コメディーお江戸でござる

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テンプレート:基礎情報 テレビ番組コメディーお江戸でござる』(コメディーおえどでござる)は、1995年3月30日から2004年3月18日にNHK総合テレビジョンNHKデジタル衛星ハイビジョンで放送されていた、江戸時代江戸を舞台とし、町人の生活をコミカルに描いた喜劇を中心に据えたバラエティ番組

概要

この番組ができるきっかけとなったのは、江戸時代と現代の不思議な共通性や意外性に着目したことで、その江戸の面白さをより臨場感たっぷりに伝えるために、「公開コメディー」形式を採用されることになったが、NHK内では「公開コメディー」の制作ノウハウが失われつつあったため、スタッフは伊東四朗に持ちかけ、快諾。さらに、「お笑いオンステージ」を手掛けていた滝大作に協力を依頼してスタートしたいきさつがある[1]

放送開始に先駆け、NHK総合テレビジョンで1994年8月2日・12月17日に試作番組が放送されたが、どちらも「コメディー(1994年8月2日の題材は町火消し・1994年12月17日の題材は「師走かんざし騒動」)」とそれを補完する講座の2本柱だったので、歌のコーナーはなかった[2][3]

伊東は明確な喜劇論を持っていて、番組スタッフと徹底的に討論を重ねて番組を練り上げていったが、その伊東は「『お笑いオンステージ』は三波(伸介)という“上”がいて、私はわき役だったので楽でしたが、今回は座長として番組の中心にいるので苦労していますよ。全体を見渡さなければなりませんから」と苦労を語っている[1]

1996年4月の放送では16.7%を記録、そのころから安定して13~14%の視聴率を残すようになった。なお1996年11月21日放送分では、関東地区16.4%・関西地区14.5%[4]を記録、1996年12月31日の第47回NHK紅白歌合戦には伊東のほか野川由美子重田千穂子桜金造魁三太郎のレギュラー出演者5名が応援ゲストとして登場した。1997年9月には関東地区で視聴率が17%台[5]となるに至った(ビデオリサーチ調べ)。

しかし、伊東は、NHKに1998年3月いっぱいで「次の世代につなげていきたい」という理由で番組降板を申し入れた。しかし、NHK側はこれを受け入れず、交渉は難航、NHKは伊東の降板の意思を覆せないと判断し、降板を了承。そのかわり出演期間の1年延長(当初は1年-2年間の契約だった)を要求し、伊東はこれを受け入れ、出演を1年延長し、1999年3月に降板した[1]

そこからスタッフの模索が始まり、当初はゲストを主軸に据えるなど、試行錯誤があったが、結局は、第1回から出演していた桜金造や、番組初期に加わった重田千穂子や、えなりかずき、それに、魁三太郎らのチームワークが功を奏し、「誰も中心に据えない」群像劇という番組の魅力に行き着いた[1]

番組終了後リニューアルされ、同じ放送枠でコメディー道中でござるとして1年間、2005年4月からは土曜特集内で不定期に2006年3月まで放送された。

1997年1月2日19:15~20:20には、「クイズ日本人の質問」との合同特別番組「新春・大江戸バラエティー『日本人の質問でござる』」が放送され、江戸時代に関する問題に『クイズ日本人の質問』の出演者が答えた後に、『コメディーお江戸でござる』で初笑いという趣向で、伊東四朗がクイズの出題者になったり、「公開コメディー」の中に『日本人の質問』のもの知り博士が出演し、まさに2つの番組が組み合わされた内容となった[1]。脚本は滝大作、番組テーマ曲(2番組のテーマ曲を融合)は両番組のテーマ曲を作曲していた藤野浩一が担当。

放送当日に放送された、「今日の番組から」(朝6時・8時台に放送)・「今夜の番組から」(昼間に放送)では、必ず当番組が紹介された。映像とアナウンサーのナレーションによるストーリー紹介の後、その回の出演者が集合し、座長が「お江戸でござるは、午後8時からでござる。」と言って締めるのが恒例となっていた。なお公開録画の回のみ、出演者の集合・座長の締めはなかった。

