三角法
数学における三角法(さんかくほう)とは、三角形の角の大きさと辺の長さの関係を用いる手法の総称である。様々な数学の分野の中でもきわめて古くから存在し、測量などの実用上の要求と密接に関連して生まれたものである。三角法と数表を用いることで、直接に測ることの難しい長さを良い精度で求めることができる。三角関数は歴史的には三角法から派生して生まれた関数である。
三角法を用いることによって、建築物や山の高さなどを簡単に測ることができるようになる。投影図法の一つである第三角法が、三角法と称される場合がある。(「正投影図」を参照)
歴史
季節の長さの違いという暦法・天文学上の問題にこたえるためにアポロニウスによって開発され、用いられたのが三角法の歴史上最初の使用だとされている。この方法はさらにプトレマイオスによって「アルマゲスト」のなかで詳細に取り扱われた。インドでは8世紀に暦学の必要性から、三角法が導入された。中国における3世紀の測量法「重差術」は三角法の(を利用した)計算と見なすこともできるが、角の正接の概念を明示的に取り扱ったものではなかった。
アポロニウスに始まり、『影に関する包括的論考』を記したビールーニーなど三角法を発展させた多くの数学者は、これを天文学上の問題にしか用いていなかった。地上における測量の問題に三角法を用いようとした最初の人物は、10世紀のアル=カビースィーだとされている。教科書の形で三角法と地上の測量を初めてはっきりと関連付けたのはテンプレート:仮リンクによる『三角法、あるいは三角形の大きさについての書』(1595年)だった。三角法という言葉自体もピティスクスによって考案されたものである[1]。三角法に複素数を最初に用いたのはレオンハルト・オイラーである。17世紀のジェームス・グレゴリーや18世紀のコリン・マクローリンによる仕事はテンプレート:仮リンクの発展に影響を与えた。18世紀のブルック・テイラーはテイラー展開を定義した。
関連項目
参考文献