愛国歌 (大韓民国)
テンプレート:Otheruseslist テンプレート:特殊文字 テンプレート:Infobox anthem テンプレート:Infobox 「愛国歌」(あいこくか、テンプレート:Lang-ko/愛國歌、Aegukga, エーグッカ)は大韓民国(韓国)の国歌。ただし法律上の定めはない。
目次
概説
作詞者は不明。尹致昊が大韓帝国の国歌を作詞したとする資料がある[1]。作曲者は安益泰。
「大韓帝国愛国歌」は、「君が代」の編曲者であるフランツ・エッケルトが、朝鮮の民族音楽を取り入れて作曲したもので、歌詞も現在のものとは違い、作詞は閔泳煥だったといわれている。
経過
現在の愛国歌の歌詞は、1896年の獨立門定礎式の際、白頭山を歌った愛国詩にアメリカ人宣教師たちが賛美歌として伝えたスコットランド民謡 "Auld Lang Syne"(日本では「蛍の光」)のメロディーをつけて歌ったものとも、また三・一運動直後、上海で樹立された大韓民国臨時政府により採用されたものとも言われる。
日本統治下
日本統治下ではその愛国的な歌詞が禁止されていたとする韓国人もいるが、もし事実だとすればそれは朝鮮総督府が歌詞の内容を吟味して禁止したのか、それとも単に朝鮮語の歌舞曲を禁じたためなのか判然としない。いずれにせよ在外朝鮮民族によって愛唱され、上海の大韓民国臨時政府はこれを国歌として指定した。日本の敗戦からちょうど3年後の1948年8月15日の光復節の独立記念式典で、スコットランド民謡のメロディーは姿を消し、代わりに安が1935年に作曲した管弦楽曲「韓国幻想曲」の終曲のメロディーを同じ歌詞にのせた新「愛國歌」が歌われた。
光復節後
光復節後、程なく1948年の李承晩大統領による大統領令により、国歌「愛國歌」は安作曲のものと定められた。
なお、韓国の各放送局ではその日の放送開始・終了時刻(24時間放送が行われるラジオでは1日の基点となる時間帯、おおよそ午前5時前)に必ず愛国歌の演奏を行うことになっており、KBSの各チャンネルでは放送開始(基点)時間前にはそれをフルコーラス演奏する。その他、韓国の民放、MBCとSBSなどでも流している。演奏中には色々な風景や国柄を反映する映像(オリンピックや国際大会でメダルを受賞した人の映像や兵士が勤務している光景、工場や名勝地、ソウルの風景や日常生活の光景)が流れる。
2006年の2006 FIFAワールドカップドイツ大会では、韓国代表応援歌として、ユン・ドヒョンバンドが愛国歌をロックアレンジしたものを発表している。
なお、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の国歌も「愛国歌」という名だが、歌詞もメロディーも全く異なるものである。
「満洲国祝典音楽」から転用された疑惑
2006年3月の報道によると、1942年にドイツのベルリン・フィルハーモニー(旧フィルハーモニー)で開催された「満洲国建国10周年記念音楽会」において、安がベルリン放送交響楽団を指揮して、自ら作曲した「満洲国祝典音楽」を演奏している7分間のフィルムが発見された。フンボルト大学ベルリンの音楽学科に留学中の学生が発見し、朝鮮日報に持ち込んだもので、フィルムに収められた「満洲国祝典音楽」には、「韓国幻想曲」と同じメロディが使われていたとされる。フィルムの発見者は、愛国歌の歌詞「華麗な山河、朝鮮半島、私の愛、朝鮮半島、あなたがただけだよ」の部分とほぼ同じ旋律が登場し、歌詞の内容は異なるが、「満洲国祝典音楽」と「韓国幻想曲」の合唱部分の旋律は、誰が聴いてもうり二つに感じるほどだと主張している[2]。
作曲者が親日派認定
作曲者である安は、日本の天皇をたたえる曲を作るなど日本帝国主義の称賛を続け、またナチス・ドイツに協力した行為も明白であるとの理由により、2009年11月8日に刊行された民族問題研究所の『親日人名辞典』に、日本による植民地支配に協力した一人として名前が掲載された[3][4]。
著作権問題
「愛國歌」は、2003年の時点で安の没後50年後の2015年まで著作権が存在するため、国歌としては珍しく著作権料支払い問題が存在していた。2003年12月には韓国音楽著作権協会 (KOMCA) が、試合前にこの曲を演奏したKリーグの2チームを告訴している[5]。2005年3月に安の遺族は著作権を韓国政府に寄贈し、ようやくほとんどの国歌と同様にパブリックドメイン扱いとなった。
歌詞
ローマ字転写
- 1番
- Donghaemulgwa baekdusani mareugo daltorok
- Haneunimi bouhasa uri nara manse
- コーラス
- Mugunghwa samcheolli hwaryeogangsan
- Daehansaram daehaneuro giri bojeonhase
- 2番
- Namsan wie jeo sonamu cheolgabeul dureun deut
- Baram seori bulbyeonhameun uri gisang-ilse
- (コーラス)
- 3番
- Gaeul haneul gonghwalhande nopgo gureum eobsi
- Balgeun dareun uri gaseum ilpyeondansimilse
- (コーラス)
- 4番
- I gisanggwa i mameuro chungseong-eul dahayeo
- Goerouna jeulgeouna nara saranghase
- (コーラス)
- 注:朝鮮語は語頭及び無声子音の直後には濁音が清音化する。ただし、ハングル(およびローマ字)で表記の際は濁音の時と同じ表記となる(例・白頭山≒baekdusan≒ペクトゥサン ×ベクドゥサン)。
- aeはカタカナでは「エ」の表記になるが、実際にはアとエの中間音に近い。
日本語訳
- 1番
- 東海(=日本海の事)が乾き果て、白頭山が磨り減る時まで(=永遠にありえないことのたとえ)
- 神のお護りくださる我が国、万歳(=万年永久に)
- コーラス
- 無窮花(=韓国の国花)、三千里(3,000朝鮮里=朝鮮半島の北から南までの長さ=韓国全土という意味)、華麗な山河、
- 大韓びと(韓国人)よ、大韓をとわに保全せよ(韓国を永遠に守ろう)。
- 2番
- 南山の老松が鉄の鎧をまとったように、
- 風霜の変わらざるは、我等の気性なり。
- (コーラス)
- 3番
- 広い秋の空が雲ひとつなく澄み渡り、
- 輝く月は、我等の精神、一片丹心(誠実な心)なり。
- (コーラス)
- 4番
- この気性(=2番で歌われたもの)とこの心(=3番で歌われたもの)で忠誠を尽くし、
- 辛くとも、楽しくとも、国を愛そう。
- (コーラス)
脚注
外部リンク
- 中級講座・「読む」― 愛国歌 - 日本語訳あり、趙義成の朝鮮語研究室(東京外国語大学)
- 映像付き大韓民国国歌 (YouTube)
- テンプレート:YouTube