悪魔のKISS
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テンプレート:Sidebar with collapsible lists 『悪魔のKISS』(あくまのキス)は、1993年7月7日から9月22日にフジテレビ系で放送されたテレビドラマ。全12話。キャッチコピーは「悪魔のような誘惑が、はたちの夢を狂わせる。」
概要
静岡県焼津市から上京してきた、中学時代の同級生でもある3人の若い女性(奥山佳恵、深津絵里、常盤貴子)が、性地獄・宗教地獄・カード地獄に墜ちていく様を描いた。
放映当時、主役の一人に抜擢された常盤貴子はまだ無名の存在だった。常盤がアルバイトをするファッションヘルスに寺脇康文が最初の客として現れるシーンで、ヌードシーンも辞さない体当たりの演技が話題となり、常盤が新進女優としてクローズアップされるきっかけとなった。このシーンの存在は、後に常盤の人気が上昇してからも語り草となる。寺脇は後にトーク番組にて「下着姿で来るとは聞いていたが、まさかノーブラだとは思わなかった。なるべく手で隠すようにしてカメラに映らないよう配慮した」と語っている。版権を買い取られる前の最初の再放送ではこのシーンはカットされなかったが、2回目はカットされた。
他のCX系テレビドラマの多くはビデオ化やDVD化されているが、前述の常盤のヌードシーン以外にも過激な描写が多いことも影響してか本作に関しては見送られている。 テンプレート:Sectstub
キャスト
主役3名のみ、オープニングでプロフィールが登場する。
- 斉藤みさを:奥山佳恵
- 美大進学を希望していたが、父の病気で断念。高校卒業と同時に駅構内の売店で働き、絵本作家を目指す。再会した幸子の伝手で、憧れの作家・北原れいのアシスタントとなるが、彼女の実態を知ってしまったり、先輩アシスタントの洋子の嫉妬に遭う。明るく前向きな性格だが、中学生の頃、親友が目の前で飛び降り自殺をしたことがトラウマとなっている様子。
- 朝倉幸子:深津絵里
- 中学生の頃は焼津に住んでいたが、のちに上京し出版社の電話交換手となる。質素でおとなしい性格。母の遊び仲間だった加藤とのトラブルが元で、家を出た直後、同僚の佐渡に憧れるようになる。そして自身の孤独感、母から渡された1万円を寄付したことをきっかけに、新興宗教「まごころの家」に入会。しかし幹部による献金横領、佐渡の妻・香代からの嫉妬と自殺未遂などに遭遇。佐渡への想いからおこなっていた勤務先での電話の盗聴が発覚後、母と弁当屋を開業した様子。
- 柘茉莉子:常盤貴子
- さそり座 B型 / 生年月日:昭和47年11月6日 / 職業:麻布学院大学学生 / 好きな色:赤 / 趣味:ショッピング
- 東京の大学で学生生活を送っていたが、多額のショッピングでカード地獄・借金地獄に堕ち、返済のためにファッションヘルスで働き始める(この時の源氏名に「みさを」を用いた)。遭遇した事故現場で、中学の同級生だったみさをに再会。当初は反発していたが、次第に和解していく。のちに父とも歩み寄りをみせる。
- 田村京平:大鶴義丹
- 金融会社エコーファイナンスに勤務。佐渡の友人。最終話で、金田の使いのヤクザに首を切られ壮絶な死を遂げる。
- 加藤明夫:寺脇康文
- 由梨江の恋人だったが、幸子にも手を出し、その後は茉莉子のヒモになる。金田の命令のまま茉莉子を覚醒剤中毒に陥れるが、金田に裏切られた挙げ句、逃亡のための渡航費を由梨江にせびったところを嵌められ、警察に通報される。
- 佐渡研:西島秀俊
- 出版社社員で幸子の同僚。番組当初、妻の香代とは籍を入れていないという設定だった。新興宗教「まごころの家」の信者だが、信者に多額の献金を迫る教団の方針に疑問を抱く。
- 朝倉由梨江:夏木マリ(友情出演)
- 幸子の母。派手で遊び好きな性格に加え、悩みに気づけなかったことで幸子から反発されてしまう。しかし、のちに自身の態度を省みた上で、幸子と弁当屋を開業する。
- 金田浩:益岡徹
