燕三条駅
燕三条駅(つばめさんじょうえき)は、新潟県三条市下須頃にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)の駅である。
上越新幹線と、在来線の弥彦線との交差地点にあり、両路線の接続駅となっている。駅名が示す通り、燕市と三条市の市境に位置しており、北側は燕市、南側は三条市にまたがる形となっている。なお、駅長室のある三条市が登記上の所在地となっている(当駅の歴史も参照)。
目次
駅構造
新幹線
3階にある単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線を有する高架駅である。中央に通過本線を挟んでおり、通過本線のポイントは高速走行試験による430km/hでの通過に対応している。改札口は2階南側にあり、自動改札機が3通路設けられている。Suicaに関してはモバイルSuica特急券と長岡 - 新潟間のSuica定期券に対応している。
通常のダイヤでは、東京方面の列車は島式本線側の12番線から発着。外側の13番線は臨時ホームとなっており、通常は列車の発着は無く、ダイヤ遅延時等の停車・待避に使用される他、イベント等で長時間列車を留置させる際にも使用される。以前は通過列車が多かったが、次第に停車する列車が増え、現在定期列車で通過するのは大宮 - 新潟間ノンストップの「とき」1往復と下り2本の上下4本と回送列車のみで、これら以外の全ての定期列車が当駅に停車する。
在来線
1階にある単式ホーム1面1線を有する地上駅である。線路南側にホームがある。島式ホームの交換駅を想定してホーム南側にも線路用地があるが、線路・架線とも敷設されていない。無人駅扱いで、ワンマン運転時には先頭車両の一番前のドアしか開かない。改札口は2階北側にあり、簡易Suica改札機が入場用・出場用各1台、自動券売機1台(簡易式。Suica、オレンジカード等は使用不可だが、新幹線改札横のタッチパネル式券売機で使用可)などが設置されている。前述の通り無人駅扱いだが、早朝・深夜など一部時間帯を除き、列車発着前後に改札口に社員が配置される場合がある。
駅舎の構造上、両線の改札口は別になっており、連絡改札口も設けられていないため、乗り換える利用客は一旦改札口を出る必要がある。ただ両者の乗り継ぎは列車や時間帯によって大幅なばらつきがある。
のりば
在来線ホーム | |||
弥彦線 のりば |
テンプレート:Color弥彦線 | (下り) | 東三条行き |
---|---|---|---|
(上り) | 吉田・弥彦方面 | ||
新幹線ホーム | |||
11 | テンプレート:Color上越新幹線 | (下り) | 新潟行き |
12・13 | テンプレート:Color上越新幹線 | (上り) | 越後湯沢・高崎・大宮・東京方面 |
駅設備
直営駅で、周辺駅を管理する地区管理駅を兼ねる。駅舎2階にはみどりの窓口(営業時間 5:50 - 22:00)、自動券売機3台(みどりの窓口横:タッチパネル式2台、弥彦線改札口横:簡易式1台)、指定席券売機2台(みどりの窓口横、営業時間 5:30 - 23:50)の他、旅行センター(びゅうプラザ)、待合室、燕三条駅観光物産センター「燕三条Wing」、コンビニエンスストア(NEWDAYS MINI)、自動販売機、立食いそば店、トイレなどが設置されている。
かつては駅弁も販売されていた(後述)。立食いそば店のメニューにはそば、うどんの他、かつては中華麺にそば・うどんのつゆをかけた「和風中華」も供されていた(現在は発売なし)。駅舎1階にはコミュニティFM局である燕三条エフエム放送の事務所・スタジオ、喫茶店、交番、トイレ、レンタカー受付などが設置されている。なお、改札口など駅構内数箇所に自動体外式除細動器(AED)が設置されている。
- Tsubame-sanjo shinkansen2 040704.jpg
