劇場版ポケットモンスター アドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者 ルカリオ
テンプレート:Infobox Film 『劇場版ポケットモンスターアドバンスジェネレーション ミュウと波導の勇者ルカリオ』(げきじょうばんポケットモンスターアドバンスジェネレーション ミュウとはどうのゆうしゃルカリオ)は、2005年7月16日から公開されたテレビアニメ『ポケットモンスター』の劇場版第8作である。
目次
概要
当初発表されたタイトルは『ミュウと波導の勇者』であったが、後に本作で初公表となるポケモン・ルカリオが加わった『ミュウと波導の勇者 ルカリオ』が正式タイトルとして発表された。
今作も前売り券を買うことによりミュウを入手することができたためか、前作の約160万枚を超える約175万枚の売上を記録。観客動員数は393万人(公式発表)、国内興行収入は43億円を記録する。2005年の年間邦画ランキングでは2位(同年公開の邦画では1位)の成績を残した。
2006年7月13日に地上波初放送され、アメリカでは2006年9月19日に『Pokémon: Lucario and the Mystery of Mew』(ルカリオとミュウの謎)として発売された。
オルドラン城のモチーフはドイツのノイシュヴァンシュタイン城、内部の庭園はドイツのリンダーホーフ城。世界のはじまりの樹のモチーフは北欧伝説「ユグドラシル」である。
本作は劇場版ポケットモンスターシリーズで現在のところ唯一、回想形式ではあるが戦争を描いた作品である。そのため、スポーツであるポケモンバトルとの混合を回避しなければならないこともあってか、初期設定では武器を装備したポケモンがイメージされていた[1]が、最終的には鎧を装備している。その一方でシリーズ内では珍しく、サトシ達と明確に対立する存在(悪役)が登場しない作品でもある[2]。
ピカチュウがミュウに連れて行かれたはじまりの樹へ向かうサトシが、ピカチュウとの出会いの話を語り、無印編第1話の回想シーンが挿入される。
あらすじ
テンプレート:不十分なあらすじ 数百年前、オルドラン城は戦争に巻き込まれる危機に瀕する。城と運命を共にすると誓う女王の元から、その城に仕える波導使いアーロンは弟子のルカリオの元へと立ち去るが、戦いが始まろうとしたまさにその時、世界のはじまりの樹に光が灯り、戦いは防がれるのだった。
現代に至り、アーロンは城を守った波導の勇者の伝説として語り継がれ、オルドラン城ではその年の勇者を決めるためのポケモンバトルの大会が催されていた。その大会へ参加したサトシは見事優勝し、優勝者にのみ握ることの許された「アーロンの杖」を手にする。すると突然杖に光が灯りアーロンの弟子であったはずのルカリオが飛び出してきたのだった。
登場人物・キャスト
レギュラーキャラクター
詳細は個別記事かアニメ版ポケットモンスターの登場人物を参照。
- サトシ
- 声 - 松本梨香
- 本作のレギュラーキャラクター側の主人公。アーロンと同じ波導を持ち、ルカリオは彼の波導を感じ取り現代に復活を遂げる。ポケモンバトルではアーロンと同じ衣装で参戦。
- タケシ
- 声 - うえだゆうじ
- 世界一のポケモンブリーダーを目指している。舞踏会では牧師の姿になる。
- ハルカ
- 声 - KAORI
- 本作の準主人公。トウカジムのジムリーダー・センリの娘であるポケモンコーディネーター。舞踏会では貴族のドレスを着用。
- マサト
- 声 - 山田ふしぎ
- ハルカの弟。舞踏会では貴族の衣装で登場。
- ムサシ
- 声 - 林原めぐみ
- ロケット団の一員。
- コジロウ
- 声 - 三木眞一郎
- ロケット団の一員。
- ニャース
- 声 - 犬山イヌコ
- ロケット団の一員。2足歩行して人間の言葉を喋るポケモン。ピカチュウと共にミュウに「はじまりの樹」に招待される。
- サトシのポケモン
- サトシの最初のポケモン。ニャースと共にミュウに「はじまりの樹」に招待される。
