テント (漫談家)
テンプレート:Infobox お笑い芸人 テント(1951年5月16日 - )は、日本の漫談家、タレント。旧芸名は大空テント(おおぞらテント)。本名、三浦得生(みうら とくお)。
「お笑い界のツチノコ」と評される[1]。
来歴・人物
近畿大学附属高等学校卒業後に1970年に川上のぼる門下になる。その後1973年に松竹芸能の漫才教室に入る。 1974年11月11日11時11分、新世界の新花月で初舞台(「ナンバ壱番館」再現VTRより。舞台袖で腕時計を見ながら、この時間になるのを待って舞台に出たという話である。)(実家の)テント屋の修行などを経て1981年、上岡龍太郎に弟子入り。同年、漫才コンビ星空まあちと「テント・シート」を結成、解散後は幸つくると「大空テント・幸つくる」を結成、NHK上方漫才コンテストで優秀賞を受賞、一躍脚光を浴びたが、数年後に解散。ヤマトと「ざっと31」を結成も解散、その後ピンとして活動。
上岡曰く「出てくるのがあと10年早かった」と言われ「21世紀型芸人」の異名を持つ。
明石家さんまが年に数回真似をする。
もともと「ギャグが滑るさま」が笑いを誘うというタイプであり、「テントさんの芸が面白い」というよりも「テントさんが芸をしているところが面白い」という、カルトな人気を持つ芸人である。90年代の終わりごろから口コミで話題になるようになり、一時期、小ホールなどで行なう彼のライヴのチケットは即完売し、手に入りにくいという状況になったことがある。また、東京・新宿にある吉本興業の劇場「ルミネtheよしもと」にも稀に出演し、「7じ9じ」のネタコーナーのトリを務めたこともある。
2007年末には吉本制作の年末恒例の特番「オールザッツ漫才」に出演、オープニングで持ちネタの「人間パチンコ」を披露するなど、忘れかけた頃に吉本関連の番組に顔を出すなどしている。
最近はワッハホールにて「得別奇角」のイベントを定期的に開催。
主に年末に演じられる、忠臣蔵の長編漫談は評価が高い。ダウンタウンの松本人志や、漫画家のいがらしみきおに共通されるギャグセンスを持っている。
中島らも や みうらじゅんらから高く評価され、彼らの主催のライブに出演している。みうらじゅんとは姓が同じで、どちらもみうらさんである。
エピソード
持ちネタである「蜘蛛の決闘」は手を蜘蛛に見立てて左右の手で闘わせるネタであるが、テント本人でもどちらの手が勝つかわからない位、熱中してしまうらしく、上岡が左手に千円賭ける、と言った時に左手の蜘蛛が勝ってしまったと言う逸話が残っている。上岡にとっては千円でもテントにとっては大金であると推測される為、賭け金が支払われたかどうかは定かでは無い。他にも「人間パチンコ」というネタがあるが、これもフィーバーになるかわからない。
本人はあまり積極的に営業をかけるほうではなく、一時期は週休6日の状態(週に1日だけ働いて、残りの6日はオフ)だったこともある。上岡が語ったところによると、確定申告をしに税務署へ行ったところ収入が48万円しかなかったため、係員に「ここに来るよりも民生委員のところに行きなさい」と言われたことがあるとの話がある[2]。
昔の寄席芸人についてかなり深い知識を持つ。師匠・上岡龍太郎が長年DJを務めていた「歌って笑ってドンドコドン」にゲスト出演したときなどには、芸歴でははるかに長い上岡自身でも覚えていないような昔の寄席芸人や、その芸人の持つエピソードを聴くことができたという。
1990年3月に「鶴瓶上岡パペポTV」の企画で、笑福亭鶴瓶と上岡龍太郎が大阪市東住吉区の長居公園の相撲場において相撲の五番勝負「嵐の春場所」を行なうこととなったが、当日都合のためドタキャンした上岡龍太郎が、彼を自身の代わりに「剛の者」として送りこんだ。結果は5戦全敗。また、翌週の「鶴瓶上岡パペポTV」の収録の前説にも、締め込みに化粧回しという姿で5分ほど登場し、歌「わらびもち」を披露した(この回の「パペポTV」は「嵐の春場所」においてけが人が出たことを踏まえ、事情説明のために、本編の前に割り込む形で笑福亭鶴瓶の行う前説が20分ほどON AIRされた)。