2007年6月24日よりCS放送ファミリー劇場で再放送開始。

番組構成

演劇、歌、「杉浦日向子のおもしろ江戸ばなし」の3部構成である。

演劇一座の舞台公演の形式をとっているため、スタジオセットは芝居小屋を再現していた。また、それぞれのコーナーの間にはアイキャッチを入れるようなことは無く、舞台の幕の上げ下ろしでコーナーの区切りをつけた。

撮影は一発撮りの公開録画形式だったが、消防法との兼ね合いから一般観覧者は募集していなかった(出演者のファンクラブ限定で、観客役という形で観覧者を募集することもあった)。しかし観覧を希望する声が多くなったことから、年に数回「特集 コメディーお江戸でござる」と銘打ちNHKホールなどで一般観覧者を入れて公開録画を行った。また、多くの有志を募り、地方公演が実現した事もある。

エンディングの最後に次回予告がついていたが、1997年7月10日放送分から、アナログハイビジョン撮影に切り替えられた頃まで次回予告は休止された。

  • 演劇
上述の通り、江戸の町人の暮らしをコミカルに描いた喜劇である。武士が出てくることは少なく、また、出てきたとしても主役は勿論町人・商人であり、舞台も商家や長屋が主であった。
伊東はご隠居や商家の主人役で役名には「徳兵衛」「徳之進」など必ず「徳」の字が付き、えなりは利発な子供・少年や商家の丁稚や手代役など、ある程度お決まりの役割があった。
場面転換の際は舞台を暗転していたが、あえて役者や黒子によるセット・書き割りの移動が見えるようにしていた。この時、番組テーマ曲がBGMとして流れるが、寂しげな場面ではアレンジを変えたもの、慌ただしい場面では全く別の曲が使用されていた。
番組内ではそれぞれの場面を「第○景」と称し、セットの入れ替え中にテロップ表示していた。概ね4~5景までで構成されていたが、稀に6景までに及ぶ回も存在した。
  • 歌謡コーナー
演劇にも出演した女性演歌歌手が、自分の持ち歌を披露する。レギュラー・準レギュラー歌手は、番組のオリジナル曲も披露した。
必ず舞台下手に設けられた花道から登場し、前奏の間に舞台へ移動する。
舞台後ろの幕には、放送時期の季節に合わせた「今月の花」(「今月の草木」となっていた時期もある)が描かれていた。
  • 杉浦日向子のおもしろ江戸ばなし
江戸風俗研究家の杉浦日向子が、演劇に出てきた場所や職業、物や流行など、江戸の町人文化を紹介するコーナー。進行はその時の座長格の出演者が務めた。
コーナーの冒頭には、まず、座長が「今日のお芝居に間違いはありましたでしょうか。」と杉浦に評価を求める。そして、杉浦が笑顔で演劇コーナーの考証の誤りを指摘したり、逆に良かった点(特に小物や演者の言葉遣い)を褒めたりする。番組初期には間違いが多く指摘されたが、滝大作が脚色を担当するようになってからは、それもほとんど無くなった。この杉浦の指摘はともすると「江戸マニアの粗探し」とも受け取れそうだが、様々な制約(例として江戸の長屋の井戸は地下水道から長柄杓で水を汲み上げる形が主流だったが、スタジオに長柄杓を入れられるだけの穴を掘れないため地下まで掘られているように見える釣瓶井戸に変えられている点。杉浦の指摘を受け番組中では後に水道井戸が再現された)から事実とは異なっている時代劇や舞台における江戸の情景が一般に事実と誤認されつつある傾向への警鐘でもあり、視聴者が江戸の世界をより深く楽しむための教養度の高いコーナーであった。