- エコーファイナンスの社員だったが、横領で解雇される。他人を道具として扱うことに何の躊躇いもない。茉莉子を風俗地獄に落とし、さらに裏ビデオで実家の親を脅して多額の和解金を巻き上げる。強請って個人情報を横流しさせていた田村に刺されてしまう。しかし、一命は取り留める。
- 北原れい:黒田福美
- みさをの憧れの絵本作家。みさをを雇うことになるが、実はレズビアンで、みさをに関係を迫った。仕事を辞めたみさをに口止め料を渡そうとするが、「これからも憧れの人でいてください」と戒められる。
- 水谷洋子 :五十嵐いづみ
- れいの住み込みアシスタントであり、恋人でもある。新しくやって来たみさをに嫉妬。様々な嫌がらせを展開。
- 島本編集長:四谷シモン
- 菅野正一 :柄本明
- みさをの母方の叔父。ラーメン屋を営む。国際結婚をしている。
- ヨランダ:マリア・シュナイダー
- 正一の妻。底抜けに明るい性格。後に子供を宿す。
- 佐渡香代:中島ひろ子
- 佐渡の妻。「まごころの家」の熱狂的な信者。佐渡とは教団から選ばれた夫婦と信じて疑わない。佐渡と幸子の仲を不安に思い、無断で籍を入れたり、子供が欲しいと迫るが、逆に別れ話を切り出され、幸子を呼び出して自殺を図る。一命を取り留め、のちに離婚に応じた。
- 「まごころの家」の勧誘員
- 幸子に高額の壺を売りつけるなど、霊感商法の前線部隊として教団への献金集めを担当する。
- 茉莉子の働くファッションヘルスの店長:大河内浩
- ラジオのパーソナリティ:加藤いづみ(声の出演)
- 柘剛一:清水紘治
- 茉莉子の父。焼津で医師をしている。茉莉子が高校生の頃、前妻(茉莉子の実母)と死別。その直後に美奈子と再婚したが、このことが茉莉子の反発にあう。金田の強請で茉莉子の実状を知って激昂。借金のカタをつける代わりに絶縁すると宣言をしたこともあるが、のちに和解。
- 柘美奈子:宮田早苗
- 茉莉子の継母。結婚前はナースだった。
- 太田:富家規政
- 焼津の高校で教師をしていたが、かおりとの不倫が発覚し退職。東京の予備校講師となる。
- 斉藤かおり:山崎亜弥子
- みさをの妹で高校生。太田の子を妊娠し、結婚を夢見て上京するが、中絶を迫られる。
- 金田の使いのヤクザ :宇梶剛士
- 金田の指示によって田村を殺害した。
スタッフ
- 企画:小林義和・小川晋一(フジテレビ)
- プロデューサー:三宅川敬輔・小泉守(イースト)
- 脚本:吉田紀子(富良野塾出身)
- 監督:林徹(フジテレビ)、上川伸廣(イースト)
- 音楽:長谷部徹
- 制作協力:東通、ニッポン放送、ウェルアップ(現・ジェニック)、渋谷ビデオスタジオ、フジアール
- 制作:フジテレビ、イースト
テーマ曲
- 主題歌:サザンオールスターズ「エロティカ・セブン」
- 挿入歌:加藤いづみ「好きになって、よかった」
- 挿入歌:川村かおり「神様が降りて来る夜」
- 挿入歌:サザンオールスターズ「真夏の果実」
サブタイトル
各話 | 放送日 | サブタイトル | 視聴率 |
---|---|---|---|
Vol.1 | 1993年 7月7日 |
誘惑のささやき | 15.8% |
Vol.2 | 7月14日 | 凍りついた未来 | 12.7% |
Vol.3 | 7月21日 | 転落の始まり | 12.7% |
Vol.4 | 7月28日 | あなたを助けたい | 12.7% |
Vol.5 | 8月4日 | 罠に墜ちてゆく | 12.6% |
Vol.6 | 8月11日 | 汚れた身体 | 11.5% |
Vol.7 | 8月18日 | 白い粉 | 14.9% |
Vol.8 | 8月25日 | 仮面の下の欲望 | 14.2% |
Vol.9 | 9月1日 | 覗かれた儀式 | 12.2% |
Vol.10 | 9月8日 | 盗聴…注射…破滅 | 14.4% |
Vol.11 | 9月15日 | 命をかけた切札 | 15.4% |
Final Story | 9月22日 | 命を買い戻した日 | 16.9% |
平均視聴率 14.1%(ビデオリサーチ調べ・関東地区) |