ジャム
ジャム (テンプレート:Lang-en-short) は、フルーツの果実や果汁に重量比10%から同量程度の砂糖や蜂蜜を加えて加熱濃縮し、保存可能にした食品で、スプレッド類の1つである。コンフィチュール (テンプレート:Lang-fr-short)やコンフィテューレ(テンプレート:Lang-de-short)ともいう。
概要
果実や果汁に含まれているペクチンに糖類と酸が作用して、ゼリー状に柔らかく固まる作用を利用した加工食品。原料となる果物にペクチンが不足している場合、ペクチンを補うことでゼリー化させる。酸が不足している場合、商業生産の現場ではクエン酸、酒石酸、リンゴ酸などを、家庭ではレモン果汁、酸味の強いリンゴ(紅玉など)などを加える。原料果実の風味を残すため、無加熱の超高圧下で調理し加える砂糖の量を少なくしたものも流通している。
完成したときに果実の原型が比較的保たれているものは、プレザーブ (テンプレート:Lang-en-short)という。オレンジやレモンなどの柑橘類を原料とし、果皮が含まれているものは特にマーマレード (テンプレート:Lang-en-short) という。
非常に甘いため、そのまま食べることは少なく、パンやクラッカーなどに塗って食べるのが一般的である。その他、サンドイッチの具としたり、ヨーグルトやフレッシュチーズにかけて食べたり、様々なケーキの原料とされる。
一般的に使用されるフルーツにはイチゴ、アンズ、リンゴ、オレンジ、ブドウ、イチジク、ブルーベリー、ラズベリー、ブラックベリー、モモなどがある。珍しいフルーツや野菜(ルバーブ、ニンジン、カボチャなど)、花弁(バラ、スミレ、ラベンダー)を使ったものも出てきており、専門店などでは30~40種類をそろえているところもある。
和製英語では、一部のスプレッド類についても「ジャム」という名称が用いられることがあり、ゴマをペースト状にした「ゴマジャム」や、牛乳を煮詰めてとろみと甘味をつけた「ミルクジャム」などの商品も販売されている。
一般には瓶詰のほかプラスチックの個包装の形態(給食用など)でも販売されており、マーガリンなどと組み合わせになっており容器を折って開封するディスペンパックも販売されている。
ロシアのジャム
ロシアにはヴァレニエと呼ばれる果物を甘く煮たものがある。これもジャムとされることがあるが、ジャムとは違い、果肉の形が残ることは少ない。また、ロシア人は紅茶に砂糖を入れる代わりに、ヴァレニエを舐めながら飲む習慣がある。ヴァレニエをお湯に溶かして飲むこともある。日本で紅茶にジャムを入れたものを「ロシアンティー」と称するが、ロシアでは紅茶にヴァレニエを入れることは少ない。柚子ジャムをお湯で溶かしたものを柚子ティーと言うのと同じく、ヴァレニエをお湯に溶かしたものがティーと混同されて誤解が生じたようである。
関連項目
- ジャムパン - あんパンと同じようにパンの中にジャムを詰めたもの。イチゴジャムが多く用いられる。
- チャツネ - インド料理の一つ。日本ではジャムのようなものを指すが、地元のものとは大きく異なる。
- 西瓜糖 - 西瓜の果肉を加熱して濃縮したもの(ジャムのように砂糖を入れない)。そのままで健康食品として用いたり、甘味料として用いたりする。
- 柚練り - 柚子のジャム。そのままで食べる他、菓子の材料にする。
- かせいた(加勢以多、カセイタ) - 南蛮菓子を起源とする熊本県の郷土菓子。マルメロの実をジャムにして、最中種で挟んだもの。