新幹線ホーム
- Tsubame-sanjo shinkansen3 040704.jpg
臨時ホームとなっている13番線。ダイヤ遅延時などに使用される
- Tsubame-sanjo shinkansen1 040704.jpg
新幹線改札口
- Tsubame-Sanjo Station - wicket of Yahiko Line.JPG
弥彦線改札口。新幹線 - 弥彦線の改札間の順路は、床面の緑色の矢印で指示されている
駅弁
2013年までは2階北側の弥彦線改札口手前で新津駅の駅弁業者三新軒と新発田三新軒の調製による一部の駅弁が販売されていた。 開業当時当駅に駅弁専門売店を設置したのは新津駅の駅弁業者である三新軒で、旧店名は「ときの店」であった。これは新幹線開業に伴って同駅を経由する優等列車の本数が減少したことから、顧客の新規開拓も兼ねて当駅構内に売店を出店したのがその始まりである。1990年代には駅弁販売を取り止めて単なる売店として運用された時期や新潟地区の構内営業事業者である新鉄構内営業の運営となった時期もあった。2008年3月を以って売店の営業権を日本レストランエンタプライズ (NRE)に譲渡し店名はNREが運営する駅弁専門の売店「駅弁屋 燕三条店」となり、午前9時から午後7時まで駅弁などを販売、三新軒は商品供給のみとなった。
しかし2009年7月に「駅弁屋」は閉店、以後は売店近くの2階コンコース西側にあったNREの立ち食いそば店「藪園」で販売されていたが、2013年4月にJR東日本新潟支社管内のNRE店舗の多くが同支社関連会社のトッキーに移管された際に「藪園」もこの対象となり「燕三条庵」と改名、「和風中華」がメニューから消えるなどの取扱商品の見直しの中で駅弁販売も終了した。
1階の喫茶店「四季」も同時にトッキーに移管されている。
以下は販売されていた商品。
- SL浪漫弁当
- SLキップ弁当
- 雪だるま弁当
- 鮭の焼漬弁当
- まさかいくらなんでも寿司
なお新幹線・弥彦線とも、開業以来ホームを含む改札内では駅弁の販売は行われていない。
利用状況
- 2013年度の1日平均乗車人員は2,218人である。近年の推移は以下のとおり。
乗車人員推移 | |
---|---|
年度 | 1日平均人数 |
2000 | 2,166 |
2001 | 2,242 |
2002 | 2,203 |
2003 | 2,229 |
2004 | 1,997 |
2005 | 2,186 |
2006 | 2,132 |
2007 | 2,178 |
2008 | 2,144 |
2009 | 1,990 |
2010 | 1,954 |
2011 | 1,993 |
2012 | 2,142 |
2013 | 2,218 |
駅周辺
駅舎を挟んで西側が燕口、東側が三条口となっている。各々にロータリーがあり、駅前広場やバス・タクシー乗り場、駐車場などが、ほぼ同じサイズで設けられている。
当駅は上越新幹線開通の際に新設された駅で、新幹線開通当初の駅周辺には水田が広がり、北陸自動車道・国道8号が通る程度で、商店・住宅とも少なかった。しかし、2本の鉄道路線と3本の幹線道路に囲まれた好立地から、その後は開発が急速に進み、現在駅周辺にはロードサイド型の大型店舗が数多く林立するなど、三条・燕両市を中心とする県央地域の交通・経済の要衝として機能している。近年、当駅を中心とした三条市須頃及び燕市井土巻の一帯は駅名に因んで「燕三条」、或いは略して「ツバサン」と呼ばれる。
三条口側
- 三条燕インターチェンジ・バスストップ(北陸自動車道) - 当駅は日本一高速のインターチェンジに近い新幹線停車駅である。[1]
- 国道8号
- ホテルニューグリーン燕三条
- ホテルルートイン燕三条駅前
- コンフォートホテル燕三条
- コメリパワー 三条店
- コメリ三条生活館