「テントひとりぼっち」で引退直前の上岡龍太郎がゲストで登場した時、2代目上岡龍太郎として芸名を譲ると言われたが、「サインで書きにくい」という理由で丁重に断った。その舞台上で、師匠と弟子が並んで「大股開き歩き」(テントが舞台に登場する時のお約束行動)で退場という、二度と見られない貴重なシーンが展開された。
ちなみに、2005年現在既婚であり、吉本興業の特番や関西テレビの「鶴瓶&なるみのほんまか」という番組で夫婦生活が紹介されていたが、その実態は「1日中家で遊び呆けている夫を妻がアクセサリー加工の内職をしながら世話をしている姿に終始する」というものであり、取材VTRを見た番組の出演者に「一度も家の外に出ない密着取材VTRを観たのは初めてだ」と言わしめるほどの内容であった。現在の妻とは、テントが東京の仕事の際に共通の知人を通じて現在の妻の家(当時)に宿泊させてもらい、御礼の手紙を書いたのをきっかけに、文通による交際が始まったものである。テントが書いて送っていたラブレターの内容は、ところどころに自分の持ちギャグを入れたり、意味なく色を塗るなど、おおよそ普通の大人が書くものとは思えない内容のものであった。しかし、テントの妻はその手紙を通じて子供のような汚れの無い純粋さを感じ次第に惹かれるようになり、結婚を決意したと言っている。
中学時代、自分の自慰行為に悩む姿を書き連ねた日記をつけており、後年パペポシアター(「パペポTV」のイベント企画)で師匠の上岡龍太郎にその内容を暴露された。この様子は後日カセットテープで発売された「パペポTV カセットBOOK」に収録されている。
主なギャグ
- 「人間パチンコ」(スロットが回るが「グルグルグル…5、5、手のひら!…なんのこっちゃ!」「グルグルグル…7、7、斜め!」など)
これを発明したのは落語家の露の新治で、「人間パチンコをやる時はかならずそのことを言うように」とお願いされたものの一度も言ったことがない。
- 「蜘蛛の決闘」
- 「蜘蛛の歩き方」
- 「みのむし(風に吹かれて揺れてる所)」
- 「尺取虫」
- 「(メガネを取り、両手で掴んで)蟹の動き」
- 「元大阪府知事の横山ノックです!(横山ノックのものまね)」
- 「わからん人放っときますよ。いちいち説明しませんよ。義務教育やないんやからね」
- 「ウィッ、ウィッ、ウィッ」(肩をあげながら言う)
- 「ギョ」
- 「このネタ、取らんといてな」
- 「面白ないでしょ?さっき考えたところやからね。キューやもん」(左肩だけ上げる)
- 「今笑わんとね、これからずっと面白ないよ、ここが僕の漫談の、山場やからね。低い山場やなぁ」
- 「僕の笑いね、意外と奥深いよ。幅狭いけどね」
- 「そんなんでね、どんなんや、そんなんですよ、どんなんや、そんなんですよ」
- 「あ、今ね、話変わりましたよ。ぼさーっとしてたらね、時代に取り残されるよ」
- 「吉良の首とった、ゆうてもね、頭も一緒にとるんですよ。首だけやったら誰のか分からんからね」
- 「吉良の首とった、ゆうてもね、頭も一緒にとるんですよ。首だけやったら2回切らなあかんからね」
- 「ハァ!カマキリの落とし子、テント」
- 「ギャシャリンベン、ドッハー!」
- 「言っておきますけど、僕の話、バラバラですよ。分解して家に持って帰って、組み立てて考えてください。
時々部品足らん事がありますけど」
- 「この歌は、○○に、そして、△△に、そして、トロピカルに歌いたい。よろしくっ!たんたん~♪」
(ネタ中に彼が歌う歌の初めは必ずこのパターン)
- 「たんたんち~ん、たんたんち~ん♪」(特定の歌の間奏として入れるギャグ。手足を互いにクロスさせながら言う)
映画
CM
レコード・CD
- わらびもち(1990年発売、2000年にCD化、プロデュースは山本精一)
- デカメロン(2003年発売)
脚注
- ↑ 「お笑いタイフーンJAPAN vol.11」
- ↑ 実際のところは芸能人はどんなに収入が少なくても収入の10%が所得税として源泉徴収されており、還付申告ができるため、税務署側から「確定申告は不要である」との指導を受けることはあり得ない