪100周年記念誌「京阪百年のあゆみ」(2011年3月24日刊)資料編242頁(年表)
- ↑ 出典・京阪電車開業80周年記念志『過去が咲いている今』の年表より
- ↑ 出典・駅置き広報誌「くらしのなかの京阪」1991年7月号
- ↑ 出典・駅置き広報誌「くらしのなかの京阪」1992年6月号
- ↑ 出典・京阪電車開業90周年記念誌『街をつなぐ 心をむすぶ』のP.212より
- ↑ 出典・駅置き広報誌『K PRESS』2009年3月号の16面「くらしのなかの京阪」
- ↑ 出典・列車運行情報
- ↑ 出典・駅置き広報誌『K PRESS』2014年5月号の16面「くらしのなかの京阪」
- ↑ 出典・藤井信夫篇『関西の鉄道 別冊第1巻』「京阪電気鉄道 戦後分離独立後の歩み PartⅠ」66頁より
- ↑ “八幡市統計書(平成23年版)”、“八幡市統計書(平成25年版)”. 2013年12月27日閲覧。
- ↑ テンプレート:Cite web年度数値を日数で除して算出。
- ↑ テンプレート:Cite web