- コメリ三条金物資材館
- アークランドサカモト本社
- ホームサンタームサシ三条店
- 並木通りピア
他
燕口側
- 国道289号(第二産業道路)
- アクアホテル燕三条駅前
- アパヴィラホテル燕三条駅前
- アパホテル燕三条駅前
- ケーズデンキ燕三条店
- ジョーシン燕三条店
- 三条信用金庫 燕三条支店
- 燕三条地場産業振興センター(メッセピア・リサーチコア)
- 三条商工会議所
- イオン県央店
- 上州屋 燕三条店
- 蔦屋書店 県央店
- レッドバロン 燕三条店
バス路線
三条口側に燕三条駅三条口バス停が設けられている。
- 新潟交通観光バス
- 越後交通
- ジャムジャムエクスプレス
- 東京駅《鍛冶橋駐車場》行「JAMJAMライナー」
歴史
当駅は、上越新幹線開通に際して建設が決定した。上越新幹線の建設計画が立案された当初は新潟駅と長岡駅を結ぶルートが大まかに決まっていただけであったが、駅の間隔が60キロ以上離れてしまう為、県央地域にも駅を作ることになり、当地周辺への建設が浮上したとされる。在来線の弥彦線と接続させることで、弥彦山や弥彦温泉、更に寺泊港などへの玄関口へとなることが期待された。しかし、燕市と三条市との激しい誘致合戦の結果、どちらかの市へ大きく偏ったルートにはしないことを基本に新幹線のルートを決めたことにより、建設地が燕市と三条市の境界上に位置することになった為、駅名を決めるにあたり難航することになる。
燕、三条の両市には歴史的な確執もあり、駅名を付与する際には「新三条」「新燕」「燕三条」「三条燕」など、複数の案を巡って両市の間で紛糾を極めた。一旦は「三条」と「燕」の双方の都市名を駅名に織り込むことでとりあえず合意したものの、今度は燕と三条のどちらを先にするかで再び紛糾する事態に陥った。結局、田中角栄らの仲裁により、駅名は燕を先にした「燕三条」とし、駅長室を三条市側に配置して所在地を「三条市」とすることで最終的に合意した。三条市は当時の選挙区割りで田中が地盤としていた新潟3区となっていた(燕市は新潟1区)ため、その背景には政治的な意図があったともいわれているが、真相は定かではない(これに関しては鉄道と政治#駅名も参照)。また、営業キロは三条市側にある東三条駅のものを準用している。
行政区画上は、南北を貫く上越新幹線のホームは両市を跨いでおり(ただしGoogleやYahooの地図を見ればわかるように新幹線ホームの半分以上は三条市側に属している)、東西に走る弥彦線ホームは北側の燕市側に位置している。当初の建設計画では新幹線・弥彦線とも同じ北側に改札口を設けることになっていたが、上記のような経緯から計画を変更し、改札口を別々に設ける形となった。
駅近くにある北陸自動車道のインターチェンジの名称が、当駅とは逆に所在地が燕市にも関わらず「三条燕」となっているのは、当駅の名称が「燕三条」であることに対する事実上のバーターであるといわれている。
年表
- 1982年(昭和57年)11月15日 - 上越新幹線・大宮 - 新潟間開通と共に開設(弥彦線にも同時に開設。旅客扱いのみ)。
- 1987年(昭和62年)4月1日 - 国鉄分割民営化によりJR東日本に移管。
- 1988年(昭和63年) - 弥彦線ホーム改札口での改札業務を廃止し、改札部を無人化(券売機と窓口での乗車券発売は継続しつつ、乗車駅証明書発行機を設置)。しかしその後、不正乗車などトラブルが頻発したため、昼間時間帯の列車発着時に限り、再び社員が配置されるようになる。
- 2008年(平成20年)3月15日 - 弥彦線で「Suica」、新幹線で「モバイルSuica特急券」のサービス開始。
隣の駅
- 東日本旅客鉄道
- テンプレート:Color上越新幹線
- テンプレート:Color弥彦線
関連項目
外部リンク
- JR東日本 燕三条駅
- 燕三条エフエム放送(ラヂオは〜と)<駅舎1階>