放送時間

期間 放送時間
日本時間
本放送 再放送
1995.03.30 1996.03.28 総合
木曜日 20:00 - 20:40
BS2
翌週木曜日 10:00 - 10:40
-
-
1996.04.04 1998.03.26 (総合)
木曜日 20:00 - 20:45
BShi
翌週以降月曜日 20:00 - 20:45
(総合)
翌週以降火曜日 16:05 - 16:50
(BShi)
翌週以降日曜日 17:00 - 17:45
1998.04.02 1999.03.25 (BShi)
翌週以降月曜日 20:00 - 20:45
(総合)
翌週以降火曜日 16:15 - 17:00
(BShi)
翌週以降日曜日 17:00 - 17:45
1999.03.26 2004.03.18 (総合)
翌週以降火曜日 16:15 - 17:00
(BShi)
翌週以降水曜日 14:00 - 14:45
(BShi)
翌週以降日曜日 18:00 - 18:45

スタッフ

出演者

レギュラーと女性演歌歌手、数名のゲスト俳優が出演。

レギュラー出演者

  • 伊東四朗 - 番組開始より事実上の座長として出演。途中で降板。大尽・商家の主人・大番頭・武士・大家・隠居・棟梁役など。
  • えなりかずき - 1995年9月28日放送分より参加。伊東降板後の座長格であったが、降板。賢い利発な小僧・丁稚役が多かったが、中期以降は小僧役から外れた。
  • 前田吟 - えなり降板後にレギュラー。伊東の担当していた役が多い。
  • 桜金造 - えなり降板後の座長格。与太郎役など。役名は主に「金太」で、他の役名でも『金』がつくことが多い。
  • 栗田貫一 - テスト版・初期のみ。途中降板。
  • 魁三太郎 - 栗田降板後のレギュラー。番頭・侍・大工役など基本苦労人。役名は主に「三次」他の役名でも主に『三』の字がつく。
  • 重田千穂子 - 年増・年寄り役など。役名は主に「お重」。
  • 杉浦日向子 - おもしろ江戸ばなし担当。体調の問題から、最終回とその前の回のみ石川英輔が代理出演。

準レギュラー出演者

女優

下記のいずれか1人もしくはゲスト女優が必ず出演し、女房役を担当した。

女性演歌歌手

若い娘役で出演することが多い。歌謡コーナーで歌も歌う。

よく出演したゲスト俳優

関連商品

  • 杉浦日向子 監修、深笛義也 構成「お江戸でござる - 現代に活かしたい江戸の知恵」ワニブックス、2003年8月 ISBN 4-8470-1518-5
「杉浦日向子のおもしろ江戸ばなし」を再構成してまとめたもの。
  • 杉浦日向子 監修「お江戸でござる」新潮社 新潮文庫、2006年6月 ISBN 978-4-10-114920-2
上記の書籍の文庫版。
  • 滝大作「小説 お江戸でござる」PHP研究所、2011年6月 ISBN 978-4-569-79788-5
脚本家によって書かれた短編小説20編。
  • 「NHK コメディーお江戸でござる オリジナル・ソング集」ソニーレコード、2000年9月 SRCL-4925
番組オープニングテーマと、歌謡コーナーの番組オリジナルソング10曲を収録したCD。
  • 「NHK コメディーお江戸でござる オリジナル・ソング集」ソニーレコード、2000年9月
上記商品のカセットテープ版。

脚注

テンプレート:脚注ヘルプ テンプレート:Reflist

外部リンク

テンプレート:前後番組
  1. 1.0 1.1 1.2 1.3 1.4 コメディー お江戸でござる なつかしの番組 クイズ・バラエティー編 特集テーマから探す NHKアーカイブス
  2. 放送ライブラリー コメディー・お江戸でござる
  3. コメディー・お江戸でござる 1994年12月17日(土) NHK番組表検索結果詳細より
  4. 読売新聞 1996年11月7日 朝刊 テレビ面より
  5. 日本テレビ「TVおじゃマンボウ」1997年9月27日放送分より