住友電気工業
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住友電気工業株式会社(すみともでんきこうぎょう、英文社名:Sumitomo Electric Industries, Ltd)は大阪市北浜に本社を置く国内最大の非鉄金属メーカーである。自動車関連製品、情報通信機器、電子部品、産業素材など幅広い事業を行っている。住友グループの中核企業であり、住友商事、日本電気とともに住友新御三家の一角である。また、住友ゴム工業、住友電装の大株主でもある。
近年は従来の電線事業の他、光ファイバーの製造技術による光通信システム、粉末冶金、超硬合金、半導体材料などの新素材など、新分野の開発でも多くの実績を残している。
製造業としては海外展開の最も進んだ企業の一つであり、 アジア・アメリカ・欧州など、世界30数カ国に約350社、 20万人を超える社員を擁する。
住友電工の歴史は1691年(元禄4)の住友家による別子銅山の開発に始まる。
主力製品・事業
同社が手掛ける製品は多岐に渡り、代表例として、下記のような製品群がある。
- ワイヤーハーネス 世界2位
- 化合物半導体(GaAs、GaN、InP)世界首位
- 光ファイバー、光通信用デバイス 世界有数
- 電子ワイヤー 世界首位
- 光ファイバーケーブル 世界3位
その他、切削工具用人工ダイヤモンド、高温超伝導ケーブル、レドックスフロー電池、 メガソーラー監視システム、自動運転システム、水処理装置、野菜栽培システムなど、将来有望な最先端の独自技術を多数有している。
自動車
エレクトロニクス
- プリント基板(FPC)
- 配線材
- 化合物半導体
- Thunderboltケーブル
情報通信
環境エネルギー
産業素材
主要事業所
- 本社(大阪) - 大阪市中央区北浜4丁目5-33(住友ビル)
- 本社(東京) - 東京都港区赤坂1-3-13(赤坂センタービルディング)
- 大阪製作所 - 大阪市此花区島屋1丁目1-3
- 伊丹製作所 - 兵庫県伊丹市昆陽北1丁目1-1
- 横浜製作所 - 横浜市栄区田谷町1
沿革
- 1897年(明治30年)4月 - 住友本店の一事業として「日本製銅株式会社」を買収。
- 4月1日、「住友伸銅場」が開設され、銅板、銅棒とともに銅線(裸線)の製造を開始。
- 1900年(明治33年)- 逓信省納入用の硅銅線製造開始。
- 1908年(明治41年)- 電力用ケーブル 製造開始。
- 1909年(明治42年)- 通信用ケーブル 試作開始。
- 1911年(明治44年)8月 - 住友伸銅場の電線製造部門が独立し、住友電線製造所発足。国産初の高圧地下送電線ケーブル(11,000V)を納入。
- 1916年(大正5年)- 新工場(現大阪製作所)開設。年々増加する電線の需要に対応するため、現在の大阪製作所に工場を移転、拡張する形で開設。
- 1920年(大正9年)12月 - 株式会社住友電線製造所に改組。
- 1939年(昭和14年)11月 - 住友電気工業株式会社に社名変更。
- 1941年(昭和16年)3月 - 伊丹製作所操業開始。
- 1949年(昭和24年)5月 - 東証・大証・名証に上場。
- 1961年(昭和36年)5月 - 横浜製作所操業開始。
- 1974年(昭和49年)12月 - 光ファイバー製造開始。
- 1982年(昭和57年) - 世界最大級1.2カラットのダイヤモンド単結晶の合成に成功。人工ダイヤモンドのリーディングカンパニーである当社は世界最大級のダイヤモンド単結晶の合成に成功。 1984年のギネスブックにも掲載。
- 1996年(平成8年) - 酸化物系高温超電導線材の長尺化技術を開発。低損失で高密度な通電が可能な超電導物質。当社は、ビスマス系高温超電導線材で、1,000mを超える長尺線を開発した。
- 2004年(平成16年) - 世界で初めて、高温超電導ケーブルの商業契約を締結。当社は、韓国電力公社電力研究院(KEPRI)から高温超電導ケーブルシステムを受注。電力搬送用高温超電導ケーブルとしては世界で初めての商業契約。
- 2007年(平成19年)12月 - 日新電機を株式公開買付け (TOB) により、持分法適用関連会社から連結子会社とする。
- 住友電装を完全子会社化。
主要関係会社
国内グループ企業
環境エネルギー
情報通信
- ミライト・テクノロジーズ(東証1部上場)
- SEIオプティフロンティア
- 日本通信電材
- スターネット
- ブロードネットマックス
- 住電オプコム
- 清原住電
- 住電通信エンジニアリング
- 住友電工デバイス・イノベーション
- 住友電工ネットワークス
- 住友電工システムソリューション
自動車
- 住友電装
- 東海ゴム工業(東証1部上場)
- オートネットワーク技術研究所(住友電装も出資)
エレクトロニクス
産業素材
- アライドマテリアル
- アクシスマテリア
- 北海道住電精密
- 九州住電精密
- 東海住電精密
- 北海道スチールワイヤー
- 住友電工スチールワイヤー
- 栃木住友電工
- 星工業
- 住友電工ハードメタル
- 住友電工焼結合金
- 五興商事
- 三沢興産
- 宝産業
コーポレート
関係会社
- 住友ゴム工業(東証1部上場)
- テクノアソシエ(東証2部上場)
- ブロードワイヤレス (古河電工と共同出資)
- ジェイ・パワーシステムズ(日立電線と共同出資)
- 住電日立ケーブル(日立電線他2社と共同出資)
- OCC(NECと共同出資)
- 原子燃料工業
- アドヴィックス
- ASブレーキシステムズ
- 東芝住電医療情報システムズ
諸問題
- 2010年(平成22年)12月1日 - NTT東日本・西日本両社発注の光ケーブルを巡る価格カルテル事件に2005年から2009年にかけて関わっていたことが発覚し、自主申告を行った場合に適用される課徴金減免制度を使わなかったために課徴金分の損害を受けたとして、男性株主が株主代表訴訟を起こす[1]。
脚注
- ↑ 不正自主申告せず課徴金、住友電工を株主が提訴 読売新聞 2010年12月1日