- ハルカのポケモン
- タケシのポケモン
- コジロウのポケモン
- ナレーション
- 声 - 石塚運昇
ゲストキャラクター
- アーロン
- 声 - 山寺宏一
- 数百年前、女王リーンに仕えていた“波導使い”。リーンからの命を受け、従者のポケモン・ルカリオと共に国を揺るがす争いを鎮めるため活躍し、現在では「波導の勇者」として人々に讃えられている。着けている手袋は「波導グローブ」というもので、波導を増幅する力を持つ。
- 劇中では触れられていないが行動がやや無鉄砲であり、サトシを彷彿とさせる。
- ゲーム『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』では彼によく似たキャラクター・ゲンが登場する。
- キッド・サマーズ
- 声 - ベッキー
- 世界的に有名な女性冒険家。お嬢様育ちだが行動は大胆不敵で、危険な場面ほどワクワクする性格。ポケモンバトルでは鎧騎士の姿でサトシと対戦。その後、ミュウをゲットすべく暗躍するも、ミュウがピカチュウとニャースを連れて消えてしまったため、サトシたちと共に始まりの樹へ向かう。
ゲストポケモン
- ルカリオ
- 声 - 浪川大輔
- 本作のゲストポケモン側の主人公。アーロンの弟子でアーロンと共に修行をした。波導の力により、目が見えなくても敵や周囲の障害物を感知することが出来る。争いを鎮めるために戦うものの、自分と運命を共にしないようにしようとしたアーロンにより封印をされ、それによりアーロンは自分達を見捨てたと誤解する。ピカチュウを探すためにサトシ達に協力をする。サトシとは最初は反りがあわず、衝突もしたが彼と行動するうちに打ち解け友情が芽生えていく。終盤にて時間の花のアーロンの幻影を目撃。数百年前にアーロンが自らの命を犠牲にして争いを止めたことを知る。そして自身もはじまりの樹の崩壊を防ぐために波動を全て使い果たし、アーロンの幻影を見たことで彼が最後まで自分の身を案じていてくれたことを知り、涙を流しながらアーロンのいた時代へ消えていった。エンディングではアーロンの肖像画に彼の姿もあった。
- ミュウ
- 声 - こおろぎさとみ
- はじまりの樹に生息する。無邪気でいたずら好きな性格で自身の住処には城から持ち出してきたおもちゃがたくさん置いてある。城のポケモンバトルに勝利したサトシのピカチュウを気に入りエイパムに化けてサトシやハルカのポケモン達と一緒に遊ぶがキッドのマニューラの襲撃を受けてピカチュウとニャースをはじまりの樹に連れ去ってしまう。様々なポケモンに変身しており劇中ではプロローグではホウオウ、本編ではスバメ、ピチュー、キモリ、マネネ、エイパム、ピジョットの順番で変身した。
- レジロック、レジアイス、レジスチル
- 声 - 宮下栄治、河本邦弘、梯篤司
- はじまりの樹を守るポケモン。はじまりの樹とミュウの意思に従い行動する。侵入者であるサトシ達を襲撃するが最終的にはミュウ自身がサトシ達を敵ではないと判断したため撤退した。
- ウソハチ
- 声 - 梶原雄太(キングコング)
- タケシたちの食べ物を盗んでタケシに怒られて嘘泣きをすると言うかわいい一面もある盆栽ポケモン。その後は成り行きでサトシ達に同行。EDではミュウと共にはじまりの樹に住んでいるようである。
- ヘルガー
- 声 - 坂口候一
スタッフ
- 原案 - 田尻智、増田順一、杉森建
- アニメーション監修 - 小田部羊一
- エグゼクティブプロデューサー - 久保雅一、鶴宏明
- プロデューサー - 吉川兆二、松追由香子、岡本順哉、盛武源
- アニメーションプロデューサー - 奥野敏聡、神田修吉
- TVリレーションシップス - 岩田圭介、松山進
- アシスタントプロデューサー - 島村優子、福田剛士、山本愼仁
- デスク - 高梨志帆、石橋里奈
- 脚本 - 園田英樹
- 絵コンテ - 湯山邦彦、木村哲、増井壮一、浅田裕二、宮尾佳和
- 演出 - 浅田裕二、吉川博明、鎌倉由実、渡辺正彦、飯島正勝、高橋ナオヒト
