ビリーヴ (競走馬)
テンプレート:Infobox ビリーヴとは日本の競走馬で、現在は繁殖牝馬である。馬名は英語のbelieve(信念)に由来する。能力が高いと距離の融通が利く馬の多いサンデーサイレンス産駒としてはめずらしく、競走成績は通算10勝すべてが1200メートルという生粋のスプリンターであった。
戦績
4歳(2002年)の夏前から本格化し、短距離路線の有力馬として名を馳せるようになった。4歳夏に1600万下条件に降級したが、佐世保ステークス、北九州短距離ステークスと条件戦を2連勝し岩田康誠を背にセントウルステークスに出走、そこで勝って重賞を初制覇し、GIのスプリンターズステークスに駒を進める。この年は新潟での開催で、鞍上には武豊で出走。ここまで3連勝の勢いを評価されてか、同年の高松宮記念を制したショウナンカンプや、安田記念を制したアドマイヤコジーンを上回る1番人気であった。レースでは終始最内を進み、直線で進路が狭くなりかけたが、逃げ粘るショウナンカンプと差してきたアドマイヤコジーンを半馬身差抑えて優勝した。この勝利は、同年に急逝した父サンデーサイレンスにとって、初のスプリントGIのタイトルだった。続いて12月にショウナンカンプとともに香港スプリントに出走したが、そこでは初の直線競馬や輸送などもあり12着に敗れた。
この年のJRA賞の選考で、ビリーヴは唯一古馬牝馬でGIを勝っているが、最優秀4歳以上牝馬のタイトルを受賞はならなかった[1]。
翌2003年2月に阪急杯で復帰。そこでは前々から騒がれていた気性難を露呈してしまい、9着に敗れる。不安が囁かれる中、続くレースは春のスプリント王決定戦・高松宮記念。この年からJRAの騎手となった安藤勝己が初めての騎乗。しかし前走・阪急杯での惨敗があってか、3番人気に甘んじた。1番人気はその阪急杯を制した前年の覇者ショウナンカンプ、2番人気は4歳馬のサニングデールであった。レースは圧倒的人気のショウナンカンプが逃げ、ビリーヴは3番手での競馬。かなりのハイペースとなり、逃げたショウナンカンプは直線脚色が悪くなる。4コーナーでは2番手にいたビリーヴがそこから抜け出し後続を寄せ付けず見事に優勝。名実ともにスプリント女王となった[2]。また、騎乗した安藤勝己にとってのJRAのGIはうれしい初勝利となった。その後は京王杯スプリングカップ、続く安田記念に出走したが、やはり距離が長いのか敗戦が続いたものの、得意距離に戻った函館スプリントステークスでは貫禄を見せ、久々の勝利を挙げた。
秋緒戦となったセントウルステークスではテンシノキセキに差されハナ差の2着、そして引退戦となったスプリンターズステークスではスプリント女王として1番人気に支持をされた。レースは4コーナーで早くも先頭に立ち、有終の美を飾れるかと思われたが、大外強襲をしたデュランダルとの写真判定の結果、わずか15cmの差で2着に敗れた。同年のJRA賞では最優秀4歳以上牝馬のタイトルを受賞し、これを土産に繁殖入りすることとなった。
繁殖入り後
2004年よりアメリカに渡り、ケンタッキー州・レキシントン近郊のレーンズエンドファーム・オークリースタッドで繁殖牝馬となり、2005年1月28日に父キングマンボの牡馬を出産した。その仔は2007年9月13日付でファリダット[3]という名前でJRAに競走馬登録された。同馬は2007年12月1日阪神競馬場で行われた2歳新馬戦で勝利し、ビリーヴ産駒の初勝利を挙げている。2007年3月11日にも、父・キングマンボの牡馬をアメリカ・ケンタッキー州・レキシントン近郊のレーンズエンドファーム・オークリースタッドで再度出産させた。こちらは、カザンリク[4]と命名され、こちらも中央競馬でデビューしている。
2010年4月7日にも、今度は、父・エーピーインディの牡馬を、アメリカ・ケンタッキー州・レキシントン近郊のレーンズエンドファーム・オークリースタッドで無事に出産、2012年8月9日付で、ヴレロワ[5]という競走名で命名されており、JRAに新規登録された。
繁殖成績
馬名 | 父 | 厩舎 | 馬主 | 戦績 | |
---|---|---|---|---|---|
第1子 | ファリダット | キングマンボ | 栗東・松元茂樹 | 前田幸治 | 53戦5勝 |
第2子 | カザンリク | キングマンボ | 栗東・松元茂樹→西脇・小牧毅 | 前田幸治 | 13戦1勝 |
第3子 | Corundum | エーピーインディ | 米・Paulo Lodo→米・Todd Pletcher→米・Flint W. Stites | 前田幸治 | 26戦3勝 |
第4子 | ヴレロワ | エーピーインディ | 栗東・中竹和也→園田・高馬元紘 | 前田幸冶 | 4戦0勝 |
- 2014年6月27日現在
血統表
ビリーヴの血統サンデーサイレンス系〈ヘイルトゥリーズン系〉 / (Nearctic4×4=12.5%〈母内〉 Almahmoud4×5=9.38%、Native Dancer5×5=6.25〈母内〉) | |||
父 *サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo 1969 黒鹿毛 |
Hail to Reason | Turn-to |
Nothirdchance | |||
Cosmah | Cosmic Bomb | ||
Almahmoud | |||
Wishing Well 1975 鹿毛 |
Understanding | Promised Land | |
Pretty Ways | |||
Mountain Flower | Montparnasse | ||
Edelweiss | |||
母 *グレートクリスティーヌ Great Christine 1987 鹿毛 |
Danzig 1977 鹿毛 |
Northern Dancer | Nearctic |
Natalma | |||
Pas de Nom | Admiral's Voyage | ||
Petitoner | |||
Great Lady M 1975 芦毛 |
Icecapade | Nearctic | |
Shenanigans | |||
Sovereign Lady | Young Emperor | ||
Sweety Kid F-No.22-d |
- 母グレートクリスティーヌの半姉に1986年のエクリプス賞年度代表馬Lady's Secretがいる。
- 祖母のGreat Lady M.の曾孫にサウンドバリアー(フィリーズレビュー)、スティールパス(スパーキングレディーカップ)、トレンドハンター(フラワーカップ)、キョウワハピネス(ファルコンステークス)などがいる。
脚注
外部リンク
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