- タイトル演出 - 宮尾佳和
- 演出助手 - 徳本善信
- キャラクターデザイン - 毛利和昭、松原徳弘、一石小百合
- デザインワークス - 永井健一、コレサワシゲユキ、ゴトウマサユキ、原田みどり、宮尾佳和、佐藤和巳、久高司郎、井ノ上ユウ子
- 総作画監督 - 毛利和昭
- 総作画監督補 - 松原徳弘、佐藤和巳、田口広一
- 作画監督 - 井ノ上ユウ子、相澤昌弘、池平千里、松本卓也、志村隆行、高橋美香、君塚勝教、夏目久仁彦、玉川明洋
- 動画チェック - 榎本冨士香、室岡辰一、笠間陽子、齋藤友希
- 色彩設計 - 佐藤美由紀、吉野記通
- 色指定 - 上村貴子、上田みず恵
- 検査 - 伊藤良樹、伊藤敦子、奥井恵美子、水巻みゆき、川崎亜矢、塚田真由美、中川裕美
- 特殊効果 - 太田憲之
- プロダクションマネージャー - 大竹研二
- 美術監修 - 金村勝義
- 美術監督 - 武藤正敏
- デジタルワークス - 高尾克己
- 撮影監督 - 水谷貴哉
- CGI監督 - 佐藤誠
- CGIプロデューサー - 坂美佐子
- 編集 - 辺見俊夫
- 編集助手 - ジェイ・フィルム、今井大介、後田良樹
- 現像 - イマジカ
- 音楽 - 宮崎慎二
- 音楽プロデューサー - 篠原一雄、斎藤裕二
- 音響監督 - 三間雅文
- 音響プロデューサー - 南沢道義、西名武
- 制作担当 - 小板橋司
- 制作デスク - 亀井康輝
- 制作進行 - 小磯哲也、大杉善信、近藤琢磨、藤井安晶、内田晴香、栗原美果
- 製作 - 亀井修、陣内弘之、富山幹太郎、芳原世幸、井澤昌平、原口宰、八木正男
- アソシエイトプロデューサー - 川原章三、中尾哲郎、山内克仁、伊藤憲二郎、山下善久、今井茂人、紀伊高明
- 制作 - 小学館プロダクション
- アニメーション制作 - O.L.M Team Koitabashi
- 監督 - 湯山邦彦
- 製作 - ピカチュウプロジェクト(The Pokémon Company、小学館、テレビ東京、メディアファクトリー、トミー、ジェイアール東日本企画、O.L.M、小学館プロダクション)
原画
- Team IWASA
- 長岡みどり 武井智子 竹渕正美 中村亜貴子 井坂純子 日野寧子
主題歌
- オープニングテーマ「バトルフロンティア(映画バージョン)」
- 作詞・作曲 - Rie / 編曲 - 高梨康治 / 歌 - 髙屋亜希那
- AGシリーズの映画の中で唯一劇場用OPテーマが使用された。
- エンディングテーマ「はじまりのうた」
- 作詞 - PUFFY / 作曲・編曲 - Andy Sturmer / 歌 - PUFFY(Licensed by Ki/oon Records Inc.)
- 2005年「ポケモンぬりえ&イラストコンテスト」テーマ曲「ポケモンかぞえうた」
- 作詞 - 戸田昭吾 / 作曲・編曲 - たなかひろかず / 歌 - 金沢明子
- テレビシリーズでも6代目EDテーマとして第134話から第148話まで使用された。
その他
- スマトラ島沖地震及び津波被災地に対する支援
- ピカチュウプロジェクト(劇場版ポケットモンスター製作委員会)は、日本赤十字社を通じて映画「ミュウと波導の勇者ルカリオ」の収益の一部を、スマトラ島沖地震及び津波によるインド洋沿岸地域の被害に対する復興救援として、526万4964円を寄付することを決定した。
映像ソフト化
- 本編のDVDとビデオは2005年12月22日に発売された。なお、翌年以降の劇場版ポケモンシリーズは全てDVDのみの発売となっている。
- 映画10周年を記念して発売された「劇場版ポケットモンスター PIKACHU THE MOVIE BOX 2003-2006」に収録されている。
脚注
受賞歴
- 第23回ゴールデングロス賞 日本映画部門 優秀銀賞
関連項目
外部リンク
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